○畠山和也君 私は、日本共産党を代表して、二〇一六年度一般会計予算外二案に反対する討論を行います。(拍手)
 予算案の審議を前に、内閣を代表して経済演説を行った閣僚が口きき疑惑で辞任したことは極めて重大でした。いまだ疑惑は解明されていません。問題の根本にある、パーティー券を含む企業、団体からの献金を全面禁止することを求めます。
 以下、予算案に反対する理由を述べます。
 第一に、本予算案は、国民の中に広がる貧困と格差の是正どころか、大増税を押しつけ、財界、大企業の利益優先へ大盤振る舞いとなっている点です。
 総務省の家計調査で、二人以上世帯のうち勤労者世帯の実質可処分所得が、三十年前以下の水準に落ち込んでいることが明らかになりました。消費税率八%への引き上げで、消費者物価指数が二〇一五年に一〇四・六まではね上がり、物価上昇は過去最高の水準となりました。
 同じく、総務省の労働力調査では、安倍政権の三年間で、正社員が二十三万人減った一方、非正規雇用の労働者は百七十二万人ふえています。
 ミニ経済白書では、パート労働者だけでなく、一般労働者も実質賃金が低下していることを認めています。
 安倍首相が言う経済の好循環どころか、国民にとっては悪循環が続いているのではありませんか。
 消費税一〇%となれば、政府試算でさえ、国民一人当たり年間二万七千円、一世帯当たり六万二千円もの大増税が押しつけられます。将来の引き上げも政府は 否定せず、与党幹部からもインフラ整備ができたなどの発言があり、軽減税率は、さらなる増税の布石となっています。暮らしと経済に取り返しのつかない打撃 を与える消費税一〇%は、きっぱり中止するべきです。
 政府は、決まって、消費税増税分は社会保障の充実へ回すと述べますが、予算案に盛り込まれているのは、診療報酬の実質減、高齢者医療の窓口負担増、介護 保険利用料の倍化、生活保護の加算、扶助減額見直しなど、負担増と給付減の徹底というべく、全面改悪です。政府が昨年出した改革工程表に基づき、社会保障 自然増を半減以下にばっさり削減したためです。どこに社会保障の充実があるのですか。
 国民には負担増を求めながら、法人実効税率を二〇一八年度まで二・三七%引き下げるなど、史上最高の利益を上げている黒字大企業へ一・六兆円もの大減税 を行い、その穴埋めとして、外形標準課税の拡大で中堅企業への増税を行うなど、言語道断です。この間の優遇税制によって、結局は、大企業の内部留保が大膨 張しただけではありませんか。
 今、政府がなすべきは、長時間・低賃金労働の是正など、安心して働ける環境をつくることです。元請大企業と下請企業の公正取引へ、国が監視と指導を強めることが必要です。
 社会保障充実の財源は消費税増税に頼らず、応能負担の原則に基づく税制改正によってつくり出すべきです。家計に重い負担となっている教育費の軽減へ踏み出すときです。
 この際、民主・維新・無所属クラブによる編成替え動議について触れておきます。
 貧困と格差を是正する点で、部分的ではありますが、返済不要の給付型奨学金の創設、介護・障害福祉従事者、保育士等の給与の引き上げなどは必要なことであり、賛成を表明するものです。
 反対理由の第二は、地方創生と口にしながら、一層地方の疲弊を加速させる点です。
 予算委員会の地方公聴会では、その懸念の声が相次ぎました。香川県高松会場では、地域経済の落ち込みやTPPへの痛烈な批判が出されました。福島県郡山会場では、今の内閣は被災地に寄り添っていないとの表明もありました。
 そもそも、地方創生を言うのなら、農林漁業に大打撃を与えるTPP批准などやめるべきです。各県やJAの試算では、政府試算を超える農業被害が示され、 不満と不安が広がっています。予算案には、TPPへの対応として、規模拡大や輸出促進に重きが置かれていますが、農家が切実に求める価格安定対策や、三 九%まで下がった食料自給率の向上こそ、急がれるものではありませんか。
 安倍首相は有効求人倍率がふえたと盛んに言いましたが、では、なぜ若者が都市圏へ仕事を求めて来るのでしょう。最低賃金に大きな格差があるからです。中小企業への支援強化とあわせ、全国一律時給千円以上の最低賃金制度の確立に今こそ足を踏み出すときです。
 五年目を迎える東日本大震災の被災者が、なお十七万人も避難生活を強いられている中、暮らしとなりわいの再建は急務です。住宅再建へ被災者生活再建支援金を五百万円まで引き上げることや、被災自治体の独自支援策を応援する立場こそ、求められます。
 福島第一原発事故の被害の実態に応じた、支援と賠償へ国が責任を果たすときにもかかわらず、福島の願いに背を向けて、全国で次々と原発を再稼働するなど、到底許すことはできません。
 反対理由の第三は、安保法制、戦争法を強行成立させたもとで、五兆円を超える軍事費を盛り込み、アメリカの戦争支援体制を強化している点です。
 新型ステルス戦闘機F35や新型空中給油機、イージス艦、オスプレイ等の軍備拡大は、周辺諸国との緊張関係を高め、東アジアの平和環境づくりに逆行するものです。後年度負担が膨れ上がり、中期防衛力整備計画をも大きく上回るペースです。
 新たな日米合意に基づき、思いやり予算を百三十三億円も増額し、米軍への施設提供整備に、最低でも毎年二百六億円を積算根拠も示さないまま支出するとし ています。米軍が配備を進めるF35戦闘機についても、日本政府による財政負担で新たな重整備拠点を置くとしています。対米従属もきわまれりではありませ んか。
 沖縄の民意を無視して、代執行訴訟にまで踏み切り、辺野古への新基地建設を強行するなど、とんでもありません。普天間基地は、移設条件なしの閉鎖、撤去こそ要求するべきです。
 民意を無視した安保法制、戦争法の強行採決から間もなく半年がたつ中、国民の怒りはおさまるどころか拡大し、安倍政権をかえようとのうねりが全国に広 がっています。この三月に戦争法は施行されようとしていますが、日本の自衛隊が戦後初めて外国人を殺し、戦死者を出すという現実的な危険が生まれていま す。
 改定PKO法において、自衛隊は新たに任務が拡大し、任務執行のための武器使用も認められました。国連PKO自身が交戦主体となっている現実のもと、内 戦状態に陥っている南スーダンで自衛隊が武力行使する可能性について、政府は明確に否定しませんでした。また、駆けつけ警護の一部として、狙撃、射殺前提 の作戦があることについても、政府は検討していることを認めました。重大です。戦闘の当事者になるのは避けられないではありませんか。
 我が党は、先月十九日、他の四野党とともに安保法制を廃止する法案を提出しました。日本共産党は、国民との共同をさらに強め、憲法違反の安保法制、戦争 法を廃止し、集団的自衛権行使容認の閣議決定を撤回し、安倍政権打倒と、日本の政治に立憲主義と民主主義を取り戻すため全力を挙げる決意を表明して、私の 反対討論を終わります。(拍手)