○畠山委員 日本共産党の畠山和也です。
 公共交通の重要性にかかわって、本委員会でも何度も取り上げられてきていますJR北海道の安全対策や現状について質問を行います。
 まず、昨年末ですが、十二月二十七日にJR北海道函館線の嵐山トンネル内で出火がありました。私は旭川にあるこのトンネル現場に行って、外側から視察も させてもらいましたけれども、トンネル上部が黒く焦げていまして、非常に大きな出火であることを実感しました。その原因と今後の対策については、有識者を 交えた委員会で検討中とのことです。
 たびたびJR北海道についてはこのような事故あるいは出火などで心配な事案が発生してきて、道民の不安がかき立てられているというのは御承知のとおりだと思います。
 そこで、この火災についてまず一点だけ確認をします。避難訓練についてです。
 これらの安全対策については、もちろん多額の費用がかかりますし、時間がかかるものですが、その間の対策の一つとしては、十分な防災訓練であったり避難訓練は当然必要なことと思います。
 そこで、伺います。
 JR北海道の営業範囲内でのトンネル数、また、そのうち電化区間のトンネル数は幾つあるか、今回出火の起きたこの嵐山トンネルで避難訓練は行われていたかなど、これらトンネルの避難訓練の有無について国として承知をしているかどうか伺います。
○藤田政府参考人 お答えいたします。
 JR北海道のトンネルの数でございますけれども、百八十二カ所でございます。そのうち、電化区間のトンネルの数は四十三カ所でございます。
 それから、訓練の状況でございますけれども、嵐山トンネルと同様の電化区間のトンネルでの避難訓練の回数、平成二十三年度から二十七年度の五年間で十二回実施していると承知しております。
○畠山委員 もう一度確認しますが、その十二回のうちに、嵐山トンネルで避難訓練が行われたのは確認できていますか。
○藤田政府参考人 お答えいたします。
 手元のリストによりますと、嵐山トンネルはこの五年間の訓練対象には入ってはおらないというふうに承知しております。
○畠山委員 つまり、避難訓練がされていないというわけであります。今ありましたように、電化だけでも四十三で、そのうち十二ですから、嵐 山トンネル以外でも何かの事態の際の避難訓練は行われていないというわけです。国として、こういう事態に問題意識を持たなければいけないと私は思います。
 二〇一一年五月に、JR北海道は石勝線でトンネル火災を起こして、三十九人の方が病院に搬送されました。当時、こういった安全対策の不備やさまざまな指 令のやりとりなどなどでさまざまな問題が発覚する中で、死者がなかったのは奇跡だったというふうに思います。私もその後現場や車両を見させていただきまし たが、車内の椅子だとかは全部溶け落ちて、よくこれで大きな被害が出なかったと思ったほど、ぞっとするような内容でありました。その後、JR北海道として は、さまざまな対策マニュアルなども講じたところです。
 それで、今回の嵐山トンネルの火災というのは、午前四時ぐらいで、乗客が乗っていなかった時間帯でしたが、それでよしとするわけにはもちろんいきません。
 そこで、これは大臣に伺いたいんですが、監督責任を持つ国として、安全対策、とりわけ今私が述べました避難訓練の実施をきちんと国としても確認し、必要なことがあれば指導もしていくことを求めたいと思いますが、いかがでしょうか。
    〔委員長退席、小島委員長代理着席〕
○石井国務大臣 鉄道の安全を確保する上でトンネル内での火災への対策は重要でありまして、その一環として、異常時を想定したトンネル内における避難訓練についても適切に実施される必要があると認識をしております。
 鉄道事業者では、これまでの火災事故等を受けまして、適宜、異常時対応のマニュアルを見直すとともに、そのマニュアルに基づいて定期的に避難訓練を行っております。
 国土交通省におきましては、この避難訓練が適切に行われているかどうか、保安監査で確認をしております。
 今後とも、鉄道事業者において避難訓練が確実に実施されるよう必要な指導をしてまいります。
○畠山委員 そうであるならば、先ほどあったように、電化区間のトンネルが四十三ある中で十二しか避難訓練が行われていないという事態につ いては、是正が必要ではないかと改めて私は強調したいというふうに思います。鉄道事業者として乗客の命を預かっているわけですから、その責任を自覚すべき ことを、JRに対しても、この場からも私から表明をしておきたいというふうに思います。
 そこで、問題については構造的に捉えなければいけないと思います。
 この問題について、JR北海道から私も聞き取りなどを行いましたが、もちろん安全対策は最優先だとしつつも、必ず最後に落ちつく話というのは、そうはいってもお金がないんですということの繰り返しでありました。
 それはことし三月のダイヤ改正にもあらわれて、JR北海道では、駅の廃止が八つ、減便が普通列車で七十九、特急列車では車内販売も自動販売機さえもなくしたものもあります。
 高波や台風によって線路が被害を受けた日高本線が間もなく一年半になりますが、これもまた復旧される見通しがありません。
 それで、お手元に資料が配付されていると思いますが、この日高本線というのは、ここにありますように、苫小牧から様似まででありまして、現在の不通区間 は鵡川駅から様似駅の約百十六キロになります。今は代行バスが運行していますが、途中にあります静内駅で乗りかえをしなければなりません。
 百十六キロというのは、東京駅を起点に東海道新幹線で考えると、熱海までが大体百キロなんですね。それをはるかに超えるわけですから、そこをバスで連日行くということの大変さは想像できるかと思います。
 そこで、まず確認をします。
 このように百キロ超となるような長距離を走る代行バスというのが全国にあるんでしょうか。あわせて、このような状況は国としてやむなしと考えているのか、認識を伺います。
○藤田政府参考人 日高線につきましては、昨年一月の高波による被害のために鵡川―様似間で鉄道を運休しておりまして、昨年一月から代行バ スが運行されております。代行バスの運行距離、御指摘にございましたように、鉄道の営業キロで申しますと全体で百十六キロ、運行系統としては鵡川―静内間 の五十一・六キロと静内―様似間の六十四・四キロに分かれている、こういう状況でございます。
 ほかに百キロを超える代行バスがあるかというお尋ねでございますけれども、現在運行されているもので一番長い災害等による代行バスは、常磐線の竜田―原ノ町間の四十六キロというふうに承知をしております。
 日高線における代行バスの運行でございますけれども、鉄道が運休している状況の中で、地域の交通手段の確保のために必要な措置であるというふうに認識をしております。
 JR北海道におきましては、バスの運転時刻を高校の登下校の時刻に合わせたり、所要時間を短縮するために運行経路を見直すなど、できる限り利用者の利便を確保するように努めているというふうに承知をしております。
○畠山委員 したがって、百キロ超の代行バスというのは日本にはないわけです。
 そこで、今さまざまな時間のやりくりだとかJR北海道で努力をされているという旨の認識の答弁がありましたが、これは実態をやはりよく見る必要があると思うんですよ。
 時間がかかるのは、先ほどの距離もそうですが、北海道ですから、冬道、悪天候、そして、代行バスは大型ですので、代行ですから駅前なども通っていくんだけれども、国道から駅前に行くときに細い道なんかを通るわけだから、くねくねして時間も余計にかかる。
 例えば、鵡川から静内まで、静内に高校もありますが、農業高校もあるんですね、ここで鵡川から朝通うようにされると、今までだと一時間十分ほどで行った ものがバスだと一時間四十八分かかって、一・五倍ぐらいかかっているんです。また、途中駅にある新冠町には高校がありません。部活、塾、学校の講習などな どがこれらのバスの運行時間に拘束をされるわけです。
 そして、ここを線路と並行して走っている国道が、ずっと長い一車線区間もありまして、いろいろなものを運ぶ工事車両であったり、観光シーズンもたくさん車が通るんですけれども、そうなると、ゆっくり走っていけばなかなか前に進めないということもある。
 深刻だなと思ったのは、車椅子の方のお話でした。この代行バスへ乗るのに一カ月前から予約が必要と言われているそうです。なぜか。それは、バスの乗りお りにJRが介護事業者などへの介助を頼むためだそうです。しかし、その方が通う病院というのは、バスに乗っていくわけですけれども、専門医が常駐していな いために一カ月前でも予定が立たない。予約ができないわけですよ。それで、何とかかんとか、では十三時ぐらいのバスに乗せてくださいというふうに言った ら、いや、その時間は事業者が確保できないので十一時にお願いできないかとか、そんなやりとりがされているというのが現実です。
 もう一つ言えば、運賃や切符というのはその乗りおりした駅に行って払うんですね。バスでお金を扱わないんですよ。だから、ちょっとバス停が駅から離れた ら、駅までとことこ行って、そこで切符や、お金を払わなきゃいけない。観光客なんかはこういう仕組みをわからないから、どうしたらいいかという状況にもち ろんなるわけです。
 いろいろたくさん言いましたけれども、一体これで公共交通としての機能を果たしていると言えるのかどうかということを問いたいんですね。
 そこで、確認することがあります。
 交通政策基本法の第二節には国の施策が書かれています。第十六条と第十七条を読み上げてください。
    〔小島委員長代理退席、委員長着席〕
○藤田政府参考人 交通政策基本法第十六条を読み上げさせていただきます。「国は、国民が日常生活及び社会生活を営むに当たって必要不可欠 な通勤、通学、通院その他の人又は物の移動を円滑に行うことができるようにするため、離島に係る交通事情その他地域における自然的経済的社会的諸条件に配 慮しつつ、交通手段の確保その他必要な施策を講ずるものとする。」
 十七条を読み上げさせていただきます。「国は、高齢者、障害者、妊産婦その他の者で日常生活又は社会生活に身体の機能上の制限を受けるもの及び乳幼児を 同伴する者が日常生活及び社会生活を営むに当たり円滑に移動することができるようにするため、自動車、鉄道車両、船舶及び航空機、旅客施設、道路並びに駐 車場に係る構造及び設備の改善の推進その他必要な施策を講ずるものとする。」
 以上でございます。
○畠山委員 そこで、大臣に伺います。
 今読み上げられました交通政策基本法では、十六条で日常生活等に必要不可欠な交通手段の確保を国の施策として書かれています。また、高齢者、障害者、妊産婦等の円滑な移動のための施策を講ずることが第十七条に書かれています。
 しかし、先ほど紹介した実態は、この法の中身と乖離しているのではないでしょうか。これはまず、大臣の認識として伺いたい。
○石井国務大臣 日高線は、昨年一月の低気圧による高波によりまして、線路脇の盛り土の土砂が流出する被害が発生したため、鵡川―様似間で鉄道が運休をしております。また、昨年の九月には、重ねて台風の影響により護岸等が倒壊し、路盤が流出する被害も発生しております。
 こうした状況を踏まえ、鉄道の復旧方針について、昨年六月より、北海道庁、JR北海道、国土交通省の三者から成る検討会議を開催して、検討を行っているところであります。
 また、住民生活に必要な交通手段を当面確保する観点から、JR北海道が代行バスの運行を行っております。
 こうした状況は、交通政策基本法の考え方に沿ったものであると考えております。
○畠山委員 今基本法に沿ったものだという答弁でしたが、でも、私が先ほど言った、車椅子の方がバスに乗るのに一カ月前から予約が必要だけれども、それは現状としてかみ合っていないことを紹介したんですよ。
 第十六条も第十七条も主語は国になっていて、国が責任を負うべき内容を定めていると思うんですよ。少なくとも、いつまでも代行バス運転に頼るのではなくて、国が責任を持って、まず日高本線の復旧をやりますということを言うべきではないでしょうか。
○石井国務大臣 日高線の復旧方針につきましては、先ほど御紹介いたしましたとおり、昨年六月から、北海道庁、JR北海道及び国土交通省の三者から成るJR日高線検討会議を開催して、検討を行っているところであります。
 また、復旧には多額の費用がかかることを踏まえまして、復旧後にJR北海道と地域が一体となって日高線を持続的に維持していくための方策につきましても、JR北海道と沿線自治体との間で協議が行われているところであります。
 国土交通省といたしましては、こうした協議の場を通じて、それぞれの関係者が何ができるか議論を深め、関係者間の調整が促進されるように努めてまいりたいと考えております。
○畠山委員 事務方も含めて、そういうお話を何度も聞いてきたんですよね。国は調整に努めるというような話も昨年来から聞いてきました。
 しかし、間もなくもう一年半になるというのに復旧の方針さえまとまらないのは、さまざまな要因がありますけれども、冒頭述べたように、JR北海道にとっ ても経営状況が見通せないことがある中で、交通政策基本法の趣旨にのっとり国が踏み出さないとなかなか解決に向かわないんじゃないかという点を強く要求し ておきたいと思います。
 そこで、最後に問いたいのが、なぜここまでJR北海道の問題が矛盾の深まりを見せているかということについてです。
 それは、結論から言えば、我が党は繰り返し言ってきましたが、国鉄の分割・民営化によるものだという点を改めて強調したいと思います。
 ことしで国鉄の分割・民営化から二十九年がたちます。東日本、東海、西日本は鉄道事業でも順調ではありますが、この間上場しましたけれども、九州は ちょっと、北海道や四国などは当初から赤字路線が多く経営困難がわかっていたこと、国としても三島特例なども行い、当時、上げた国会で附帯決議もついたわ けですけれども、さまざまな国としてやるべきことが盛り込まれていたんですよね。
 もう一度読み直して、附帯決議の二に次のように書いてありました。「各旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社の輸送の安全の確保及び災害の防止のた めの施設の整備・維持、水害・雪害等による災害復旧に必要な資金の確保について特別の配慮を行うこと。」と附帯決議で付されています。
 さまざまな北海道や四国、九州の状況を、特に今、熊本の様子なども見たら、こういう附帯決議が付されるのは私は当然だというふうに思います。今の日高本線の現状も、こういうことを鑑みて行うべきではないんでしょうか。
 もちろん、当時から三十年近くたって、JR北海道自身の経営がどうであったかということも問わなければなりません。しかし、赤字路線を抱えるこのような 北海道などで困難が見通せていたと思われるのに対して、今JR自身の責任などとともに、国の責任も改めて問わなくてはいけないのではないかと私は思いま す。
 今代行バスで、なかなかJRに乗れなくて苦労している日高沿線住民の皆さんの前で、いやいや、国の責任など当時からありませんということは言えるんでしょうか。今こそ私は分割・民営化においての国の責任について考え直すときだと思いますが、大臣の認識を伺います。
○石井国務大臣 国鉄の分割・民営化は、公社制度のもとで全国一元的な運営が行われてきた国鉄の経営形態を改め、健全な事業体としての経営基盤を確立した上で、国鉄の事業を再生するために行われたものであります。
 JR北海道におきましては、会社発足以来、こうした趣旨を踏まえて事業運営を行ってきましたけれども、国鉄改革から約三十年が経過する中で、地域における人口減少や道路整備の進展など、さまざまな事情の変化がございました。
 JR北海道においては、こうした国鉄改革以降の事情の変化を踏まえながら、引き続き、国鉄改革の趣旨を踏まえた経営に努めてもらいたいと考えております。国としても、そのために必要な支援を行ってまいります。
○畠山委員 情勢の変化があったということだけでとどめてはいけないと私は思うんですよ。
 実は、さまざまなそういう現場に行ったときに、一枚の資料をいただきました。これは手元にあるんですけれども、一九八六年五月二十二日付の朝日新聞で、 当時政権党だった自民党が、もちろん今も政権党ですけれども、新聞広告を出されていました。こう書いています。「六十二年四月を目指して新しい鉄道をみな さんと一緒に考える――自民党」「民営分割ご期待ください。」「全国画一からローカル優先のサービスに徹します。」「ローカル線もなくなりません。」「民 営分割ご安心ください。」とあります。
 全然違うじゃないか、何の努力がされているのかと地元の方から話がありました。私、これを紹介した理由というのは、大事にこうやって持っていて、地域住 民の方が、地域の足を守ってほしい、そういう気持ちがわかりますかということを訴えたいがために、きょうこちらに持ってきたんです。
 だって、地方自治体の首長さんもそうですし、地元の住民も今受け身ではなく知恵を絞って、先ほどから大臣も述べられているように、協議会で話し合いをし てきているんですよ。地元自治体の協議会では利用促進策も提案しているのは、国としても承知しているではありませんか。だから、JRや国が応える番ではな いのか。新幹線の延伸は進めながら、何で在来線支援の旗を振らないのかと私は思います。
 経営面でも安全面でも公共交通の維持という面でもJR北海道の矛盾が噴出しているのは、根本的に、国鉄改革、分割・民営化に端を発するものだと思います。
 そこで、あしたから再国有化しろとかいう話ではありません、少なくとも検証が必要な時期を迎えているのではないか、そういう対策をとる気はないか、最後に大臣に伺います。
○石井国務大臣 国鉄の分割・民営化によりまして、効率的で責任のある経営が実施できる体制が整えられた結果、全体として鉄道サービスの信頼性や快適性が格段に向上いたしました。
 また、経営面でも、JR本州三社は既に完全民営化され、JR九州も完全民営化に向けて昨年JR会社法が改正されるなど、順調に推移している面もあると考えております。
 一方、JR北海道、JR四国及びJR貨物の三社については、各社それぞれ状況は異なりますが、まだ経営自立が可能になるような段階には至っておりません。
 このため、国としては、これら三社に対しまして、実質的な経営安定基金の積み増しや設備投資に対する助成や無利子貸し付けなどの支援を行っているところであります。このような措置を通じて、経営自立に向けて着実に取り組みを指導してまいりたいと考えております。
○畠山委員 今、最後に話された内容というのはこれまでもやってきて、しかし、JR北海道の経営状況も聞きましたけれども、また二年後、三 年後ぐらいに運用益なども下がって、ますます大変になるんじゃないか。それが、この間の三月のダイヤ改正で減便であったり駅の廃止に直結しているというの は道民誰もが感じているものですよ。民営化すればバラ色になるかのように言われてきた中身は、しかし、今JR北海道の現状を見れば胸を張って本当に言える のか。私は、違うということを強調したいと思います。
 沿線住民からは、JRを守りもしないで何が地方創生かという声を聞きました。当然の思いだと思います。国として復旧や安全対策や緊急策をとるとともに、根本的には分割・民営化についての検討をするよう求めて、私の質問を終わります。