「新しい病室では、外を見ることもできないんです」。国立八雲病院で労組のみなさんと懇談した際の、出てきた言葉に耳を疑いました。よくよく聞いて合点がいきました。

 筋ジス患者と重度心身障害児(者)を受け入れている同病院は、札幌と函館へ来年、機能移転する計画でいます。今の病室は床から天井まで届く窓ガラスがあるのに「新しい病室のモデルルームを見たら、高いところに窓がある。これでは寝てる患者が外を見られないんです」との話なのです。

 患者や医師・看護師などの意見も反映させながら、過ごしやすい環境をつくってきた歴史を知りました。この病院の良さに触れて家も買い、八雲町に骨をうずめる気持ちでいた職員もいます。長時間の移設に患者が心身とも耐えられるか、という切迫した問題もあります。このような懸念を伝えても、厚労省や国立病院機構から明確な返答がないといいます。

 それどころか厚労省は北海道54(全国424)の公立・公的病院の再編統合を、一年以内に結論を出すよう迫っています。そのなかには移設先となる国立函館病院もありました。いったい患者や家族、職員はどこへ行けというのか。広大な北海道の町から病院をなくすことに心が痛まないのか!

 「ここに住んでいたいという患者もいるのです」と懇談の場でも出されました。減らすなら病院よりも軍事費です。米国からの戦闘機爆買いなんて許されない。命を守るためにこそ税金を使う政治へ!