○畠山委員 日本共産党の畠山和也です。
 短時間ですが、きょうは、東日本大震災後に宮城県石巻市が新渡波西A地区に整備した十五戸の災害公営住宅をめぐり、四次下請で植栽工事、外構工事を請け負った三社の合計一千七十六万三千円の代金が未払いになっている問題について質問を行います。
 本工事の事例を捉える上で、まず一般論として確認しておきたい。
 重層下請構造の建設業界で下請代金の未払いが発生した場合に、下請事業者を救済するためにどのような措置がありますか。
○谷脇政府参考人 お答えいたします。
 建設工事の請負代金の支払いにつきましては、基本的には当事者同士の問題であり、双方が話し合って解決すべき問題であるというふうに考えております。
 一方、今御指摘ございましたように、建設工事におきましては、下請建設会社に不当なしわ寄せが行われるということも考えられるわけでございまして、建設 業法の第十八条におきましては、建設工事の請負の当事者は、おのおのの対等な立場における合意に基づいて公正な契約を締結し、信義に従って誠実にこれを履 行することを建設工事の請負契約の原則ということで規定しているところでございます。
 また、同じ建設業法の第二十四条の三の規定がございまして、元請の建設会社が注文者から請負代金の支払いを受けたときの下請建設会社に対する下請代金の支払いの期日などについても規定をしているところでございます。
 個別の事案につきましては、そもそも未払いの有無等について争いがあることも多いわけでございまして、当事者で話し合いがなされることが重要でございま すけれども、今申し上げました建設業法の規定などに基づきまして、国または都道府県において事実関係を確認の上、必要な指導を行っているところでございま す。
 なお、建設業法の第四十一条第二項及び第三項におきまして、発注者から直接工事を請け負った特定建設業者に対する立てかえ払い等の勧告の規定がございま すけれども、立てかえ払いが下請代金の二重払いという側面を持つなど難しい面もあることから、この点につきましては、まず当事者間で十分な話し合いが行わ れ、円滑に解決を図られるよう努めているところでございます。
 以上でございます。
○畠山委員 業法においては、対等な関係であったり、信義、あるいは誠実な立場で臨むことと記されております。
 そこで、石巻市の事例ですが、今回、石巻市に建設された災害公営住宅は、民間会社等が市町村の定めた規格等に適合するよう建設した住宅を市町村が買い取 るという買い取り方式によって建設されたものです。石巻市は、株式会社パナホームと基本協定書及び建物譲渡仮契約を結び、パナホームが建設した公営住宅の 完成物を石巻市に譲渡する契約となっています。パナホームは梅本工務店を元請会社として契約をしました。
 この梅本工務店は今どのような状態になっていると認識していますか。
○谷脇政府参考人 今御指摘がございました梅本工務店でございますけれども、許可行政庁でございます宮城県知事から、平成二十八年三月二十八日付で建設業許可が取り消されております。
 原因といたしましては、営業所の所在地を確知できず、宮城県告示第百三十七号、平成二十八年二月二十三日で告示したが、同日から三十日を経過しても申し出がなかった、このことは建設業法第二十九条の二第一項に該当するという理由でございます。
○畠山委員 このように、元請が今、建設業の許可を取り消されて、実質的な倒産状態というわけです。
 現地からは、パナホームが設計や下請企業の社会保険加入を行うなど、実質的には元請ではないかという指摘もありますが、今回のような買い取り方式のもと で、パナホームは発注者であって、先ほど言いました未払い代金の立てかえ払い責任を問うことは建設業法上は困難だと国交省から説明も受けてきました。ま た、パナホームと契約を結んだ石巻市も、完成物を買い取る契約のため、施工業者に対して責任を負う義務はないというのが法律のたてつけです。
 ただ、これでは代金が支払われていない下請会社が納得できないのも当然で、我が党のもとへ次のような苦境を訴えるメールが寄せられています。私どもが一 番憤りを感じているのは、石巻市とパナホームの計画で進めているこの公共事業に、なぜ我々下請業者が無償で労働力を提供しなければいけないのか、また、そ れに伴って発生した労務費や材料費は、結果として自社が負担することになり、それが原因で我が社の経営が非常に厳しい状態に陥っているという内容です。
 災害公営住宅の建設ですから、業者にとっても、被災者支援に役立てるという誇りとも言える仕事です。でも、現実には、起きないと思われていた元請会社の事実上倒産が起きて、未払い事案が発生した。誇りさえも失われるような状況です。
 そこで、大臣、最後に二つ伺います。
 このような事態を知ってどのように認識されたかということと、私が心配するのは、熊本地震が今起きて、同じような災害公営住宅の建て方をした場合に、同 じような事例が生まれないかということです。先ほど紹介したメールも、最後に、今後も進んでいく復興事業で同じようなことが起こらないよう強く願っており ますと結んでいて、国を初め関係者が知恵を出し合って、同じような事態を生まないために何らかの方策を検討すべきではないかということを最後に伺いたいと 思います。
○石井国務大臣 まず、石巻市の件について申し上げますが、石巻市の災害公営住宅の建設工事に関連して、下請代金の未払いが問題となってい る事案が生じていることについては承知をしております。災害公営住宅の整備という重要な復興事業において、被災地の復興に尽力した建設会社が被害を受けて いるとすれば、大変に遺憾であるというふうに思っております。
 次に、今後の熊本の復興に関してでございますが、復興関連も含め、建設工事において適正な元請、下請関係を構築することは重要であると認識をしておりまして、下請建設会社に対する適切な代金の支払いはその基本となるものであります。
 このため、国土交通省といたしましては、従来から、下請の取引ルールに関して、建設業法令遵守ガイドラインを策定し、指導を行っているところでありま す。今後、下請代金の未払い等の個別事案が発生した場合には、関係者から事情を聞き、必要な指導を行ってまいりたいと思います。
 また、元請建設会社からの債権回収が困難となった際に、下請代金等の債権を保全する仕組みといたしまして、下請債権保全支援事業による支援を行っている ところであります。一種の保証制度かと存じますが、こういった制度の活用も図りつつ、復興事業に貢献する下請建設会社に対して適切な支払いがなされるよ う、引き続き取り組んでまいりたいと存じます。
○畠山委員 政治の力で現場を救うべきですし、同じことを繰り返さないよう求めて、私の質問を終わります。