○畠山委員 日本共産党の畠山和也です。
 熊本県熊本地方を中心に襲った連続的な地震で多くの被害が出ている状況に胸が痛みます。心からのお見舞いを述べますとともに、哀悼の意を表したいと思います。
 政府を挙げて震災対応に当たるときではないのでしょうか。理事会でも私は発言しましたけれども、TPPのこの特別委員会の場で片手間のように審議する問 題ではありません。災害対策特別委員会や予算委員会などを開いて、与野党挙げて被災者の苦難に応えた対策を話し合うべきではないのでしょうか。
 TPPの質問の前に、私からも、震災に対する政府の対応について初めに伺います。
 今もなお余震が続いております。長引く避難生活、不自由な生活、そして先の見えない状況など心身ともに苦しい状況に置かれている中で、被災者に対する医療の提供体制の確保が必要なのは間違いありません。
 例えば、南阿蘇村はもともと医療過疎ともいうべき状況で、落橋した阿蘇大橋の山側にいる方は橋を渡って病院に行っていたというふうに聞きます。今後は迂 回して病院に行かなければならなくて、透析を受けるためには当面村外へ移ることも考えなければならないような事態になっています。
 また、慢性疾患を抱えている被災者からは、一週間分の薬がなくなったらどうしたらいいのかと深刻な声も聞かれます。南阿蘇村は、主要な交通路が断たれて、薬剤師などの緊急配置を含めた医療の提供体制が緊急に必要となっています。
 そこで、先ほど笠井議員からも指摘がありましたが、総理は先日の非常災害対策本部会議で次のように述べています。食料や水の支援も倉庫に届くだけでは役 に立たない、被災者一人一人の手元に届かなければ全く意味はない。そのとおりだと私も思います。そして、この考えは、水や食料の支援にとどまらないで、医 療においても同様ではないのでしょうか。
 そこで、一人一人の被災者に対する医療の提供について政府はどのような対策を講じようとしているか、まず答弁してください。
○安倍内閣総理大臣 詳細が必要であれば、厚労大臣から答弁をさせていただきたいと思います。
 医療機関については、十カ所程度の病院で、建物の倒壊リスクやライフライン途絶などにより他病院への入院患者の搬送が必要となりましたが、既に大半の病 院で搬送を完了しております。また、災害拠点病院などにおいて被災した患者の受け入れを行っておりますが、全国から災害派遣医療チーム、DMATが続々と 派遣され、状況はかなり改善しているという報告を受けております。
 避難者の心のケアにつきましては、保健師等が避難所等を巡回して支援に当たるとともに、専門的な心のケアについて、災害派遣精神医療チーム、DPATの派遣により支援を行っております。
 引き続き、医療機関、自治体と協力をしつつ、被災者の医療の確保に万全を期してまいりたいと思いますし、また、今は病院等とこちらのDMAT、DPAT 等についてお話をさせていただきましたが、と同時に、やはり各避難所におかれて不安な生活を強いられている方々に対してきめ細かく対応していきたい、この ように思っております。
 慢性疾患の方々にとっては、お薬が切れたら慢性疾患が重篤になるという危険性と直面をされるんだろうと思いますし、精神的に、私も慢性疾患を持っており ますから、常に毎日飲んでいなければいけない、それが切れたらどうしようという不安な気持ちに、あした一日分だけにならなくても不安になるということだろ うと思います。そうした対応もしっかりとやっていきたい、このように考えております。
○畠山委員 不安が尽きないわけですよね。余震も続いているし、今、交通路についてもさまざまな問題を抱えています。現場では、不眠不休の医療、看護体制で被災者を支えている状況もあります。全国的な支援も呼びかけて、万全の対策を講じるよう求めます。
 そこで、厚生労働大臣に二、三確認したいことがあります。
 被災者の中には、住宅が全壊、崩壊したですとか、避難所に避難し続けて保険証が手元にないという方も少なからずいます。保険証がなくても受診できるようにしているはずですが、被災者や関係自治体へ、テレビを通じてわかりやすく説明してください。
○塩崎国務大臣 今御指摘のように、保険証がなくてもこういった事態の際には医療機関に診ていただいて、通常どおりの、保険証を使っての医 療と同じようにできるということ、既に通知を私どもは出しているわけでありますが、それが現場にしっかりと伝わること、つまり、医療機関にももちろん伝わ り、一方で、一番大事なことは、やはり避難をされている方々がそれを理解していただくことだというふうに思っております。
 既に新聞、テレビ等でも繰り返し報道していただいておりますけれども、これに加えて、私どもとしても、医療機関に毎日二回、集中的に、約六十ぐらいの病 院には、今回の被災を受けたところには電話をしております。既にもう、それを周知徹底するようにということを申し上げている。
 とともに、これはやはり河野大臣と連携をして、それぞれ避難所におられる十万人を超える方々に伝わるように、避難所でそれが掲示をされるなりなんなりの 形で周知徹底が行われるということが大変大事なことだというふうに思っておりますので、しっかりと河野大臣と連携をしてこれを周知徹底して、保険証がなく ても通常どおり医療を受けられるということを徹底してまいりたいというふうに考えております。
○畠山委員 今、大臣から二つのことが答弁あったんですけれども、一つ一つ確認したいんですね。
 まず、通知の問題です。
 大事なことは、こういう際に通知を出すに当たって、関係自治体が判断に迷わないで、ちゅうちょなく判断できるようにすることが大事だと思います。
 政府の側からすれば、集団的に検討もしてあれこれと通知を出すんだけれども、受ける自治体の側では、ただでさえ少ない職員で、混乱の中で判断しなければいけないという状況があります。わかりやすく端的にということを通知においても原則にするべきだと思います。
 平たく言えば、財政なども心配しないで、国が後で対応するから救命救援を最優先にやってください、そういうようなことが通知でもきちんとわかっていけば、現場でも心置きなく対応できるのではないのでしょうか。
 そこで、東日本大震災のときの通知や事務連絡を見ると、例えば東日本大震災のときは三月十一日に事務連絡が出ていまして、「氏名、生年月日、被用者保険 の被保険者にあっては事業所名、国民健康保険及び後期高齢者医療制度の被保険者にあっては住所を申し立てることにより、受診できる取扱いとする」というの を出されているんですね。その後にもQアンドAを政府が出して、対象地域は限定されているかなどの問いに、特段その対象地域は限定していないなどの回答を 出しているわけです。
 しかし、今回は、先ほど大臣が出されたという通知が、平成二十五年、二〇一三年五月二十三日での事務通知を再周知しますとして、その中身を読むと、「被 保険者証等を紛失した場合等の取扱いについても、申請に応じ速やかに再交付を行うなど、適切に対応されたい」というふうに書いている調子なんですよ。申請 主義でもあるし、中身は、先ほど東日本大震災のときのものを読み上げましたが、詳しくもなっていない。
 先ほど塩崎大臣が答弁されたように、わかりやすい通知を出してもらえませんか。
○塩崎国務大臣 今お話がございましたようなものは、日付だけ、かつてのものを引用するという、そのやり方のものは再交付の場合のことを指 しておりまして、今回は四月の十五日付で各都道府県に、ですから、熊本を中心として出しているものについては、先ほどお読み上げをいただいたような形のも のがそのまま行っております。
 つまり、被用者保険の被保険者にあっては事業所名、国民健康保険、後期高齢者医療制度の云々という、お読み上げをいただきましたが、それを言っていただ いておりますので、いずれにしても、こういったことを言っていただければ、申し立てることによって受診できるという取り扱いだというふうになっておりま す。
 そこは、改めて、県やそういった行政だけがわかることではなくて、一番大事なのは、患者の皆さん方、国民の皆様方、被災者の皆様方が理解をしていただい た上で医療機関に行っていただくということが大事で、保険証がないから行けないというふうに思われないで、どうぞ行っていただきたいということを私どもと して周知徹底をしていかなければならないというふうに考えております。
○畠山委員 もちろん、被災者本人が理解していただくということは大事なんですけれども、役所に聞いたりするわけですよ。そこで役所が、正 確に理解できて、ぱっと言えるという状況においては通知の意味は大事なわけであって、先ほど答弁ありましたが、保険証等がなくてもきちんと受けられるとい うことを改めて周知していただきたいと思うんですね。
 それで、もう一つ、実際の被災者にわかりやすく明確に届かないといけないというふうに思います。
 先ほど大臣が述べられたように、避難所へ掲示をするだとか、あるいは、人通りが多いところで目につく場所に張っておくだとか、あるいは、避難所に来られ ない方がいますので、広報車で言って回るだとか、例えばですよ、そうやって端的に知らせる活動もやる必要があると思います。避難所などで、先ほど、午前中 にも、電源車の配置の話がありましたよね。テレビが足りなかったり、情報が足りないので、そういうテレビやラジオで広報テロップみたいな形で暮らしの情報 を流すとか、いろいろやりようはあるわけですよ。
 こういう手だてを、知恵を絞って、政府みずからが、被災者が本当に医療で困らないように、今やるべき瞬間だと思うんです。
 こういうような被災者への周知について、今、私はさまざまな提案もしましたけれども、さらに具体的に検討して、早くやっていただけませんか。
○塩崎国務大臣 結論的に申し上げれば、やれることは何でもやっていかないといけないと思っております。
 今、お話が少し出ましたけれども、災害支援のナースのチームが、特に被害がひどかった益城町の八カ所で現地に常駐をしています。それから、今、都道府県 から保健師のチームの皆さん方が入ってきて、被災地を回っていただいていますので、そういう形で、避難所にそういうことでまた徹底していただくというよう なことを含め、そしてまた、誰でも見られるようなテレビ等々のことについても、河野大臣とよく相談をして、一日も早く、一刻も早くこの情報が伝わるように してまいりたいというふうに思います。
○畠山委員 情報を出すことは当然大事なことです。繰り返しありましたように、問題は、一人一人に届くかどうかであります。
 どんどん必要な情報を出すべきだと思いますし、被災者が困っていることに対して、迅速にそれを掌握して、それを伝え切るということを改めて求めたいというふうに思います。
 救命救援活動にはあらゆる手だてが必要ですが、同時に、余震が今続発している状況で、先日、雨も降ったために地盤が緩んで、二次災害のおそれにも注意をしなければなりません。それは、民間の方の支援だけではなく、政府自身の対応においても必要なことだと思います。
 まず、政府において、二次災害の危険性を現状はどのように認識しているでしょうか。
○河野国務大臣 大変強い地震が繰り返し起きておりますし、雨も降っておりますので、二次災害の危険性は極めて高いと思っております。
 今、気象庁におきましては、震度五以上の地震が起きた熊本県内の場所では、大雨警報の発出基準を通常の七割あるいは八割の基準に下げて、早目早目に警報を出していくということになっております。
 また、自治体におかれては、空振りを恐れず、必要だと思えば、避難勧告、避難指示を前広に出していただきたいというお願いをしております。
 また、国土交通省が現地に専門の調査チームを派遣して、土砂災害の起きそうなところを点検し、情報を発出していただいております。
 自衛隊、警察、消防においては、救命救急、救命救助の活動をする際に、合同調整所において土砂災害の危険性の高いところの情報をきちんと共有しながら作業を進めていただいております。
○畠山委員 作業を進める上で二次災害は注意しなければならないんですが、そこで確認したいことがあります。
 支援物資輸送のために、昨日、十七日の朝八時半ぐらいでしょうかの時点で総理が会見したときに、米軍による支援の申し出がございますが、現在のところ、今直ちに米軍の支援が必要であるという状況ではないと述べています。
 その後、昼の記者会見、十一時過ぎだったと思いますが、そのときには、米軍の支援につきましては、米国からの申し出を受けて、並行して調査を行ってきたとして、航空機による輸送支援が実施可能との連絡を受けて、実施したい旨を総理は述べています。
 この米軍の支援を受けるという点で、まず、朝と昼の時点で言っていることが変わったんですけれども、これは何が変わったためなのでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 昨日も申し上げたところでありますが、今般の地震へのこれまでの初動対応については、自衛隊、警察、消防などにより全力で対応してきたところでありまして、米軍からの支援についても同時に、米側からの申し出を受け、並行して調整を行ってきたわけであります。
 ですから、午前中のお答えにつきましては、一番最初の発災以降、その直前までの間についての初動の段階においては、我々のいわば今申し上げました自衛隊 や警察や消防や、あるいは医療部隊等において対応しておりますということを申し上げたわけでありまして、今すぐに直ちに米軍に要請をしなければいけないと いう状況ではないということは申し上げておきました。
 しかし、当然こうした輸送等の能力は高ければ高いほどいいわけでございまして、米軍からの申し出があり、実際のニーズと合うかどうかということも含めて 調整を行ってきたところでございますが、昨日、防衛大臣より、米国から航空機による輸送支援が実施可能であるとの連絡があったとの報告を受けまして、これ は大変ありがたい申し出であり、速やかに具体的な輸送ニーズを調整し、整い次第、実施に移すよう指示をしたところでございます。
○畠山委員 我が党は救命救援に必要な対策はとるべきだと考えるものですが、懸念されるのは、この物資の輸送にオスプレイを活用すると昨夜中谷防衛大臣が発言した点にあります。
 というのも、昨年五月二十二日の外務委員会で、我が党の穀田恵二議員が、大規模災害が発生した場合の災害救援活動におけるオスプレイの活用について、一 昨年十月に和歌山県でオスプレイ二機が参加した防災訓練の際、串本町の望楼の芝では、オスプレイの離陸後、排気熱で芝が焼けて、消防団が消火活動に追われ たことを質問しています。
 政府も、その事実を聞いていると答弁をして、防衛省からも、下降気流が出ますので、その直下では非常に強い風が起こるということもありまして、そうした 点においては救助の難しさがあったと答弁し、ネパール大地震の救援でオスプレイが民家の屋根を吹き飛ばしたことを承知しているとも答弁しています。
 オスプレイが救援活動において有効に働くものなのかどうか、二次災害の危険性はないのか懸念をするわけです。政府としてどう考えていますか。
○安倍内閣総理大臣 ヘリコプターにしろ、オスプレイにしても、下降気流が出るのは事実でございまして、その直下では非常に強い風が起こる ということもありまして、そうした特性を把握して使用していくことは当然でありますが、この一点をもってオスプレイが災害救助に向かないとは考えていない わけであります。
 この米軍の輸送機、オスプレイについては、ヘリコプターのような垂直に離着陸できる機能、通常の航空機の長所である速い速度や長い航続距離という両者の 利点を持ち合わせた航空機であり、従来米軍が使用していたヘリコプターに比べると、最大速度は約二倍であり、搭載量は約三倍になるわけでありまして、行動 半径は約四倍であり、高い能力を生かした支援を期待できると考えています。
 なお、政府としては、オスプレイが災害救助にも有用であることについては、これまで累次にわたり国会でも説明しているところであります。
 また、防衛省が作成したパンフレット、これは民主党政権時代につくったパンフレットでございますが、このパンフレットにおきましても、オスプレイの災害救助における役割について説明をしているところであります。
 オスプレイによる輸送協力については、具体的にこれからさらに検討していきたいと考えております。
○畠山委員 いろいろと説明がありましたけれども、先ほど、防災訓練の際に起きた事実ということも政府は認識をしているわけですよね。重要なことは、被災者、被災地の支援を最優先に、これ以上被害を拡大しないことであることを強調しておきたいと思います。
 農業被害についても一言伺います。
 熊本県は生乳生産量で全国三位の県です。しかし、地震による牛舎、畜舎の倒壊で、牛が死んだり、負傷して廃用せざるを得ない牛もあると聞きます。また、 強いストレスや飲み水の不足で、生き残った牛も乳が十分に出ない状況もあります。無事だった農家でも、県酪連の牛乳工場の被災や、交通網が遮断されて生乳 を出荷できない地域もあると聞いています。
 水を使えないということが酪農家においては非常に大変なことでして、大臣御存じだと思いますが、搾乳においても、パイプですとか機械を洗浄することができなくて、自家発電機で搾乳した後に廃棄しているということも伺いました。
 そこで伺います。急いで現状を把握して、緊急対策はもちろんですけれども、その後の経営再開資金などの具体化も急いで検討して、農家を支え、励ますことを今政府が発することが大事だと思いますが、いかがですか。
○森山国務大臣 お答えいたします。
 農林水産省といたしましては、被害の状況の正確な把握を行った上で、早期の復旧と被災農家の経営再開に向けて必要な対応を関係省庁と連携して進めてまいりたいと考えております。
○畠山委員 森山大臣、もう少しやはり政府としての決意を示していただきたいんですよ。
 というのは、BSEとか口蹄疫が発生したときも、その後の再建には随分長い時間がかかりましたよね。当たり前の話だけれども、牛は一頭ずつしか出産でき ませんで、急速にふやすことなどできません。この間、口蹄疫や震災の影響などもあって子牛価格が高騰してきているというようなことが、また同じように起き かねないわけじゃないですか。
 これまでの教訓を生かして迅速な対応を求めたいと思いますが、大臣、もう一言きっちりと、政府としての支援を検討する旨答弁してください。
○森山国務大臣 被災農家の皆さんの不安に寄り添って、しっかりとした対応をさせていただき、準備を始めたいと考えております。
○畠山委員 準備をするということはよくわかりました。先ほどから述べているように、さまざまな苦労を農家も持って、今、前向きに営農しようという思いでいるわけですよ。きっちり受けとめて、対策をとることを強く求めます。
 冒頭に述べましたが、今、政府を挙げて震災対応に当たるときです。TPP特別委員会の場で片手間のように審議する問題ではないことを重ねて指摘し、残りの時間で、TPPについては、国会決議との整合性について、幾つかのことだけお聞きしたいというふうに思います。
 国会決議の第一項目は、守るべき対象として米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物を重要五品目として、引き続き再生産可能となるよう除外または再協議の対象とすることと定めています。
 まず、農水大臣に確認します。
 この重要五品目は、守るべき対象として、除外または再協議扱いとなったのでしたでしょうか。
○森山国務大臣 お答え申し上げます。
 TPP協定では、関税に係る約束について、除外、再協議という区分は用いられておりません。
 ただし、国会決議を後ろ盾にして交渉した結果、協定上認められている別段の定めとして、約二割の農林水産品について関税撤廃の例外措置を確保しているところであります。
 なお、これら例外措置については、相互に約束をした五カ国との間で七年後に再協議することが定められております。
 以上であります。
○畠山委員 今、重大な答弁だと思いますよ。
 お手元の資料をまずごらんください。
 一枚目に、政府はこれまでの貿易協定で重要品目は除外または再協議としてきて、この資料にあるように、米はいずれの場合も除外、麦や牛肉、豚肉も除外や 再協議として、協議の対象とはしてこなかったはずです。それを踏まえて、国会決議では除外または再協議の対象とするとしたのではなかったのでしょうか。
 それなのに、今大臣が答弁されたように、TPPには除外や再協議の区分がない、前に定義がないという答弁もどこかでしたことがあったかと思いますが、いずれにしても、そのようなことは当初からTPPにはないということではありませんか。これをお聞きしたい。
 それでは、除外や再協議が初めからないとわかって交渉に参加したんですか、それとも途中からわかったのか、どちらでしょう。
○石原国務大臣 ぜひこのTPP協定のそもそもを御理解いただきたいんですが、原則撤廃、ゼロなんですね。そんな中で、例外として、私ども は、今委員が御指摘になりました重要五品目を中心に、農産品についておよそ二割の例外をかち取ることができた。他の国々は、大変この部分はパーセンテージ が小さいわけでございます。例外としてとったというふうに御理解をいただきたいと思います。
○畠山委員 石原大臣、それはごまかしですよ。例外と除外は明確に違うわけです。
 もう一回聞きます。除外や再協議という区分がないという答弁がありましたが、それがわかったのは、では、いつの時点ですか。
○石原国務大臣 本当に恐縮なのでございますが、交渉の経過についてはお話しをできないということでお許しをいただきたいと思います。
○畠山委員 いや、それはちょっとだめですよ。
 だって、これは時間系列、たしか総理が交渉参加入りをして、後に決議を上げて、そして、この決議を後ろ盾にして交渉してきたという答弁を何度もしてきた じゃないですか。しかし、実際は除外や再協議というものは区分がありませんということであるならば、何を後ろ盾にして審議してきたんですか。ここは大事な ところですよ。
 もう一回聞きます。除外または再協議という区分がない、定義がないとわかったのはいつですか。
○石原国務大臣 御満足いただける回答にならないかと思うんですけれども、結果を申させていただきますと、全ては交渉議決時に決まった、そして、決まったことが全てであるというふうに御理解をいただきたいと思います。
 そして、日米の共同声明が二月二十二日にあるのでございますけれども、日本が環太平洋パートナーシップ交渉に参加する場合には、全ての物品が交渉の対象 とされること、このように、全ての物品が、委員が御指摘のような除外ですか、ということに関係なく、最初はテーブルに上がっているというふうに御理解をい ただきたいと思います。
○畠山委員 今の答弁、よくわかりません。
 もう一度聞きます。同じことで聞きますので、きちんと答弁してください。
 例外と除外は、まず違います。そして、除外または再協議ということは、政府は、これまでのEPAなどで、きちんと明確に区分してやってきました。国会決 議でも、それに基づいて決議が上がり、政府は、後ろ盾にして交渉してきたと正式に何度も答弁してきました。しかし、先ほどは、除外または再協議の区分はな いという答弁がありました。
 後ろ盾であると言いながら、実際はそういう結果になった。では一体、どこで区分がないことを政府は認識したんですか。もう一度聞きます。
○石原国務大臣 先ほど御答弁をさせていただきましたけれども、日米の共同声明、二〇一三年の二月二十二日でございますが、この中で、日本が環太平洋パートナーシップ交渉に参加する場合には、全ての物品が交渉の対象とされること、これは確認をさせていただいております。
 そして、今、TPP協定に除外という区分はないんじゃないかという御質問だというふうに聞かせていただいたわけでございますけれども、平成二十五年二月 の日米首脳による共同声明で、今お話をさせていただいた、全ての物品が交渉の対象とされる、TPP交渉参加に際し、一方的に全ての関税を撤廃することをあ らかじめ約束することを求められるものではない、これはすなわち聖域なき関税の撤廃。その上で、全ての物品を交渉のテーブルにのせ、交渉が行われた。政府 としては、国会決議を踏まえてぎりぎりの交渉を行ってきた結果が、除外ではなくて例外というふうに御理解をいただきたいと思います。
 一方では、別段の定めにより、関税撤廃の例外を設ける措置を協定上認められた。これによりまして、日本の農産物の五品目は守られたというふうに私どもは理解をさせていただいております。
○畠山委員 今、二月二十二日の日米の交渉の話をしましたけれども、このとき決議は上がっていませんよ。おかしいですよ。(石原国務大臣「いやいや、時系列に言っている」と呼ぶ)時系列で言ったら違うじゃありませんか。
 もう一回聞きますよ。除外または再協議、区分がないとわかったのはいつですか。もう一度聞きます。
○石原国務大臣 これは、先ほどもお話をさせていただいていますように、交渉がまとまったときに決まったわけでございます。
 そして、先ほど来時系列のお話をされておりますけれども、私が申しておりますのは、二十五年二月の日米首脳会談がそもそものスタートで、そのときには、全ての物品が交渉の対象ということでありますので、重要五品目も入ってしまう。
 岸田大臣が平成二十六年五月二十八日の衆議院の予算委員会で答弁をされておりますけれども、除外、再協議、こうした定義について確立したものはない、これはそれぞれの交渉の中で決まっていくもの、このように政府は考えております。
○畠山委員 委員長、ちょっと今、答弁、きちんと私が質問したことに答えていないですよ。
 きちんと整理して、もう一度答弁するように、委員長からも求めてください。
○西川委員長 石原大臣に申し上げます。
 質疑者畠山和也君が、答えが、私が求めていない、こういう発言がありましたので、十分対応していただくようにお願いを申し上げます。
○石原国務大臣 御満足をいただける回答ではないという前提をつけさせていただいております。
 全ての交渉は、決着時に決まったわけでございます。ですから、例外ということも、全てそのときに決まったと御理解をいただきたいと思います。
 そして、先ほど来、岸田外務大臣の平成二十六年五月二十八日衆議院予算委員会の答弁を私どもは政府の答弁の基本にさせていただいておりますが、除外、再 協議、こうした定義について確立したものは承知していない、それぞれの交渉の中で決まっていく、これが今回の交渉結果であると御理解をいただきたいと思い ます。
○畠山委員 私は、除外または再協議という区分がないのはいつわかったのかと聞いたわけです。そういうものを承知していないのは五月の時点で言ったということならば、それは初めから国会決議を守る気などなかったんじゃないですか。
 この問題、また改めて別の機会に問いただしますよ。
 時間もないから進みますが、国会決議のその後、一には、続けて「十年を超える期間をかけた段階的な関税撤廃も含め認めないこと。」と書かれています。
 これは事務方で結構です。十年を超える期間をかけた段階的な関税撤廃の品目はありましたよね。何でしょうか。
○大澤政府参考人 お答えいたします。
 TPPの合意につきましては、農産物でいきますと、五品目の一部、例えばホエー、林産物の一部、合板、それから水産物の一部、アジ、サバなどにつきまして、十年を超える関税撤廃期間というふうになってございます。
 長期の関税撤廃を確保することにより、体質強化等を行うに必要な期間が確保できたと考えております。
○畠山委員 聞いていないことは答えないでください。
 除外や再協議の区分もない、十年を超える期間をかけた段階的な関税撤廃も、乳製品のホエーが挙げられましたが、幾つもあるじゃありませんか。ソーセージなどの加工品も約三割は関税撤廃ですよ。明らかに決議に反していますよ。
 そこで、総理、総理は、国会決議の趣旨に沿うものと評価していただけると言ってきました。今、この間ずっと議論する中で、国民からの疑問に対しても明確 に答えられない状況が続き、実際の品目を見ても、十年を超える段階的な関税撤廃がされていく品目もあります。これでどうして決議の趣旨に沿うものと評価で きると総理は言えるのですか。
○安倍内閣総理大臣 TPP交渉では、他の交渉参加国から関税を撤廃すべしとの強硬な主張が延々と繰り返される中、全ての物品を交渉のテー ブルにのせた上で、国会決議を背景に粘り強く交渉を行い、重要品目について関税撤廃の例外をしっかり確保するとともに、国家貿易制度の堅持やセーフガード の有効な措置を獲得したのは事実であります。
 そもそも、全ての物品についてテーブルの上にはのせなければならない。そこから、それを下へおろしてくる努力をし、そして事実、我々はそれをなし遂げているわけでございます。
 それでもなお残る農業者の方々の不安を受けとめまして、昨年十一月に総合的なTPP関連政策大綱を決定し、昨年度の補正予算を通じて緊急対策を講じたわ けであります。重要品目が確実に再生産可能となるよう、交渉で獲得した措置とあわせて、引き続き万全の措置を講じていく考えであります。
 例えば、米については、国家貿易制度を維持し、国家貿易以外での輸入に課される高い枠外税率を維持し、そして、合計で七・八四万トンという日本の米の生 産量の一%程度の量の国別枠の設置にとどめたわけであります。さらに、この国別枠の輸入量に相当する国産米を政府が備蓄米として買い入れることとし、輸入 量の増加が国産主食用米の生産や価格に与える影響を遮断することといたしました。同じ量を政府米として購入することによって、これは遮断をいたします。ど うかその点は政府を信用していただきたい、このように思います。
 そして、交渉結果が国会決議にかなったものかどうかは、これはまさに国会がお決めになることではありますが、政府としては、国会決議にかなうものである、このように確信をいたしております。
○畠山委員 政府を信用してくださいと述べられました。
 資料の二枚目をごらんください。パネルにもしてあります。
 しかし、とりわけ農家、農業者は信用していないんじゃないんですか。ごらんください、日本農業新聞、三月三十一日付では、約千人の農業者を中心としたモ ニター調査を行いました。TPPの合意内容と国内対策を踏まえて、不安が払拭されたかを聞いたものです。全然払拭されていないと答えた方が実に七一・ 二%、少し払拭されたが、まだ不安という方が一九・九%、合わせたら九〇%を超える圧倒的な方が政府のこの間の答弁を全く信用していないんじゃないか。不 安は払拭されていないと答えていますよ。総理が国会決議の趣旨に沿うものだといいながら、現場ではこのような状況にあることを率直に認めるべきです。
 総理からは、国内対策云々かんぬんということは今ありましたけれども、セーフガードとか米の問題は、この後徹底的に審議させていただきます。
 一月の予算委員会で、私はこの場から総理に対して、国内対策をすれば決議を守れたかのように言うのは、対策がなければ決議を守れていないということの告白じゃないかと言いました。
 最後に問います。
 先ほどからあったように、除外または再協議についても区分、定義はなかった、そして十年を超えた段階的な関税撤廃だってあるじゃないか、そしてこのよう に多くの方が不安を抱えている、対策がなければ決議は守れていない告白じゃないか。総理、こういう、農家、農業者が不安が払拭されていないことに対してど う答えますか。
○安倍内閣総理大臣 先ほど、委員の御質問と石原大臣との議論を聞かせていただいたわけでありますが、委員は何か、交渉の中においてあらか じめ除外とか再協議というものがどこかで約束された、それは動かせないものだということについて、ではいつなんだという質問をしておられたんだと思います が、しかし、それは、石原大臣が答えたように、まさに交渉の中で最終的に決着をするものでありまして、最後の最後まで私たちは交渉し、そして例外をかち 取ったんですよ。ほかの国々は、ほぼ一〇〇%、完全になくなったんですね。我々は、約二割、例外をかち取っています。そして、セーフガードもかち取ってい るんです。
 交渉というのはそういうものでありまして、交渉を続けていって、最後の最後まで、国会決議を背に、強い交渉力を持って私たちは例外措置をかち取ったんだということは御承知をいただきたい。
 さらに、再生産が可能となるように、そして、農業が競争力を持って、しっかりと若い皆さんが頑張って将来に夢を持てるように、我々は対策を行っているところでございます。
○畠山委員 先ほどから私が事実で述べているように、国会決議に反していることは明確だと思いますよ。
 先日、北海道当別町に私は行ってきました。泥炭地を大規模に土地改良して有数の米産地となり、それを町民の誇りとしている町の歴史がある中で、ミニマム アクセス米などで輸入が続き、安い米が市場に流れて、米をつくっている多くの農家が苦しんでいる、この価格が続けばもう米はつくれないという悲鳴の声が上 がってきました。
 国会決議を守っているのか、こういう農家の声をきちんと政府は受けとめるべきだと思いますし、私たちは、今回の審議でもさらに厳しく問題点を指摘して、批准など認められないことを最後に述べまして、質問を終わります。