○畠山委員 日本共産党の畠山和也です。
 TPPの大筋合意が発表されて二カ月近くたちますが、まだ国会には何の報告もありません。一方で、政策大綱が発表され、補正予算まで検討されている中 で、憲法の定めに基づいて野党から臨時国会開催を要求したにもかかわらず、それに政府・与党は応じようとしてきませんでした。
 国民の負託を受けた私たち国会議員の責務と、最高法規である憲法の定めを何だと思っているんでしょうか。この場からも改めて臨時国会の開催を要求いたします。
 TPPは、批准したわけではもちろんなく、また、既成事実のように進めるということも許されません。日本共産党はこれまで、TPP交渉からの撤退を要求してきました。それは、日本の経済主権や食料主権が脅かされるということを理由にしてのものでした。
 資料をごらんください。一枚目ですが、これは内閣府による二〇一三年三月十五日の試算で、これはもちろん全て関税撤廃という前提のものでありましたが、 そのもとでは、農林水産物の生産額が三兆円も減少し、農業の多面的機能の喪失は一兆六千億円に上ると示されました。このような試算をもとにして、これまで TPPの論議をしてきたのではなかったのでしょうか。しかし、今回はまだTPPによる影響試算は出されておりません。限定的などの言葉がありますが、それ では農家も、理解も納得もできません。
 初めに甘利大臣に伺います。政策大綱や対策予算がこういうふうに決められるという状況の中で、しかし、今言ったように影響試算も出ていないし、私たちに は薄っぺらな概要ということだけでは、全然その根拠がわかりません。概要のみで全容が把握できないで、そんな国会審議でいいんでしょうか。
 審議の大前提として、全文をまず日本語訳として出すべきであることを要求したい。そして、何を根拠にして対策と補正予算などの検討がされてきたのか、そ の根拠を示していただきたいし、甘利大臣、結局、全文は英語で読んだんですか、日本語で読んだんですか。あわせてお聞きします。
○甘利国務大臣 内容については、それぞれ所管が英文で全部読んでおります。そして、所管ごとに概要の説明を私が受けておるということです。
 今いろいろ、法的整合性とか、各国が確認作業を統合してやっております。そういう過程で、概要で出せるものは出していこうと。基本はこの協定の中で言わ れている国の言葉で行っていくということになっているわけでありますから、その中で日本の作業がどのぐらい進められるかということだというふうに思いま す。
 それから、TPP協定の大筋合意後。今、署名に向けて作業が進んでいる中で、総合的なTPP関連政策大綱というものを打ち出したわけであります。これ は、大筋合意後、各地で説明会を開いております。その説明会を開催しますと、まず、中小企業の方々から、TPPを活用して海外展開の準備を始めたいと。 TPPの発効というのは、まだ、署名後、国会手続を終えてですから、巷間言われているのは一年半とか二年かかってしまうかもしらぬということを言われてい ますけれども、その前から準備することが必要であるということ。それから、農林水産業につきましても、体質強化に向けた施策を早期に示してほしいと。それ が現場から大分寄せられているわけであります。
 それに応える必要がありますからこの大綱を取りまとめたところでありまして、これは、実際に影響を受けて補填をすべき必要性というのは、具体的な動きが 始まるのはまだ先でありますけれども、現時点で、その政策に沿って必要な施策というものを明らかにしたものであります。これは、対策というよりも政策とい うことの御理解をいただきたいと思います。
 そして、中小企業等の海外展開支援、それから国内産業の生産性向上、それからさらには農業の成長産業化などについては、申し上げたように、対策というよ りは、いずれにしても待ったなしで必要な政策でありまして、いわゆる影響試算を前提にするものではないということであります。
 なお、農林水産業につきましては、政策大綱の検討過程において、農産品等への影響についての農林水産省による分析結果を提示してきておりまして、それを踏まえつつ必要な政策の検討を行ってきたところでございます。
○畠山委員 政策大綱が対策でなくて政策だということなんですか。端的にもう一度確認します。
○甘利国務大臣 対策というのは、具体的に、その政策を受けて必要な施策を検討して、それを予算化していくわけです。ですから、それは予算 編成過程の中でどういう政策が必要かということを示しているわけです。その政策をとっていくためにはどういう施策が必要で、それが予算に今年度はどう反映 していくか、いや、この施策は今すぐやるわけではないからもう少し先だとか、この施策は強化策だから今から始めようというのが予算編成過程で決まっていく わけです。
 今から全予算をいきなりとって、使わないでずっと置いておくというわけにはいきませんから、タイムスケジュールと合わせて、向かっていくべき方向性を具体的な施策にして、それを予算化していくという手順をとっていくということです。
○畠山委員 ちょっと角度を変えて、では中身で確認します。それでは、これは森山大臣に伺います。
 政策大綱の中にも、「経営安定・安定供給のための備え」という項目があります。経営安定にそれで万全を期すとあります。しかし、この備えのところは、協定発効に合わせて措置を講ずるというふうにあります。
 TPP前提ですよね。それでは、協定が発効しなければ措置しないということになるんですか。どうなんですか。
○森山国務大臣 畠山委員にお答えをいたします。
 大綱に掲げてあります「経営安定・安定供給のための備え」につきましては、一つは、主食用米の需要、価格に与える影響を遮断するために、国別枠輸入枠に 相当する国産米の政府備蓄米としての買い入れが一つあります。もう一つは、牛や豚のマルキンを拡充していくという措置を講ずることとされております。これ らは、TPP発効に伴い、関税削減等への備えであることから、TPP協定の発効に合わせて措置することが適当ではないかというふうに考えております。
 なお、協定の署名及び発効に向けて、各国が国内の支持を取りつけて、必要な国内手続を速やかに進めることにつきましては、各国の首脳間でも確認がされて いるところでありますので、TPP協定の早期発効に向けて、政府としてできるだけ早く国会の承認をいただけるように努力をしていくこととしておりまして、 TPP協定の発効に合わせて措置する対策を明らかにすることは、政府として当然のことではないかと思っております。
○畠山委員 いや、わからないですよ。
 ちょっともう一度聞きますよ。
 それでは、マルキンの法制化ですとか、これは農家が本当に前々から望んでいたことは、大臣御存じのことですよね。TPPがあろうがなかろうが、農家の支援は大事だということをずっと農水委員会では議論してきて、これはTPPをやらなくてもやるべきことですよ。
 それなのに、協定発効に合わせて措置を講ずるなら、協定発効しなかったらマルキンの法制化とかはしないということになるんですか。
○森山国務大臣 先ほども申し上げましたけれども、協定の発効に伴いまして、関税削減等への備えとして法制化等についての考え方が示されているところでございますので、現段階におきましては、TPP協定の発効に伴う措置として考えているということでございます。
○畠山委員 これはTPP前提ですよ。それでは今の農家の苦しみに応えていないじゃないですか。
 日本の農家は、これまでも農産物の輸入拡大の波に耐えてきて、コスト削減も大規模化も、ずっと政府の示したとおりやってきた方々がたくさんいらっしゃい ます。そして、生産仲間と相談しながら地域を支えた方々もいる。ウルグアイ・ラウンド、WTOなどの波もこうやって越えてきた農家から今、大きな不安や批 判が聞こえているじゃありませんか。
 根拠も、対策はどこから示してきたかわからない、そして日本語訳もまだはっきり出ていない。委員長、これは、連合審査ですけれども、それぞれの委員会ということになると思いますが、日本語訳の提出をお願いしたいというふうに思います。
○田村(憲)委員長代理 ただいまの件は理事会で協議をいたします。
○畠山委員 それで、重要なことは、農業への打撃はTPPで終わらないということになります。
 このTPPの後に、これは甘利大臣、言い続けていますけれども、RCEPとか、FTAAP、日中韓FTA、日・EU・EPAなどなど、それから、TPP に新たな国が加わることも歓迎するという中に、今後、これらの交渉についてはTPPのルールや基準を標準とするという趣旨の話をされてきたというふうに思 います。
 TPPのルールを標準としていくのなら、さらに、今回と同じように、日本の農林水産業に危機的な状況が生まれ得るという可能性はあると思うんですが、甘利大臣、いかがですか。
○甘利国務大臣 TPPというのは、一つの側面として、チェーンリアクションの側面がある。つまり、連鎖反応を起こすということですね。
 今、経済連携というのはどうも停滞しています。WTOはもうスタックしていますし、RCEPも延々として続いている、FTAAPはもう何年やっているん だろうと。それは、多くの国が集まると、それぞれの主張に部分的に合わせていくと、結局、自由化レベルは極めて低くなってしまう、WTOと大して変わらな いじゃないか、だったら急ぐ必要がないとか、いや、こういう、自由化をもっと上げろという強い主張があると反対する国があるというので、なかなか難しいん ですね。
 TPPはルールのたたき台になるということを申し上げております。TPPのルール、まあ、関税は、多国間でも、二国間を積み上げていくということになり ますし、そして基本的な部分は全面展開をしていくというやり方をやるわけですね。それがどこまでそれ以外の国に参加してもらえるかということはあるんです けれども、それは必ず全く全ての国が同じじゃなくて、国ごとに事情は違う部分も確かにTPPはあるんです。それはあると思います。
 ただ、ルールについては、投資の透明性とか、知財をちゃんと守るとか、これは絶対にとった方がいいものです。途上国においてそういうルールが守られな い、模倣品、海賊版が横行して、それを訴えても取り締まるルールがないとか、日本の知財コンテンツが本当に被害を受けているということですから、これはそ のとおりやった方がいいと思うんです。
 投資のルールでも、先ほど来申し上げているように、技術を移転しろと強要されたり、あるいはソースコードを開示しろと。そんなことをしたら、ソフトウエ アの企業はもう終わりですよ。そういう要求をされる、それができなくなる。これをよそに展開していくということは絶対に有利なんですね。
 TPPの中でつくったルールというのは、十二カ国が承知をしてつくっている、十二カ国にとって受け入れやすい、そして自由度の高いルールなんです。それ をよそに展開していくということは、我々の庭先のルールを展開していく面積が広まるということですから、絶対にいいことなんですよ。そういう意味では、こ のTPPのルール、あるいは関税の方針を理解して入ってくる人はそれに合わせていただくわけですから、我々の庭先がどんどん広がっていくということは十二 カ国にとっても非常にいいことであろうというふうに思っています。
○畠山委員 私は農林漁業に影響があるかということを質問したんですから、それに正面からお答えいただきたい。
 攻めの農林漁業で一兆円の目標を掲げて前倒しで進めるということなども言ってきました。今、正面からお答えになりませんでしたけれども、否定をしなかったということじゃないんですか。
 資料の二枚目をごらんください。その目標一兆円でも、攻めの農林漁業にしても、幻想であるんじゃないか。
 例えば、みそ、しょうゆ一千六百億円を筆頭にして、清涼飲料水、菓子で一千四百億円、即席麺、レトルトで二千億円と、これだけで半分を占めます。みそ、 しょうゆの原料となる大豆の国内自給率はわずか今七%です。清涼飲料水や即席麺などがどのように国内農家の経営に関係するんでしょうか。今でも原料は外国 産農産物を使って加工されているという状況もあります。これで農家の所得がどうして上がるのか、全く合理的な説明はされていない。攻めの農林漁業なども含 めて、そのような形で対策をすることに幻想があると思いますよ。
 それで、ちょっと時間がありませんので、甘利大臣にこのことも伺いたい。
 先日、十一月二十四日の第十九回経済財政諮問会議の場で、希望を生み出す強い経済実現に向けた緊急対応策(案)というのを大臣の名前で出されました。そ の中で、「攻めの農業の構築」という中に、海外輸出はチャンスだから、農地の集約化、農業の企業経営化、六次産業化、農林水産物の付加価値向上などにより 農業の生産性を高める政策を進めるとあります。
 日本のように中山間地が多くて手間がかかる中で、食料生産と地域社会を支えてきたのは家族経営。そして、私が選出されている北海道も一戸当たりの規模は大きいわけですが、その北海道といえども主力は家族経営です。
 先日訪れた北海道の酪農家はこう言っていました。家族経営の意義を政府は理解すべきだ、大規模にしたら、その農家がやめたときに農地を引き継げない、機 械も大規模にしないといけないし、それだけ負債も大きくなるからリスクも高まる、小規模、中規模の家族経営の方が天変地異にも強いんだ、こういう農家こそ 励ます政策をしてくれれば生産の意欲を持って取り組めるという声です。
 今、農家の経営が大変だ、所得を上げることが必要だと言うのならば、こういう声に応えるべきです。
 そこで、甘利大臣、希望を生み出す強い経済というのであるならば、農業分野では、今言ったような方向に進むべきだと私は思います。しかし、この緊急対応 策のように、家族経営をやめて企業型にすべきだと言うのか、あるいは企業参入もすべきだというふうに甘利大臣は考えるんでしょうか。強い経済の実現のため には、家族経営は必要ないとでも言うのでしょうか。
○甘利国務大臣 日本の人口は、残念ながら減っていきます。国内だけに頼れば消費力は減っていくわけです。現に、ガット・ウルグアイ・ラウ ンド以降、数兆円の対策を投じましたけれども、生産額は十兆から八兆に減りました。手をこまねいているんですか。家族経営といえども、例えば、中小企業、 零細企業はどうしますか。いいものだけをつくっていれば誰かが売ってくれる、そんなことはないと思います。
 ここは経営感覚で、どういう層を狙っていこうか、うちはグローバルニッチだとか、そういう経営計画があるんです。農業産品に戦う力がなければそれは言え ないかもしれません。しかし、日本の農産品は、海外での評価というのは非常に高いです。もっと自信を持って、農家に、農業に経営感覚を持ち込むことが大事 なんです。
 随分前ですけれども、九州経済連合会の麻生会長、麻生セメントの会長が私のところに来られました。
 何の用で来られたかといったら、九州経済連合会は、九州の農家と連携をしてたしか香港に売り込みをしていますと。前回は一生懸命やったけれども売れ残り ました、今回は全部はけました、年契約もとれました、売った作物は同じものです、売りに行った人も同じ人です、何が違うと思いますかと私は聞かれました。
 何が違うんですかと。前回は、売り手百人、買い手、バイヤー二人、ですから買い手市場で買いたたかれました、売れ残りました。一計を案じて、経済連合会 が支援するんだからということで、根回しをしてバイヤーの数をうんとふやしました。そうしましたら、売り手対買い手がタイになりました、取り合いになりま した、年契約もとりました。売っているものは同じものです、売っている人も同じ人です。違いはそこです、バイヤーをふやした、これは商売人の感覚なんだと 言われたんです。私は非常に勉強になりました。
 つまり、私が言いたいのは、日本の農家はいいものをつくっているんです、評価も高いんです、安全性の信用もあります、ただ、売り方を、同じ価格帯で、安 いところの価格帯で競って、規模を拡大しないと価格で勝てない、別のところで勝負したらいいじゃないですか。マーケティングでそこの層を狙って、そういう 感覚が大事だから。だから、家族経営は大事ですよ。経営感覚を持ち込みましょうよ、企業だったら、中小企業だったらどうするだろうかと。それを助ける体制 を持っていかない限り、国内のシュリンクしている市場で、あなたが行きなさい、後を継ぐ人はいますか。
 我々は、後継者に夢を持たせたいんですよ、自信を持たせたいんですよ。だからやっているんです。
○畠山委員 ことし農林水産委員会で農協法を議論したときに、この家族経営の問題について私もよく議論させていただきました。自発的に六次産業化を進められている農家の方ももちろんいらっしゃいます。しかし、もちろん全ての農家ができるわけでもありません。
 ある農家の方から話を聞きました。その地域では本当に先進的で、経産牛を百頭ぐらい持って、本当に地域の商業モデルだというふうに言われている酪農家の方は、ビジネスと百姓は違うんだと明確に言われました。なぜか。
 森山大臣に伺いたいと思うんです。
 自由貿易とはいえ、国民の命と生活を守る食の分野まで不安定な状況に追い込むべきではないと私は思います。
 資料の一枚目を、戻ってごらんください。
 食料自給率との関係で、先ほど言ったように、この一枚目は、全てを関税撤廃し何の対策も講じないという当時の前提でも、カロリーベースで食料自給率は四 〇%当時から二七%に下がり、生産額ベースでも七〇%から五五%まで下がると試算しています。安い農産物の輸入拡大は自給率を下げることになると認めてき たわけです。
 そこで、TPPでは、農産品二千三百二十八品目中千八百八十五品目の関税は撤廃されます。それでは、森山大臣、現状では食料自給率がどれくらい下がると想定されますか。
○森山国務大臣 自給率がどれぐらい下がるかというお尋ねでありますが、今それを予測することは難しいと思っております。今からいろいろな 対策をどう講じていくかということもありますので、それは自給率が大事なことはもう重々承知をしておりますから、自給率が下がることのないようにしっかり した対策をさせていただくということが大事であろうと思います。
○畠山委員 政府として目標を四五%に先日決定したわけですよね。
 そこで、食料・農業・農村基本法を改めて見れば、第二条二項に「国民に対する食料の安定的な供給については、世界の食料の需給及び貿易が不安定な要素を 有していることにかんがみ、国内の農業生産の増大を図ることを基本とし、これと輸入及び備蓄とを適切に組み合わせて行われなければならない。」このように 書かれています。
 森山大臣に伺います。
 自給率を向上することが大事だと今、答弁されました。そうであるならば、この法律に反するような条約は結ぶべきではないと私は思いますが、そう思いませんか。
○森山国務大臣 結ぶべきではないという考え方には少し私は同意ができません。
 基本法は大事でありますし、自給率を高めていくということは我々農林水産省に課せられた最も大事な課題だと思っておりますので、それに向けて政策をしっかりとつくり上げて、予算を獲得し、自給率を上げていくという努力を今後も真摯に続けさせていただきたいと思います。
○畠山委員 これまで食料自給率が下がった歴史を振り返れば、農産物輸入の拡大が反映して、それが符合してきたと私は思うんですよ。TPPというのは、結局この国をどうするかということにかかわると思います。
 そこで、これは事務方で結構ですが、国連の世界人口白書二〇一三年版には、世界人口は二〇五〇年に九十六億人にまで達すると予測されていて、農水省も、 二〇五〇年における世界の食料需給見通しというのを出しています。世界全体の食料需要は五十年間でどれだけふえるのか、その規模について端的にお答えくだ さい。
○佐藤政府参考人 お答え申し上げます。
 平成二十四年六月に公表いたしました二〇五〇年における世界の食料需給見通しでございますが、需要面で、世界の人口や経済成長、バイオ燃料の見通しを、供給面で、気候変動ですとか単収の増加、収穫面積の動向をそれぞれ勘案して予測をいたしました。
 この予測では、世界人口が九十二億人に増加する中で、特に開発途上国ですとか中間国で食料需要が増加すると見通しておりまして、それに対応するため、世 界の食料生産を二〇五〇年には二〇〇〇年の一・六倍の六十九億トンまで引き上げることが必要という結果が得られております。
○畠山委員 森山大臣に改めて伺います。
 このような国際情勢のもとで、基本法に書かれているとおり、世界の食料の需給及び貿易には不安定な要素を有しているということは認めますね。
○森山国務大臣 不安定な要素はそのとおりだろうと思いますが、そういうことにならないように対応をしっかりさせていただきたいと思います。
○畠山委員 先ほどの二〇五〇年における世界の食料需給見通しの結びにも、我が国として食料自給率の向上ということが必要だと書いてあります。自給率を下げるようなTPPなら、食料の安定供給という国の責任は果たせないということは強く指摘しておきたいと思います。
 最後に、国会決議に関しても一言伺います。
 国会決議では、重要五品目について、「引き続き再生産可能となるよう除外又は再協議の対象とすること。十年を超える期間をかけた段階的な関税撤廃も含め認めないこと。」とあります。
 米、小麦、脱脂粉乳、ホエー、バターなどの乳製品、てん菜糖などの糖類は、これまでのEPAにおいても除外以外の対応をしたことがありませんでした。除外としてきたのは、日本の食料を安定的に供給する上で必要なものだったという認識からだったのではないのでしょうか。
 しかし、タリフラインで五百八十六品目中百七十四品目、三割の関税が撤廃されることになり、豚肉でも高価格部位は十年間で関税をゼロにするなど、国会決議を改めて読んでみても、どうしても決議違反だとしか私は思えません。
 しかし、森山大臣は、就任会見で、今後の対策の必要性をつけ加えた上でもということですが、決議は守られたと述べました。私は理解できません。守られたという根拠を示してください。
○森山国務大臣 TPPにつきましては、国会決議を後ろ盾にして、しっかりした交渉がなされたと思っております。
 農林水産品の総タリフラインは二千三百二十八ラインでありましたけれども、このうちの四百四十三ラインを関税撤廃の例外とすることができましたし、ま た、重要五品目を中心に、国家貿易制度や枠外税率の維持、関税割り当てやセーフガードの創設、長期の関税削減期間の確保等、有効な措置を認めさせることが できましたので、交渉の結果としては最善なものになったのではないかというふうに考えております。
 一方、保秘義務がかかった交渉であったことからも、現場になお不安の声があることは私もよく承知をしています。
 先般、総合的なTPP関連政策大綱がまとめられましたので、意欲のある農林水産業者が確実に再生産できるように、さらに将来に向けて希望を持って経営に 取り組めるように、交渉で獲得した措置とあわせて、政府全体で責任を持って万全の国内対策を講じてまいりたいと考えております。
 最終的には国会で御審議をいただくことになりますけれども、政府としては、国会決議の趣旨に沿っているものと評価をしていただけると考えております。
○畠山委員 時間ですので終わりますが、JAグループ福岡が、先日の県大会で、重要五項目の関税維持を求めた国会決議を守っていないとの特 別決議を上げ、同じように、秋田の県大会でも、国会決議の内容を逸脱しているとの指摘の特別決議が上げられて、そういう思いは生産者にあふれています。
 大筋合意はまだ決定ではもちろんありません。徹底的に議論するために、改めて臨時国会の開催を重ねて要求し、引き続き論戦に挑む決意を最後に表明して、私の質問を終わります。