○畠山委員 日本共産党の畠山和也です。
 本題に入る前に、ロシア水域におけるサケ・マス流し網漁の問題について一言伺います。
 昨日のこの委員会でも、ロシアの流し網漁禁止法案について質疑がありました。大臣から、昨日の未明ですか、ロシア政府から支持する旨が表明されているとの答弁がありました。この問題は、どの党も問わず、注視してほしいと思いますし、もちろん我が党としても重視すべき問題だというふうに考えています。
 北海道の根室市は、御存じのように、水産業を基幹産業とする町です。春のサケ・マス、夏から秋のサンマ漁、それから冬のタラ漁、このようなサイクルで、漁師の経営や生活、あるいは関連産業、地域経済、雇用も成り立ってきている町です。加工、運輸、製缶、燃油や船舶資材などに多くの市民がかかわっております。
 しかし、これまで、領土問題の未解決ということで、こういう政治的な事情を前にして、まちづくりや経済の振興にも苦労してきました。ですから、今回の法案の行方も、ただ指をくわえて見ているわけにはいかないという話も聞いてきたのです。外務省と連携をして、農林水産省としても危機感を持って対応してほしい。
 そもそも、ことしのロシア二百海里内のサケ・マス漁業交渉も進んでいない現状があるわけでして、この流し網漁の禁止法案への対応と、今述べたロシアの二百海里内の漁業交渉の進展を強く求めたいと思いますが、現状はいかがですか。
○林国務大臣 まず、日ロの政府間協議でございますが、既に開催することについては日ロ間で一致をしております。したがって、ことしの二月から、我が方からは四月に開催しようということを提案しておりますが、ロシア側からは、日程案を検討しているということの理由でまだ回答を得られておりませんで、開会日がまだ決まっていない状況でございます。
 昨年も、四月の三日の東京、二十一日から二十五日モスクワ、五月の十二日、十三日モスクワ、こういう日程でございましたが、引き続きしっかりと要求をしてまいりたい、こういうふうに思っております。
 流し網漁業の禁止法案でございますが、こちらの方は、現地時間で二十一日夕刻でございましたけれども、ロシア政府において法案を支持するという見解が公表されておりまして、ロシア連邦議会の方で今後はこの法案の審議がされるもの、こういうふうに認識しております。
 こういう厳しい状況でありますが、外務省と連携しながら、ロシア国内の動きについて情報収集に努めるとともに、既に総理からも先方の大統領にも言っていただいたところでございますけれども、あらゆる機会を捉えてロシア側に対する働きかけ、これを継続してやってまいりたいと思っております。
○畠山委員 領土問題ともかかわる、国の主権にかかわる問題というふうに思うんですね。
 根室に行くとやはりよく言われるのが、ロシア側は、国境というかほかの国とかかわる地域だけに、開発を含めてさまざまな取り組みをやっているけれども、日本でいえば海岸線、水産の町こそ、そういう国境に面している、接しているところとして、やはり国の強い意思が見えないことに対して根室市民としてももどかしい思いがあるということは聞いてきたわけです。
 ですから、農水省としても、その立場を引き続き貫いて、さらなる努力を改めて求めたいというふうに思います。
 本題に入ります。
 我が党は、競馬について、スポーツ性を重視した健全な発展を望む立場です。人と馬が育んだ歴史や交流文化を大事にして、農業振興の一部門として生産地への支援強化も求めてきました。
 私は北海道の選出ですので、産地では、もちろん馬を愛し、農耕馬として北海道で開拓をともにしてきた、苦労をともにしたパートナーというような特別の思いもあるわけです。国内外で活躍する姿を夢見て、育成にも励んでいる。
 その中で、日本の競馬ですけれども、刑法の賭博、富くじ販売禁止の例外として勝馬投票券の発売行為が扱われてきました。それは公益に貢献することを理由とするものからでした。しかし、現状がどうなっているか。地方競馬では、一九九九年に二十五の主催者がありましたが、二〇〇〇年度以降、十一の主催者が撤退し、現在は十四主催団体まで減ってきています。
 この十四主催団体のうち、直近の数字で結構ですが、黒字により余剰が出て、主催者への配分金を出した競馬組合というのはどこですか。
○松島政府参考人 直近の状況ということで、平成二十五年度の状況を御説明させていただきますが、地方競馬主催者で収益金より構成団体、地方自治体へ配分金を繰り出ししておりますのは、全十四主催者のうち二主催者でございまして、具体的には、埼玉県浦和競馬組合、それと東京都の特別区競馬組合でございます。
 なお、平成二十五年度におきましては、単年度収支を見ますと、全十四主催者のうち一主催者を除きまして黒字化しておりまして、みずからの財務状況を改善するために、そのうち配分金を繰り出しましたのは二主催者にとどまっているという状況にございます。
○畠山委員 昨年度は、今ありましたように、決算途中ということでもありますが、一つを除いて黒字となっていますが、累積赤字を抱えている主催者も多くあるわけでして、その前の年でいえば、直近で答弁されたように、配分金を出せたのが二団体のみという現状です。
 地方競馬、あと中央競馬もそうですが、近年は売り上げが少し伸びているということでありますけれども、長期的には停滞あるいは低下傾向にあったわけです。その理由についてどのように認識されますか。
○林国務大臣 競馬の売り上げでございますが、中央競馬は平成九年の四兆七億円、地方競馬については平成三年の九千八百六十二億円、これがピークでございました。その後、景気の低迷、それから娯楽の多様化、こういうものが背景になりまして、競馬の売り上げについては、中央競馬はピーク時の約六割、地方競馬はピーク時の約三分の一の水準にとどまっております。
 しかしながら、今先生おっしゃっていただいたように、平成二十四年以降、中央、地方ともに、三年連続で前年を上回る売り上げを記録して回復基調にはなっている、こういうことでございます。
 今後は、人口の減少、娯楽の多様化、こういうものが進む中で売り上げを大幅に伸ばしていく、これはなかなか難しいということもあると思いますけれども、中央と地方の交流によって魅力あるレースを開催することを通じて、中央と地方の連携を強化するということと、それから、きょうも御議論していただきましたように、若者それから女性や家族連れ、さらには観光客の皆さんが参加しやすい環境整備を図る、こういうことを通じて、ファンの支持を得ながら、競馬がその役割を果たして、国際的な評価も高めながら安定的に発展していくように、しっかりと各主催者の取り組みを支援してまいりたいと思っております。
○畠山委員 このような指摘があるんですね。
 これは二〇一四年三月四日の日本経済新聞ですが、次のように書いてあります。「昨年、中央競馬では三連単の売り上げに占めるシェアが三五・八%で最も多かった。ただ、的中が難しく、払戻金で他のレースを購入するという循環構造が崩れ、ファン離れを招いていたとされる。」
 そのほかにも、今回いろいろ調べたわけですけれども、社団法人中央競馬振興会が二〇〇九年に出しています日本の競馬総合ハンドブックというのがありまして、この中でも次のようなくだりがあります。「三連単はハイリスクで、ファンの懐の疲弊も早い弱点があり、購入単位の見直しは今後の検討課題といえる。」
 市民が泣きを見るようでは、生産者だって喜べないわけであると思うんです。ですから、リスクを高める、ギャンブル性を高める投票方式は見直すべきという、このような指摘をどのように受けとめますか。
○松島政府参考人 委員御指摘のように、勝馬投票券にはさまざまな種類がございまして、比較的的中率の高い複勝とか単勝とかいったものもあれば、他方、今お話がございました三連単という、一つのレースで一着、二着、三着をその順番に当てるという非常に的中率の低いものがございます。
 そういった、リスクといいますか、当たる可能性といいますか、確率もファンの方々に認識していただいた上で勝馬投票券を購入していただくということが大事だろうと思っています。
 また、その当たる確率に関しましては、実は、平成二十四年に競馬法改正をさせていただきまして、払い戻し率を、当たる確率が高いものについては払い戻し率を比較的高く設定する、たしか上限八〇%だったと思いますけれども、当たる確率が低いものについては払い戻し率を低く設定するという形で、平準化を図るという形での制度改正も行っているところでございます。
○畠山委員 答弁が難しくなるほど、そういう難しい仕組みになっているわけでありまして、いずれにしても、全レースに三連単が導入されたのは二〇〇七年だと思うんですが、それ以降で見ても売り上げも減ってきたということでも、やはりこのことについてこの機に検証もして見直すことが必要だということを指摘しておきたいと思います。
 それで、深刻な問題なのは生産地の実態です。
 昨年ですけれども、北海道日高管内の各町長、各農協組合長、日高生産農業協同組合連合会長で構成する軽種馬生産構造改革推進会議で、北海道日高振興局馬産地対策室より、七百五戸の経営動態調査が報告をされています。それによれば、比較的健全なA階層三百三十三戸が約半数を占めるものの、C階層が一割の七十二戸、D階層が二割の百三十三戸を占めていて、軽種馬経営の厳しい実態が浮き彫りとなっているというものです。
 これまでも、日高地方に私も足を運んで話を聞いて、この間も実態を聞いてきたんですが、いつでも変わらず言われることがあるんです。そもそも、国は軽種馬を農業としてまともに位置づけていないんじゃないかと言われるんですよ。
 ちょっとシンプルに聞きますけれども、大臣、軽種馬は日本の農業でまともに位置づけていないんでしょうか。
○林国務大臣 軽種馬の生産は、競馬事業の一翼を担う重要な産業でありまして、放牧地や採草地といった農地に立脚した土地利用型の畜産である、こういうふうに認識をしております。
 特に、今御指摘のありました軽種馬生産の八割を担っている北海道日高地域では、軽種馬生産というのは基幹産業として地域経済を支える重要な位置づけにある、こういうふうに考えております。
○畠山委員 もちろん農水省の文書なども見ますし、そういう話も聞けば理解はできるんですが、それなら、どうして今言ったような声が生産者から出てくるのかということをやはり掘り下げて受けとめる必要があると思うんですよね。
 先ほどの調査報告では、借入金のない経営体が百五十八戸と全体の約四分の一となっている一方で、一億円を超える借入金の経営体が九十一戸と一割強を占めている。また、一件当たりの借入金残高は約四千八百万円です。経営に対して借入金の負担が大きいわけです。
 これは確認ですが、大きな負債を抱えているわけですが、こういう現状に対する支援はどのようなものがありますか。
○松島政府参考人 今委員から御紹介がございました調査報告については、私ども、ちょっと承知していなかったものですから、よく勉強させていただきたいと思います。
 私どもの把握しております数字によりますと、北海道日高振興局の調べによりますと、日高地域の軽種馬生産専業経営のうち七五%が負債を抱えていらっしゃいまして、その負債を抱える農家のうち四五%は一経営体当たり五千円を超える負債があるということで、軽種馬生産経営は厳しい状況にあるというふうに認識しているところでございます。
 このような状況を踏まえまして、現在、日本中央競馬会の資金などを活用した競走馬生産振興事業というものを行ってございまして、その中で、負債の長期低利資金への借りかえですとか、それから、経営を支援するための優良な種牡馬、繁殖牝馬の導入、先駆的な軽種馬生産施設の整備などに対する支援を行っているところでございます。
 こういったことを通じまして、強い馬を生産できるような軽種馬生産構造の強化を推進してきたところでございます。
○畠山委員 局長さん、今、負債のところで五千円と言いましたけれども、五千万円でよろしいですね。
 それで、今言ったように、借りかえですとかいろいろな事業はもちろんありますということですが、それでも、先ほど言ったように、農業として位置づけていないという声が出てくるのが現状です。ですから、今述べますけれども、生産者の現状や意見をよくよく聞いた、見合った支援が必要だというふうに思います。
 生産地では、勝ち組、負け組という二極化が進んでいるというふうに聞きます。規模を大きくして、勝てる馬を育成する生産者がいる一方で、これは二〇一三年の調査ですが、十頭以下の小規模零細経営農家が五百六十一戸で約七割と多数を占めているわけです。小規模零細の農家が育てる馬もいるから、レースも成り立つし、地域社会ももちろん成り立つわけで、ただ、このような農家ほど経営が苦しい実態にあります。
 酪農でしたら、搾乳して、それで返済計画を立てるということもできるけれども、軽種馬というのはなかなかそうはいかない。融資を受けても返済計画が立ちにくいわけでして、競走馬生産振興事業も平成二十九年度までですから、それより先への不安が出るのも当然だというふうに思います。
 先ほど紹介した軽種馬生産構造改革推進会議から出されたレポートを見ると、支援に対する具体的な提言があるんですね。分業化の推進だとか、あるいは大規模牧場から中小牧場への繁殖牝馬の預託とか、経営安定策などが提起をされているわけです。
 先ほど大臣から、軽種馬について、農業の重要なところであると答弁がありました。それならば、競馬の売得金を原資とする振興事業に依存するような枠組みにとどまらないで、農業本予算での支援を拡充する検討を進めてはどうかと思いますが、いかがですか。
○林国務大臣 軽種馬生産は畜産の分野でございまして、競馬事業の一翼を担っておると申し上げたとおりでございますが、軽種馬生産対策を国費で御支援するということは、競馬そのものは我が国の食料の安定供給、自給率の向上に資するものではないということでございまして、競馬事業による売り上げの一部でこの対策を実施していることに加えて、その上にさらに国費で支援するということは、納税者、国民の御理解を得ることがなかなか困難ではないかと考えております。そういったことで、これまでも軽種馬生産対策は競馬事業の売り上げの一部を原資として実施をしてきたところでございます。
 具体的には局長から答弁をしたとおりの内容でございますが、今後とも、馬産地の関係者の要望等も踏まえて、競走馬生産振興事業などを通じて馬産地の振興を図ってまいりたいと考えております。
○畠山委員 そういうふうに、食料の安定供給にかかわらないからということが出てくるので、先ほど言ったように、生産地では、軽種馬は農業ではないのかという声がずっと出てくるわけなんですよ。きちんとやはり改めて指摘をしておきたいというふうに思うんです。
 最後に、TPPが馬産地に与える影響についても問います。
 今、輸入馬への関税が一頭三百四十万円、外国産馬が出られるレースも日本では開放されてきて、今、外国人の馬主がふえてきているというふうにも聞きます。牧場が外資によって買収されているという話も聞くわけです。仮に、TPPで関税がなくなるとすれば、さらに外国産馬を持つことが広がる懸念があります。
 北海道の独自試算によれば、生産額で百一億円の減少、影響総額は二百七十億円に上って、三千人の雇用にも影響があるとされています。米、畜産、酪農、畑作、そしてこの軽種馬生産地でも、だからTPP反対だという声が上がって、もちろん、日高管内へ行けば、それぞれのところにもポスターが目立つところに張ってあるわけです。繁殖牝馬を安く購入できるという面の指摘もありますが、ただ、この試算結果を見れば、負の影響の方が大きいと言わざるを得ません。
 このままTPPに参加ということになれば、畜産振興という目的さえも達成できないんじゃないかというふうに思うんです。農水省としてどう考えますか。
○林国務大臣 TPP交渉でございますが、全体をパッケージとして交渉しておりますので、軽種馬の関税、これは一頭当たり三百四十万円でございますが、この取り扱いについても何ら確定しているものはございませんで、軽種馬生産農家への影響については、予断を持って何らお答えできる状況ではないということで、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
 今御指摘がありましたように、軽種馬生産は競馬事業の一翼を担う重要な産業でございまして、先ほど申し上げましたように、北海道日高地域においては基幹産業として地域経済を支える重要な位置づけにあることから、引き続き政府一体となって交渉に全力を尽くしたい、こういうふうに考えております。
○畠山委員 北海道は、各地で、米であっても、畜産、酪農であっても、今言ったように、軽種馬のところであっても、TPPに対する強いこのような意思が表明されてきているわけですから、改めてしっかり受けとめる必要があると思います。
 安倍首相がアメリカに行って議会演説をするとかしないとか話がありますけれども、私が思い出すのは、四年前ですか、韓国の李明博当時大統領が議会で演説をされたんですね。これは、その後、アメリカと韓国のFTAが結ばれることになって、そのときにも、アメリカの議会で、このFTAを結ぶことによってすごくアメリカとの同盟関係が強くなったというような演説をしたわけですよ。でも、韓国に戻ってきて、結局、FTAが結ばれて、毒素条項が入っているとか、さまざまな批判にさらされてきて、帰ってきた後の演説ができないような抗議行動もされたというようなことが起きたわけです。
 ですから、改めて、このようなTPP交渉、きょうもこの委員会で議論されてきていましたが、もしやアメリカに行って首相が安易に妥協するというようなことなど絶対に認められないということを最後に一言述べまして、私の質問を終わります。