○畠山委員 日本共産党の畠山和也です。
 本題に入る前に、日ロサケ・マス政府間協議の問題について伺いたいと思います。
 先週十一日、ロシア二百海里水域分における日ロサケ・マス政府間協議が妥結されました。漁獲枠が、前年六千六百三十トンだったものが、ことしは約千九百 六十二トンと七割の削減となりました。その分、入漁料は昨年の二十億円から六億円へと減ることにはなっていますが、操業期間も六月二十七日からの一カ月に とどまって、操業も、中型船はことしの出漁を断念し、小型船十九隻のみの漁となる。
 ことしの協議の進展について、私は、四月二十三日の本委員会で、おくれていた交渉の進展を強く求めると質問しました。
 結果として、昨年より漁獲枠がこのように減って、操業期間も短くなったわけですが、なぜこれだけ協議が長引いたのか、まず経過を説明してください。
○香川政府参考人 本年の日ロサケ・マス漁業交渉は、まず、例年よりおくれて開会をしたことに加えまして、開会当初から、ロシア側が提案した漁獲枠、入漁料水準などの操業条件、あるいは取り締まり条件が、日本側としては到底受け入れられない厳しい内容でございました。
 これに対しまして、日本側は、ロシア側が提案した個々の項目に関する日本側の立場を粘り強く説明し、我が方の漁業者にとって好ましい操業条件を得るべく臨んだところ、協議が長期化したものでございます。
 この結果といたしまして、操業期間が昨年と比べて一カ月短くなった、操業条件が非常に厳しい状況が続いたことから、中型漁船団が今期の操業を見送ったと いうことに伴いまして、我が国漁船が必要とする漁獲枠が相応に減少し、昨年に比べて漁獲枠が大きく減少するなどの結果となったものでございます。
○畠山委員 中型船の出漁や加工場で働く人の確保など、関係支所では準備を進めてきていたわけです。準備をしながら、今回の政府間協議と同時に進んできているロシアの流し網漁の禁止法案の動向にも、漁業者は不安でいっぱいだったはずです。
 流し網漁が来年から仮に禁止された場合の影響について、根室市は、道東地域の経済への影響額が二百五十億円で、うち八割は根室市だと試算しています。私 は、根室に行くたびに、領土問題が未解決なために、いつも漁業者は苦しんできたんだよという話を伺ってきました。道東地方のサケ・マス漁と水産関連や地域 経済にとって、これまでにない不安が広がっていると思います。
 ことしのこの政府間協議の結果を受けて、政府として、影響を調査することや、調査をもとにした対策なども急いで検討する必要はないのですか。
○林国務大臣 今回の政府間協議で、今御報告いたしましたように、操業期間が一カ月間短くなったこと、また、操業条件が非常に厳しい状態が 続いておりまして、中型漁船団が今期の操業を見送ったこと、こういうことに伴いまして、漁獲枠が相応に減少して、昨年に比べて漁獲枠が大きく減少する、こ ういう結果に政府間協議はなったということでございます。
 昨年に比べて規模が縮小することとなったところでございますが、今後、サケ・マス操業や、それから兼業されておられる秋のサンマの操業、この辺の現地の操業等をしっかりと注視して今後の対応を考えていきたいと思っております。
○畠山委員 林大臣も、先日、現地代表団と面会されて、切なる実態を聞いたというふうに思います。
 これまでも、北海道東部の漁業者、水産業界、自治体からは、強力な漁業外交の展開が要望されてきているはずです。あわせて、さまざま現地からも聞きまし たけれども、国は水揚げの影響についての試算は出すけれども、関連産業についての試算がなかなか出てこないんじゃないか、地元の雇用と経済に与える影響を しっかり考えて外交や現地への対策を検討してほしいとのことです。
 林大臣、改めてもう一声、先ほど、代表団も来ているということも、面会していることは私も承知しているんですが、今回、これまでにない大変な事態が予測される中で、改めて、政府としての決意や具体化に向かう上での大臣の所見をお伺いします。
○林国務大臣 今回の交渉結果等については、近々、担当官が現地に赴き、関係者に説明することとしております。そういう場で現地の皆さんとも意見交換がいろいろできるのではないか、こういうふうに思っております。
 また、これに関連しまして、これはロシアの国会の話でございますから、まだ何とも言えないところでございますが、禁止法案なるものも、下院をたしか通っ て、上院に行っている、こういう厳しい状況も認識をしておりますので、しっかりと現場の皆様のお話を聞きながら対応を考えていきたい、こういうふうに思っ ております。
○畠山委員 サケ・マスは、道東地方はもちろんですが、北海道にとってもブランドであり、重要な経済資源であります。
 日本と北海道の実態を筋道を通して訴えるとともに、これまでの蓄積や協議を通して生まれている知恵も使って対策を立てていくことなどもあわせて要望したいというふうに思います。
 本題に入ります。
 農協法等の審議で、前回の委員会で時間の関係上飛ばしていた項目があったので、そのことを先に伺いたいと思います。
 農業委員会にかかわる農地利用最適化推進委員について伺います。
 この間、政府の答弁では、農業委員と推進委員の役割について、農業委員の方は集まって多数決などで決めていただく許認可のことを中心にする方、そして、 推進委員は現場で動いていただく方と分けた方が効率的ではないかという答弁をしてきました。しかし、これが実態に合っているのかどうか。私は、実態に見 合っていないことがあるんじゃないかと思うんですよ。
 委員を分けたら、情報をさまざまな形で共有をしていく作業や、その実務的処理も必要になりますし、農業委員が許認可のために本当に現場をきちんと見よう と責任を持って考えたのならば、もちろん現場に行かないとわからないわけですし、そういう意味では、結局二度手間になっていくこともあり得ます。
 これは、今まで農業委員がそれを一手に担っていた、このことこそ効率的な面があったと思うんですよ。二つに分けることが、かえって非効率になることはないのか。その点も含めて、推進委員の業務内容を改めて明確に合理的に説明していただけますか。
○奥原政府参考人 現在の農業委員の役割は大きく二つに分けられるところでございます。
 一つは委員会としての決定行為、それからもう一つは委員の各地域での活動、この二つに分けられるわけですけれども、今回、それぞれの機能が的確に果たされるようにということで考えているわけでございます。
 そのために、今回の法改正では、農業委員とは別に農地利用最適化推進委員を設けるということにしておりますが、改正後はこの二つに分かれまして、農業委 員の方は、合議体としての意思決定を行うということが中心になりますので、具体的には、農業委員会の総会、それから部会の会議に出席をして議決権を行使す る、農地の権利移動ですとか農地転用の許可に当たって具申すべき意見等を審議する。この審議も、やはり現場を見たり、そういうことは当然あると思います。 案件ごとにきちんと判断をして、多数決で決めていただく、これが一つでございます。
 それと、もう一つの推進委員の方につきましては、みずからの担当区域におきまして、担い手への農地利用の集積、集約化、それから、耕作放棄地の発生防止 や、発生したものの解消、こういった農地等の利用の最適化の推進に関する活動、具体的には、積極的に出し手農家に働きかけて、担い手の方に流動化させてい く、こういった仕事をしていただく、こういうことになるわけでございます。
 ただ、先生御指摘のように、現在の農業委員一本の体制で成果が上がっている地域も中にはございます。担い手への農地利用の集積が相当進んでいる、あるい は耕作放棄地がほとんど発生していない、こういった地域もあるわけでございますので、今回この法制度をつくるに当たりましては、現在の農業委員一本の制度 のもとで、農地利用の集積あるいは耕作放棄地の発生防止等が相当程度図られていること等の基準に該当する市町村につきましては、この農地利用最適化推進委 員を置かなくてもよい、要するに、従来の農業委員一本の体制でやることができるという例外規定も置いているということでございます。
○畠山委員 最初にそのことが答弁されたので、ちょっと確認だけ改めてしたいと思うんですけれども、関連して、推進委員の定数については、政令で定める基準に基づいて、条例で定めるというふうにしています。
 今のこともかかわって、改めて具体的に、定数や置く置かないなど、今話したことについて、どういうような基準が想定されているか、お答えできますか。
○奥原政府参考人 推進委員の定数につきましては、今御指摘のように、政令でもって基準を決めるということになりますけれども、一つイメー ジをしておりますのは、二十四年度からやっております人・農地プランがございます。それぞれの地域で話し合いをしていただいて、農地を担い手のところに集 めていく、これをやるときの単位が、市町村を幾つかの区画に分けてできておりますけれども、これは地域によってまちまちでございますが、こういったものが きちんと進んでいくということが一つの大きな要素でございます。
 そういったことも考慮しながら、この推進委員の定数についてはきちんと決めていきたいというふうに考えております。
○畠山委員 先ほどあったように、地域ごとにさまざまな実態があるわけですから、弾力的な運用なども改めて私は求めておきたい。
 それで、先ほどの議論に戻るんですけれども、役目が二つあるから分けられると言うけれども、その二つが一体となれたから農業委員が果たせてきた役割が あったというふうに思いますよ。だから、現場から、違いがわからないという声がいまだに出てきているというふうに思うんです。
 農業委員を半分にしたとして、推進委員を置いて、トータルでふえるなどのような答弁もありますけれども、そういうことをしないで、そもそも本来は、農業委員の定数を見直して、ふやしていくような方向があるべきだったのではないかと思うんです。
 それについては、実例で、大臣に伺いたいと思います。
 八日の地方公聴会で、加賀市農業委員会の小川会長は市町村合併前と合併後の違いを述べています。合併前の農業委員数は三十八名で、農業委員一人当たりの 担当が百ヘクタールだったのが、合併後は、二十四名で、一人当たりの担当は平均百四十五ヘクタールと話されておりました。合併した町では定数基準によって 農業委員一人当たりの受け持ち面積がふえて、これ以上減らさないでほしいというふうに言ってきているわけです。
 だから、分ければいいという性格の問題ではなくて、本来、こういう実情も含めて、ふやすべきだったのではないか、そうやって農業委員会の本来の役割を果たせるようにすべきだったのではないかと思いますが、いかがですか。
○林国務大臣 先ほど局長から答弁いたしましたように、二つの機能というものがあって、それから、確かにうまくいっていた地域もあって、そういうところはあえて置かなくてもいいというような、いろいろな原則と例外を定めていく、こういうことだというふうに思います。
 やはり、一般的には、今委員がおっしゃったように、推進委員を置かずに、例えば農業委員の数をふやす、こういうふうになった場合は、まず、農業委員の数 がふえてしまいますので、総会を機動的に開くということが難しくなっていく、こういうおそれがあるということでございます。それから、各農業委員がこれま でと同様に農業委員会としての決定行為と各地域での活動をあわせて行うということになりますと、そうしますと、現場における農地利用の最適化のための活 動、まさに今例に出していただいたように、一人頭のところがふえておりますので、なかなか手が届かなくなるんだ、こういうことでございます。
 一方で、農業委員会そのものは意思決定機関として機動的に開いていただく、そのことを追求すると同時に、各農業委員と推進委員が役割分担をすることに よって、その最適化のための活動もしっかりと、あるいはチームでやっていただくことも含めて、機動的にやっていただけるようにしようというのが我々の趣旨 でございます。
○畠山委員 農業委員が仮に半分になるとして、推進委員も同じ数だけ置いて、結局、その総数の半分ずつですから、同じところをやるとなれ ば、それぞれの面積がさらに広くなるということにならないですか。素朴にそうやって計算すると、なることになって、これで本当に全体の、今機動的なと言っ ていることが担保できるんでしょうか。いかがですか。
○奥原政府参考人 これは結局、推進委員の定数をどうするかという問題になると思いますので、先ほど申し上げましたけれども、各地域の人・ 農地プランの話し合いが円滑に進んでいく、それぞれの地域の担い手への農地利用の集積がちゃんと進む、それから、耕作放棄地の発生防止がきちんとできる、 このことを旨として、定数につきましては機能できるようにきちんと決めていきたいというふうに考えております。
○畠山委員 やはり、ちょっと話がまだ抽象的過ぎて、今言ったように、具体的な数で照らし合わせてみると、一人当たりの受け持つ面積が間違いなくふえていくことになるのではないかというふうに思うんですよ。
 それで、先ほど紹介した加賀市の農業委員会の小川会長さんが、だから、今の人数がもう最低限だ、人を減らせば、これまでの業務を進めるのに懸念があるというふうな意見を表明されました。
 ですから、本来であれば農業委員やあるいは事務局員をふやすべきであって、減らすこと自体が今述べたような問題を発生させるのではないかということを指摘しておきたいというふうに思います。
 農地法の改正案について伺います。
 本改正案では、農地を所有できる法人の要件緩和が盛り込まれています。一つに、農業者以外の構成員の有する議決権等の要件に関し、総株主の議決権等の二 分の一未満まで認めること、もう一つに、法人の理事等の農作業従事要件に関して、その法人の理事等及び農林水産省令で定める使用人のうち、一人以上が農作 業に農林水産省令で定める日数以上従事すれば事足りるということです。
 その理由について、この間の答弁では、現行の要件がネックとなって、六次産業化など経営の発展に対応できない面があるというふうに言ってきました。しかし、六次産業化の発展と農林漁業の成長産業化というのは議論の整理が必要だと私は考えます。
 そこで、まず、そもそも六次産業化というのは何なのか、どの法律にどのようにその意義が述べられているか確認します。
○櫻庭政府参考人 お答え申し上げます。
 六次産業化の意義につきましては、地域資源を活用した農林漁業者等による新事業の創出等及び地域の農林水産物の利用促進に関する法律、平成二十二年の法 律第六十七号でございますが、いわゆる六次産業化・地産地消法、この前文におきまして、一次産業としての農林漁業と、二次産業としての製造業、三次産業と しての小売業等の事業との総合的かつ一体的な推進を図り、地域資源を活用した新たな付加価値を生み出す取り組みであるとされておりまして、いわゆる地産地 消等の取り組みと相まって、農林漁業者の所得の確保を通じて農林漁業の持続的かつ健全な発展を可能とするとともに、農山漁村の活力の再生等に重要な役割を 担うものと位置づけられているところでございます。
○畠山委員 今述べてもらいましたけれども、六次産業化の出発点というのは、地域の雇用も含めてきちんと地域が安定していく、そして、何より農林漁業者が主体となって地域の二次産業、三次産業と一体的に推進するものである。まず、そのことを確認しておきたいというふうに思います。
 それで、この間、参考人質疑や地方公聴会で、六次産業化を進めてこられた方の話も聞いてきました。私自身も独自の調査も行ってきました。共通しているの は、しっかりと地域に根差していることだと思います。安定的生産を第一にして、市場が求めるからと過大な投資をするのじゃなくて、事業拡大も協議と合意の 上で進めていることが特徴だと思います。繰り返しになりますが、極めて農林漁業者が中心であるということだと思います。
 それで、農林水産業・地域の活力創造プランですが、ここでは、「六次産業化等の推進」の中で次のような方向が示されています。「農林漁業成長産業化ファ ンド(A―FIVE)の積極的な活用等により、農林漁業者主導の取組に加え、企業のアイディア・ノウハウも活用した多様な事業者による地域資源を活用した 地域ぐるみの六次産業化を推進する」とあります。
 「農林漁業者主導の取組に加え、」と、別の形の六次産業化の姿が提示されているのではないか。ちょっとこの点について、具体的にこれは何なのか、お答えいただけますか。
○櫻庭政府参考人 お答え申し上げます。
 これは、六次産業化を進める上で、まず、農林漁業者が主導して取り組むことを基本とする、その上で、地域の食品産業等の企業を初め多様な関係者のアイデ アあるいはノウハウを結集して取り組むことが、地域の活性化に大きな効果を発揮し得ると考えられるケースがあるとして記載されたものと承知しております。
 具体的には、例えば、市町村が策定する六次産業化戦略に基づきまして農林漁業者が新商品の開発あるいは販路開拓に取り組む場合、試作品の開発等に対する 補助率を三分の一以内から二分の一以内にかさ上げする、あるいは農林漁業者による新商品開発を推進するための市町村等による加工機械の整備に対する補助と いったぐあいに、市町村の戦略のもとで六次化に取り組む農林漁業者に対する支援メニューを充実するということでございます。
 農林水産省としては、このような措置の現場での活用を促しながら、地域ぐるみの六次産業化の先進事例となる取り組みを創出しまして、その横展開を図ることで、農山漁村の所得の向上や雇用の確保の実現に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○畠山委員 ここでも、あくまで農林漁業者が主導であるということが大事であるということを確認しておきたいと思います。
 そこで、今回の改正案ですが、六次産業化のネックになっているからと、先ほど述べました農業生産法人における農業者以外の議決権要件を、二分の一ぎりぎりまで持ってよいとなります。
 これは、例えば別の株主を一人や二人確保できれば、簡単に二分の一を超えてしまうということでもあると思います。参入する企業なり商社によってひっくり 返されるというおそれが、ここには数字上から見てもあり得るわけでありまして、そうなると、この要件緩和というのが、先ほどから話がありましたように、六 次産業化を推進していく上でも、とりわけ農林漁業者が中心であるという根本が危うくなるのではないか。
 このあたりの認識はいかがですか。
○林国務大臣 農地を所有できる農業生産法人ですが、継続的に農業に取り組んでいかれることを担保する観点で、役員や議決権等について一定 の要件を設けておるところでございますが、今委員から御指摘があったように、六次産業化等の経営展開を進めていく場合にネックになることがあるということ で、今回の改正において、六次産業化等に取り組む際の障害を取り除こうということで、この要件の見直しということになったわけでございます。
 今お話があった件でございますが、この見直しを行ったとしても、法人の総議決権の過半数は農業者が保有するという要件が課される、それから、役員の過半 が農業に常時従事する構成員という要件が維持されるということでございますので、改正後においても、農業者による経営支配が確保されているという農業生産 法人の基本的な性格、これには変わりがないもの、こういうふうに考えております。
○畠山委員 今のはちょっと、先ほど私が言ったことの答弁になっていないかと思います。二分の一未満だけれども、逆に言えば、二分の一以上は確保しているから大丈夫だという趣旨の答弁ではないかと思うんですよ。
 繰り返しますが、私が質問したことは、二分の一未満まで、逆に言えば、ぎりぎりまで保有できると、参入する企業や商社か何かわかりませんけれども、いろ いろな意思がどういうふうに働くかわかりません、株主が一人や二人ころっとかわれば、それはすぐ変わるところまで、ぎりぎりまでは認められることになるわ けです。それが、農林漁業者が主導であるということを、根本を危うくすることにはならないかと聞きました。
 もう一度、改めて答弁してください。
○林国務大臣 最初の御質問が過半数というふうに聞いてしまいましたので、逆に言えば、農業者の方が過半数を持っている、こういうことを改 めて申し上げましたが、まさに議決権の過半数を持っているということであれば経営支配が確保されるということだろう、そういうことでございますし、それか ら、役員の要件も先ほど申し上げたとおりでございますので、私は、農業者が主導という、経営支配が確保されているという基本的な性格は変わらないのではな いかというふうに思っております。
○畠山委員 なかなかかみ合った答弁になっていないように思うんですが、つまり、この点にかかわっては、参考人質疑や地方公聴会で懸念や異論が出てきた点なんですよ。
 五月二十七日の参考人質疑で、有限会社横浜ファーム代表取締役社長の笠原さんは、大手商社や大手企業と一緒にやった経験を引き合いにして、そういう方 は、損益分岐点が、だめだということになると引き揚げますよね、このことを私は危惧していると述べたわけです。六月八日の山梨会場での地方公聴会で、有限 会社ぶどうばたけ取締役の三森さんは、六次産業化というのは、やはり地域とか、地域の歴史、文化にのっとっていなければ六次化をしても進んでいかないと述 べていらっしゃいました。
 だから、二分の一未満ぎりぎりまでいろいろな商社や企業の参入の道が広がれば六次産業化が自動的に進むというものではないし、農林漁業者が主体とならないことには不安や弊害があると当事者自身がこのように指摘をしているわけです。
 繰り返しますけれども、こういうような指摘も踏まえて、どのように答えますか。
○林国務大臣 笠原さんがおっしゃっている、損益分岐点が違うので引き揚げられるということは、そもそもそういう資本が入ってきた場合とい うことであるから引き揚げるということがあるので、今回、御提案は、まさにそういうことは、別にやりたくなくても無理やり入ってこられるということではな くて、これは上場した企業が株を買われてしまうということと違いまして、もともと、皆さんがそういう資本構成にしようという場合にそういう選択ができると いうだけでございますから、そういう選択をされなければ、まさに二分の一を超えて、お決めになったところでやれるということですが、今の仕組みですと、こ れを超えてしまうと農業生産法人としてなれない、こういう制約があるので、そこの制約は、今委員が御心配になるような点もありますので、ぎりぎり過半まで はやっていこうということでございます。
 あくまで、法人の皆さんの判断によってそういうことが行えるということでございますから、その判断において、しっかりとそういう御懸念がないようにしていっていただきたいし、そういうことを我々もしっかりと説明を申し上げていきたい、こういうふうに思っております。
○畠山委員 六次産業化自体については、それぞれの地域で、農林漁業者の皆さんが主体的にさまざまな意欲を発揮して、地域の二次産業、三次 産業と皆さんが本当に一緒に頑張ってきている実態を私も承知していますし、私流に言えば、身の丈に合った六次産業化ということこそ大事ではないかというふ うに思います。
 繰り返しになりますが、そのかなめとなるのが、農林漁業者が主体ということであって、こういうような原則を踏み外すことがないような改革でなければならないということを指摘しておきたいというふうに思います。
 時間の関係もありますので、最後に、きょうも議論がありましたが、准組合員問題についても質問をしておきたいというふうに思います。
 附則五十一条第二項では、きょうも議論になりましたが、准組合員についてだけでなく、改革の実施状況もセットにして調査し、検討を踏まえて結論を得ると しています。その中身については、五年間、正組合員と准組合員ごとの利用量や地域におけるサービスの状況を把握し、今回の農協改革の成果も見きわめた上で 結論を得るとの答弁がされてきました。
 それで、なぜ准組合員の規制を検討するかといえば、これはきょうも大臣の答弁がありましたけれども、農業者の協同組織である、正組合員へのサービスがおろそかになってはならないということが一つの理由とされています。ただ、それが本当なんだろうか。
 きょうも議論がありましたが、北海道では准組合員が八割いますけれども、信用、共済事業だけではなく経済事業でも黒字の単協さんも多くあるわけです。こういう実態があるのに、正組合員へのサービスがおろそかだというふうには言えないんじゃないか。
 端的に、イエスなのかノーなのか、確認したいと思います。
○林国務大臣 まさに今、畠山先生御自身もおっしゃっていただいたように、そういうところもあるし、また、自分のところはそうではないとい う声も実はヒアリングでも出てきたということですから、いろいろなケースが多分あるんだろうということでございまして、まさに、いろいろな地域によって、 また、いろいろな単協によってもいろいろなケースがある、こういうことを踏まえて利用実態の調査をして、その上で議論をしていこう、こういうことにしたと ころでございます。
○畠山委員 いろいろなケースがあるんですよ、今大臣がそれこそおっしゃったように。だから、正組合員へのサービスがおろそかになるから准 組合員についての規制の検討云々かんぬんと、十把一からげ的な言い分といいますか答弁ということでは実態に合わないんじゃないかというふうに私は言ってい るわけです。
 それで、地方公聴会で、准組合員についての実態の発言が相次ぎました。小松市農協の西沢組合長さんの発言は、私のところは、事業の全体額からすると、約 四割を准組合員の方が利用しています、この農協法の改正というのは、農業を成長産業にしよう、あるいは農家の所得を向上させようということではありますけ れども、准組合員を制限すると、むしろ逆行するというふうに思いますと述べて、営農指導員の給料などを例にして、准組合員の利用があるから費用を賄えてい ると話されました。そのとおり、実態はあると思うんです。
 准組合員の規制こそ、このような正組合員への営農指導など、それこそ正組合員へのサービスが准組合員の規制をすることによっておろそかになってしまうのではないかという指摘です。
 逆行するんじゃないか、そういうような実態が起こり得るような認識はありませんか。
○林国務大臣 西沢組合長が公聴会で、信用、共済事業の利益を営農指導のコストや農業関連事業の損失に充てているので、准組合員の利用を制限し、信用、共済事業の収益が上がらなくなると農業振興が図られない、こういう趣旨の発言をされたということは承知をしております。
 金融事業の収益に依存をして、経済事業、中でも農産物販売や資材調達といった農業関連事業の改善というものが行われないということはあってはならない、こういうことでございます。
 経済事業で黒字の農協というのは、実は全国で二割ございます。北海道では七割ということでございますから、やはり経済事業でも工夫次第で黒字にしていく ということはあるんだろう、こういうふうに思っておりますので、それぞれの事業の収支を改善していくということが重要だと考えておりまして、信用、共済で 黒字が出るので、農業関連事業や全体的な経済事業は赤字でいいんだという考え方では困るなということを申し上げているところでございます。
○畠山委員 経済事業を黒字にする必要があるということであるならば、いろいろ調べたら、こういう農水省自身の議論やペーパーなどもあったので、ちょっと最後にこれを述べたいと思うんです。
 これまでも、農協法は何回か改定や検討を繰り返してきています。その中には、経済事業の活性化についても、もちろん議題がありました。
 農水省が七年前に出した、平成十三年農協法改正法の附則・検討条項に係る検討結果という文書があります。この十三年改正というのは、地区外の継続的農協 事業利用者にも准組合員資格を付与することとしたものでした。その狙いは、「地区外利用者との安定的な取引関係の構築を通じた経済事業等の活性化」と書い ているわけです。
 そして、この文書ではさらに、「今後の課題」というところでも、「優良事例の収集・周知等を通じ、地区外准組合員の加入をさらに進めることにより、経済 事業等の活性化に向けた自主的取組を促進」と書いています。ですから、農水省自身が経済事業の活性化に准組合員制度を位置づけていたという事実は、これは 隠せないわけです。
 ですから、今回、反対の方向の検討ではないかというふうに思うんですが、では、ちょっと立ち戻って、農水省がこのように広げようとしていた優良事例というのが間違いだったということになるんでしょうか。
○奥原政府参考人 十三年の農協法改正のときの話は、確かに、准組合員の資格を付与するという話はあるんですけれども、考え方としては、六次産業化を進めるとかそういう観点でございます。
 要するに、農協が農産物をいろいろなところに売っていく、そのときの取引先、こういう人たちにも准組合員になっていただければ、これからも円滑にその農産物が安定的に売れるのではないか、そういう意味のサポーター的なところをふやしていく、こういう発想でございます。
 だから、その地域に住んでいる方々をどんどん准組合員にするとか、そういうのとはちょっと性格が違うものというふうに思っておりまして、農協の農産物販 売ですとかそういったことを円滑に進める上でこの准組合員資格をどう使うかということを議論したものだというふうに考えております。
○畠山委員 ですから、そういうことを通じて経済事業の活性化を図ろうとしていたというこの事実は間違いないんですよね。改めて確認します。
○奥原政府参考人 個人の方をどんどん准組合員でふやすということでは必ずしもないわけですけれども、農協の販売事業等を円滑に進めるために准組合員を活用するということはそのとおりでございます。
○畠山委員 今答弁したように、そのとおりなんですよ。そういうような形で准組合員をきちんと位置づけて、それで経済事業の活性化なども議論してきたわけではないですか。
 それで、きょうもそうでしたし、この間の参考人質疑や地方公聴会でも、この准組合員の利用規制をしないでほしいというのは切なる現場からの訴えです。これはもう何度も何度も繰り返されて出ていることです。
 このように、仮に准組合員の利用規制が強められることになれば、先ほど述べましたけれども、農協がいろいろな形で経済事業をやっている、営農指導などの こっちは赤字だ、それを穴埋めするのがけしからぬみたいな議論もあるけれども、こういうことで現場は成り立っているわけですから、これが規制されることに よって農協が農協たる運営ができなくなってしまっては困るというのが、この間繰り返されている現場からの意見だというふうに私は思います。
 これが、農協が農協という運営ができなくなってしまえば、それこそ農協解体というふうになってしまうわけでありまして、この准組合員の問題については、利用規制をしない方向で進めることを強く指摘して、質問を終わります。