○畠山委員 日本共産党の畠山和也です。
 前回の質問に続いて、農協の性格や目的にかかわる部分から質問したいと思います。
 現行の第八条の変更について、改めてこの間の経過なども調べました。
 与党取りまとめを踏まえた法制度等の骨格という、この間もずっと見てきましたけれども、左側に昨年六月の与党取りまとめ、右側に法制度等の骨格という表 になっているものですけれども、そこで、現行第八条の取り扱いについて、与党からは特段の記述はないんですけれども、骨格では、それが翻訳されて、第八条 の改正というふうに出されています。これはなぜなんでしょうか。
○奥原政府参考人 現行法の第八条のところは、「営利を目的としてその事業を行つてはならない。」ということが記述をされております。この 規定の趣旨につきましては、株式会社と協同組合は当然違いますので、出資配当を目的に事業をするわけではないということでございます。その意味で、別の条 項で、五十二条のところでは、出資配当の上限というものも決まっているということでございます。
 ただ、この出資配当の上限ということで、営利を目的として仕事を行ってはいけないとは書いてございますが、この規定が関係者に誤解をされている部分が結 構あるのではないかというふうに思っておりまして、この規定があるために、そもそも利益を得てはならない、あるいはもうけてはいけないといった解釈もされ ている傾向が見られるところでございます。
 今回の改正では、この規定を削除することによりまして、それぞれの地域農協が、本当に農産物の有利販売に取り組んでいただいて、農業所得の向上につなげ ていただくということを促す観点におきまして、この営利を目的として事業を行ってはならないという部分は削除しております。
 そのかわりに、組合は、事業の実施に当たり、農業所得の増大に最大限の配慮をしなければいけないというのを二項で書きまして、さらに、組合は、農畜産物 の販売等において、事業の的確な遂行により高い収益性を実現し、その収益で、事業の成長発展を図るための投資または事業利用分量配当に充てるよう努めなけ ればならないという規定を追加しているところでございます。
○畠山委員 きょうも議論になっていますけれども、この現行第八条の改定、変更の問題というのは真剣に論議しなきゃいけないというふうにやはり思うんですよね。
 先日の参考人質疑でも、懸念の表明が相次ぎました。
 谷口参考人は、持続性を担保する上で、営利が全くない状態でいけるかといったら、いけない、高い収益という言葉で実現できるようなことが求められる局面 がある、それはわかるんです、としても、それが最終目的かというと、そうではないだろうと指摘をしました。また、協同組合としての特性を踏まえながら、営 利規定ということで十分なので、前のままでいいというのが基本的な私の考えと表明しました。
 また、石田参考人からも、協同組合の非営利原則というのは、高い利益を上げるかどうかということに関心があるわけじゃない、得た利益をどう分配するかに関心があるわけだなどと述べられました。
 先ほども述べましたように、総じて、現行法第八条の改正が必要なのかどうか。前回の質問でも私は疑問があるということを述べましたが、このように、参考人からも現状でいいのではないかという指摘に対して、改めてどのように受けとめますか。
○奥原政府参考人 五月二十七日の参考人の質疑は私も聞かせていただきましたけれども、参考人の方々の御趣旨、十分私も理解できていないところがあるかもしれません。
 今御指摘ございましたように、谷口参考人の方からは、農協は適切な利益を上げて還元すべきだけれども、利益の獲得が最終目的ではないことから、現行第八条は改正する必要はないという御意見だったのではないかと思っております。
 それから、石田参考人からは、改正後の七条第二項につきまして、農協は准組合員にも奉仕するものであるので、農業所得の増大に配慮ということは削除すべきだという御意見もございました。
 それから、太田原参考人からは、大いにもうけなければならないというふうに規定してしまうと、独禁法に抵触するのではないかといった御意見も出されたというふうに思っております。
 これらの御意見につきまして、真意が十分わからないところもございますが、石田参考人の御意見につきましては、准組合員を含めて組合員の方に最大の奉仕 をするという部分を維持した上で、農業者の協同組織でございます、議決権を持っているのは正組合員の農業者でございます、そういったことを踏まえて、農業 所得の増大に配慮するように求めるという趣旨で今回入れているというふうに考えておりますし、それから、谷口参考人、太田原参考人の御意見につきまして は、改正後も、農協には出資配当には制限が課されております、五十二条は維持をされておりますので、農協が営利組織、出資配当を目的とする組織になってし まうことはないということでございますので、御指摘はちょっと当たらないのではないかなというふうに考えております。
 今回の八条の改正の趣旨は、あくまでも、営利を目的として事業を行ってはならない、この規定の趣旨が誤解をされて、利益を得てはならないとか、もうけて はならない、こういった誤解がされがちであるということを考えまして、規定を削除するとともに、農業所得の増大に最大限配慮するということ、それから、販 売等において、的確な事業の遂行によって高い収益性を確保して、その収益で、成長発展を図るための投資ですとか事業利用分量配当に充てるといった趣旨のこ とを書き込んでいるということでございます。
○畠山委員 それは、もう何度も聞いてきて、誰が誤解しているのかということもさんざん議論してきたんですけれども、今言ったように、第五十二条の上限規定が残るから趣旨は残るということも、レクなどで何度も聞いてきました。
 しかし、趣旨が残ることと新たな性格が加わることは意味が違う。農業所得の増大を目指して高い収益性を実現するとなれば、ハイリスクなことにも手を突っ 込むということがあり得るのではないのか。規制改革会議では、農協もリスクを負うべきだとの議論が見られます。そうなれば、もうこれは協同組合とは言えな くなってくると思います。
 協同組合の特性を踏まえれば、出資配当の上限規定は残すにしても、今焦点となっているこの基本の現行第八条について、このままでいいんじゃないかと思いますが、改めていかがですか。
○奥原政府参考人 ただいまリスクの話がございましたが、農協にはやはり農産物の有利販売に積極的に取り組んでいただきたいと思っておりますけれども、それには、ある程度のリスクをとることが当然必要だというふうに我々は思っております。
 現在の農協は、九六%ぐらい委託販売という形でやっておりますけれども、これは、農協にとってはリスクは非常に低いわけでございます。農産物の値段が下 がっても、そのリスクは農家の方が負うという形になるわけで、その結果として、農協の販売努力が本当に十分なのかといった問題も生じているというふうに 思っております。
 そういう意味では、いきなり高いリスクをとるということを求めているわけではございませんので、昨年からの政府・与党の取りまとめの中でも、買い取り販 売を段階的にふやしていく、適切なリスクをとりながらリターンをふやしていく、農家の所得がふえるように創意工夫をしていくという趣旨のことをずっと書い てきているわけでございます。
 そういう意味で、従来の第八条、今回、改正法第七条ということになりますが、この規定の改正は必要なことだというふうに考えております。
○畠山委員 参考人などが言っていたのは、そういう道を切り開くことに対する懸念が表明されてきているというふうに思うんですよ。そして、 産業競争力会議の議論などでも、今局長がおっしゃったように、フェアな競争ができる環境になっているかということから議論が始まって、さまざまな競争のイ コールフッティング論などがけしかけられてきているというふうには私も承知はしています。
 ただ、今言ったように、これは農協の原点を変えてしまうものなのではないか。しかも、産業競争力会議や規制改革会議などの、上から変えていくようなことでいいのかという問題があると思います。
 現行法のもとでも経済事業が良好な農協はあるわけですし、改正案のような、目的まで変える必要はないのではないかということを改めて指摘して、時間もありますので、きょうは、監査問題を少し中心的に伺っていきたいと思います。
 これまで農水省は会計監査と業務監査を一体に行うからこそ単協の健全な経営を確保できたと認めてきたというふうに思うんですね。改正案は、公認会計士か監査法人による会計監査を受けることにしています。業務監査は任意にしています。
 今後は、会計上の健全さのみが確保できればいいということなのでしょうか。なぜ業務監査は任意としたのですか。
○奥原政府参考人 監査の問題でございますが、今回の農協改革の中では、全中の監査の義務づけを廃止いたしまして、公認会計士の会計監査を義務づけるという改正をしているところでございます。
 これは、准組合員が、農業者であります正組合員を上回るような状況になってきているということ、それから、農協の数も現在は減っておりまして七百農協に なっておりまして、一農協の貯金量の規模も非常に大きくなっております。平均でも一千億を超えておりますし、中には一兆円を超える貯金量の農協というもの も幾つか出ている状況でございます。こういったことに鑑みまして、農協が信用事業を今後とも安定的に継続できるようにするという観点で、会計監査につきま しては、ほかの金融機関、銀行、信金、信組と同様の監査体制をとることが必要というふうに判断をしたものでございます。
 一方で、業務監査の方でございますけれども、これは、ほかの民間組織におきまして業務監査を受けることを義務づけられている組織は基本的にございませ ん。基本的に、それぞれの組織が自分たちで、内部で監査をやりますし、監事も置かれているということでございます。そういう意味におきまして、業務監査に つきましては、ほかと同様に任意にするということで、今回は規制をかけておりません。
 したがいまして、農協の方からしますと、自分の農協の農産物の販売体制の刷新等を進めて農家の所得向上を図ろうとするときに、自由に能力のあるコンサルを選んで相談するですとか、いろいろなことが自由にできるようになってくる、こういうふうに考えております。
○畠山委員 先ほど、最初に言いましたけれども、これまで農水省は会計監査と業務監査を一体にやってきたからこそ意味があったという立場をずっととってきたじゃないですか。何で、他の組織で義務づけられていないから今回外しましたと、なぜ今になってそうなるのか。
 少し進めます。
 農協は、御存じのように、総合事業体で、例えば部門別で損益計算をやるとしますね。そうすれば、もちろん信用、共済が黒字で、それから農業関連、営農関 係を含めた事業が赤字というふうに分かれることは見込まれるでしょう。それで、会計士さんの方から赤字部門の効率化だったり改善ということが指摘されるこ とは、もちろん一般的にはあり得ることだと思うんですね。
 そのような可能性はあるというふうに思うかどうか、それだけ確認します。
○奥原政府参考人 会計監査の仕事というのは、総会等に出します会計書類が正しいかどうか、これをきちんと判断して証明するという仕事でございます。それを踏まえて経営改善の指導とかをするのは、これはまた別の話でございます。
 従来の全中の監査につきましては、全中は監査権限と同時に指導権限を持っておりましたので、そういうことも実態的にはあったかもしれませんけれども、基 本的に、監査というのは、出されている会計書類の数字が正しいということを証明する、それにとどまりますので、それを踏まえて組合員の方々がきちんと今後 の経営方針を決めていく、こういうことだというふうに考えております。
○畠山委員 それならば、では、改めて、これまで公認会計士さんが、さまざまな国による中身に含まれているものがあったんですけれども、結局、どういう役割を果たすことにならざるを得ないかということを少し具体例で述べたいと思うんですね。
 北海道の赤平市というところの市立病院があります、ちょっと病院の話から始まって恐縮ですが。二〇〇七年に自治体財政健全化法が成立しました。これは、 特別会計や第三セクターも連結して、自治体財政に組み合わせてチェックするというものでした。当時、北海道でしたので、夕張の財政破綻が表面化して、もち ろんそれにかかわる流れだったというふうに思います。
 もちろん、この市立病院でも多額の累積赤字を抱えていたわけです。そのときの国の支援策で行ったのが、公認会計士を送って経営改善策を提案させるという ことでした。先ほど局長がおっしゃったように、公認会計士としては本来やるべき別の中身はあるわけですけれども、ただ、その結果、いろいろ市の方でも努力 したり、苦労したり、病院とも相談したという経過は承知しているんですけれども、あらわれたものは、事務職員の契約社員化だったり、あるいは給食の外注化 などなどでした。
 それで、患者の負担増や医療の質が低下する心配はないか、これは、当時、NHKの「クローズアップ現代」でも報道されたほどの問題だったんです。病院の 問題ということではなく、損益の計算をしていけば、どの事業でもこういうようなことは起こり得るということだと思うんですね。
 先ほど述べたように、農協でいえば、赤字部門の典型は営農指導などの分野で、なかなかやはりこれを黒字にするということは難しい。しかし、組合員が今農 協に一番強化を求めている分野の一つにこそ、この営農指導があると思います。これが仮に赤字だからといって、人が減らされて、さらに現場に足が遠のいた り、賦課金や指導料の引き上げということになったりすれば、これは組合員の利益にならないし、負担もふえることにならないか。
 私の言っていることに飛躍があるなら、それはそれでそう指摘してもらいたいんですけれども、そういうような現場の組合員にとって、この監査の制度を変えることがどのような影響を与えるかというのは、みんな、わからないし、非常に知りたいところだと思うんです。
 監査を外せば所得がふえるという論理でこの問題はずっと議論されてきたと思うんですけれども、逆に、このような可能性がないというふうに言えますか。
○奥原政府参考人 先生が御指摘になった市立病院のケースですが、詳しいことを全く承知しておりませんけれども、今のお話を伺っております と、それは公認会計士の方が会計監査をしたというのを超えておりまして、多分、コンサル業務も頼まれているというケースだというふうに思っております。ま さに提案をさせるというふうに先生は今言われたと思いますけれども、その経営の状況、数値の面を含めた上で、具体的にこれからどうしていくかという提案を する、これは通常の会計監査を超えた話だと思います。
 通常、会計監査を受けるだけであれば、会計書類の数字が正しいかどうかをチェックする。当然、部門ごとに赤字かどうかは正確にわかるようになってくると 思いますが、そのときに、それぞれの部門をどういうふうにするかは、それはそれぞれの組織が自分たちで決めていく。仮に赤字であっても、その地域にとって その事業は絶対必要であるという場合には、これは継続する判断は当然あり得ますし、従来もそういうふうに農協は判断をしてきているというふうに思っており ます。
○畠山委員 それでしたら、さらにもう少し聞きますけれども、今回の監査問題というのは、先ほど林大臣もおっしゃられたように、最後まで残った論点で、その結果、焦点が当たったというふうに話されましたけれども、残るのは残っただけの意味がやはりあったというふうに思うんですよ。
 信用、共済で赤字の部門を埋めているとの指摘がされているのに対して、せめて透明化をして健全性を図らなければいけない、さまざまなそういう議論や経過などがあったことは私も承知はしているんです。
 ただ、先ほどの繰り返しになりますけれども、監査を外すことによって農業所得が増大するという理屈はなかなか組合員や農業者の方が理解できないとずっと言ってきているじゃないですか。だから、この結果、監査を外してどうなるかということが組合員にとって重要なんです。
 私が言ったように、実際、損益計算していったら、こんなふうに赤字の部門というものはどうしても効率化していく対象になっていくんじゃないか、それが促進されるんじゃないか、一般的にはそのようなことが考えられるんですけれども、改めていかがですか。
○奥原政府参考人 監査のところの制度を直したからといって、それで直ちに農業所得が上がる、こういう因果関係には基本的にないと思っております。
 先ほどから御説明しておりますように、基本的に、今回の監査体制の変更につきましては、信用事業が相当大きな事業になっておりますので、一兆円を超える 貯金量を持っている農協も出てきている、こういう状況の中で、やはり農協が信用事業を安定して営んでいかなければ、これは農協にとっても、それから地域社 会にとっても困るという、この現実はやはりございます。そういう意味では、安定的に信用事業が営めるようにするためにどうするかという観点でございます。
 従来から、全中が行っている監査につきましては純粋な外部監査とは言えないのではないかという指摘はいろいろなところから受けているわけでございますの で、そういった批判を受けることなく、これから安定的に信用事業をやっていけるようにするという観点で、会計監査については全中監査から公認会計士監査に 切りかえる、こういうことにしたわけでございます。
 それから、業務監査の方につきましては、これも先ほど申し上げましたように、基本的に、ほかの民間組織でもって業務監査を義務づけられているというとこ ろはございません。これは、やはりその組織自体が自分たちで点検をしてやっていく世界が基本でございます。必要なときには部外者にコンサルでお願いすると いうことはもちろんあっても差し支えございませんけれども、全てのところに義務づけるという話ではございませんので、むしろ、必要なときに必要なところの コンサルを適切に頼めるという体制をつくった方がいいのではないか、こういう判断でございます。
○畠山委員 そうしたら、奥原局長、なかなか正面からお答えになってもらえませんので、二〇一三年五月三十日、第十一回規制改革会議ですけ れども、これは局長さん、御参加されていたはずで、このときに、いろいろ事業を展開していく上で農協の経営の透明性について外部監査を受ける必要があると いう議論がなされたのに対して、奥原局長さんはこのように述べられているんですね。
 農協の方の経営の透明性ですけれども、
  これにつきましては農協も金融事業をやっておりますので、金融の観点から他の業態と同じような規制は法律上かけております。
  監査につきましては、公認会計士による外部監査を直接は義務付けておりませんけれども、全国農協中央会がやる監査を必ず受けなければいけないというの が法律で義務付けておりまして、しかも全中には公認会計士の方を三十人入れておりまして、この方の指導のもとに監査をするということになっております。
  全中がやっている監査は会計監査だけではなくて業務監査もやっているのです。農協の場合には会計上の処理がきちんとしているだけではなくて、本当に農 家にメリットが出るようなきちんとした仕事の仕方をして欲しいということもございますので、全中が公認会計士の指導も受けながら、会計監査プラス業務監査 をやっているというのが今の法制度でございます。
ということで、この間、やはりずっと会計監査プラス業務監査を一体にやってきた趣旨を、きちんとこの会議の中で局長さんは述べられているじゃないですか。
 このままでいいんじゃないんですか。何で変えるんですか。
○奥原政府参考人 今御指摘いただきましたのは、多分二年前ぐらいの規制改革会議での議論かと思いますけれども、それまでの農水省の考え方 をそこで御説明したことは間違いないと思いますが、まさにこの二年ぐらい前から、農協組織のあり方、事業のあり方をどうするかということが政府でも与党で も相当な議論になってまいりました。当日、私は今のようなことを御説明したかと思いますけれども、それに対しましてもいろいろな御意見をいただいたわけで ございます。
 その後、政府・与党の中でいろいろ議論した上で、本当にどうやればこの農協組織全体が農家にとってメリットのある組織になっていくのかという観点で、単 協のところも、連合会のところも、中央会のところも、いろいろな見直しを検討させていただきました。その一環として、監査につきましてもこのような改正を する、こういうことになった次第でございます。
○畠山委員 林大臣に伺いますけれども、今言ったような経過だったり、規制改革会議の議論なども私も読ませていただきました。しかし、今 回、公認会計士をこのように入れる問題とともに、業務監査を任意にする問題について、その趣旨がやはり理解できないんですね。そして、先ほど局長さん、く しくも二年前のところで言っているように、業務監査と会計監査を一体にやることの意義の方が私は大きいと現時点においても思うわけです。
 林大臣、この間のやりとりも含めて、今どのような認識をお持ちになりますか。
○林国務大臣 そこも大変な議論になったところでございますが、そもそも業務監査というのは、実は農協の世界から一歩外に出ますと、余りな い概念でございまして、まさに先ほど本社と支社というような例えをいたしましたけれども、単協が支社であれば、会社の組織の中として指導して、支社が本社 の方針に従ってやる、こういうことはあるけれども、独立した会社である場合には、任意にコンサルを受けて、もっと経営状況をよくしていこう、もっといい組 織運営をしていこうということがあれば、コンサルを受けるのは当然でありますが、一方、金融監査は、信用事業を営むに当たっては必須のものだ、こういうふ うにされておるわけで、これは必要なものでございます。
 したがって、党の中でもいろいろ議論したときも、ここをやはり分けて、信用事業を持続的にしっかりやっていくための金融監査、これは新しい仕組みの中でしっかりと位置づけていく。
 しかし、業務監査は、信用事業の健全性が担保されるという前提のもとで、いろいろなことをそれぞれの地域の特性に応じてやってもらう必要があるというこ とですから、一律に全中の金融監査と一体となった業務監査ではなくて、あくまで単位農協が必要であればやっていくということをしっかりと位置づけて、そし て、それぞれの創意工夫でもっていろいろなことをしっかりとやっていただく仕組みをつくっていこう、こういう議論がありまして今の形になった、こういうこ とでございます。
○畠山委員 時間も迫ってきたんですが、結局、監査を外すことによって何が生じるのかということは大きな焦点だと思うんですね。これを外すことによって農業所得がふえるんだというのが政府の議論のたてつけになっている。
 しかし、組合員にとって不利益になる懸念があるのではないかというふうなことが私の疑問であります。しかも、農協にとって最も農協らしいと言える部分が もちろん切り捨てられてはならないわけでして、それが、ひいては農業者の所得がふえることにつながるのかどうかということを改めて指摘し、時間もないの で、最後、理事のことだけ一言質問して終わります。
 理事の定数の三分の二については組合員でなければいけないとなって、組合員とは、第十二条で、農業者や、当該農協の地区内に住所を有する者や、同じく住 所を有する農民が主たる構成員や出資者となっている団体などとして定められています。つまり、その地区内に住所があるとか、地域に根差しているということ が原則だろうというふうに思います。
 この点こそが地域農協たるゆえんだと思いますが、この理事の要件を変えることにかかわって、この点を含めた大臣の認識を改めて伺いたいと思います。
○林国務大臣 今先生から触れていただきましたように、現行の農協法は、理事の定数の三分の二以上が正組合員でなければならない、こういうふうにされております。
 農協法が制定された当時、農地解放の直後であったということもあって農業者も均質であったことから、理事に占める農業者たる正組合員の割合を一定以上に すれば農業者のニーズに応えた農協運営を行うことができた、こういうことでこういう規定ぶりになっているということでございますが、申し上げてきたよう に、現在、農業者が大規模な担い手農業者と兼業農家、規模の小さい方が多いわけですが、こういうふうに階層が分かれてきて、組合員ニーズも多様化してきた ということでございますので、現行の理事要件だけでは、農業者、中でも担い手農業者のニーズに十分応えられなくなってきたというふうに認識をしておりま す。
 したがって、地域農協が、農業者、なかんずく担い手の意向を踏まえて、農産物販売等農業所得の増大に配慮した経済活動を積極的に行っていくことができるように、理事の過半数を認定農業者等とする見直しを行うこととしたということでございます。
○畠山委員 そういう説明でありますけれども、地域に根差しているからこそ、地域農協の意味と強みということがあると思うんです。
 そこで、これは局長でよろしいんですけれども、確認ですが、理事に新たに加える農産物販売や経営のプロと言われる方々ですが、今回、法律をちゃんと読め ば、先ほど述べた、その区域内に住所を持たなくても、あるいは農業を営まないケースも、産業化していけばいろいろ出るからあるんだ、そういうケースもあり 得るということはよろしいですね。確認です。
○奥原政府参考人 従来からあります、理事の定数の三分の二以上は正組合員でなければならない、この規定は、今後ともそのまま、まず維持を されます。したがって、三分の二以上が正組合員であれば、三分の一未満の方々はそういう方でなくても今でも役員になれる、こういう仕組みになっているとい うことでございます。
 そのことを前提にした上で、さらにこれに加えて、今度の、農協の理事の過半数を原則として認定農業者や農産物の販売や経営に関して実践的な能力を有する 者とするというのがかぶってくるわけでございますので、この販売や経営に関して実践的な能力を有する方というのは、これは地域外の方も当然いらっしゃると は思いますけれども、それでも、理事のトータルの三分の二以上が正組合員、地域の方であるという点は何ら変わらない、こういうことだと思います。
○畠山委員 終わりますが、多くの理事は地域から選ばれている実態もあって、だからこそ、組合員の実情も踏まえた議論と決定などがされてきたというふうに思います。
 その地域農協たるゆえんが崩れないかという心配や懸念があることだけを最後に指摘して、質問を終わります。