○畠山委員 日本共産党の畠山和也です。
 昨日、TPP承認案と関連法案が閣議決定をされました。本委員会は、TPPに対して決議を上げた委員会です。この決議を守れたかどうかの論証は本委員会で行うべきと思い、きょうはその点を、短時間ですが、質問を行います。
 高鳥副大臣にきょうはお越しいただいております。TPP本体では、TPP委員会のもとで、協定発効の日から三年以内に締約国間の経済上の関係を見直すこ とや、改正または修正の提案を検討することが明記されています。第二章の物品市場アクセスでは、小委員会のもとで、協定発効後最初の五年間、少なくとも年 一回会合するとされています。発効後直ちに見直しが始まるということだと理解します。
 一方、米に関する関税割り当ての運用に関する米国との交換公文がありますね。これによれば、米国からの米輸入は、三年度中二年度で数量が消化されなかった場合に、SBS方式における最低マークアップを一時的に一五%引き下げることで合意をしています。
 このような二国間の合意内容、いわゆるサイドレターですが、これはTPP本体の方にある見直し協議の対象となるのかどうか。確認ですので、副大臣にお伺いします。
○高鳥副大臣 畠山委員にお答えをいたします。
 交換公文でございますが、TPP協定とは別個の国際約束であるために、TPP協定の規定の対象とはならず、再協議の対象とはなりません。
○畠山委員 別物であることを確認します。
 TPP本体は、先ほど確認したように、発効後直ちに見直す規定があり、それに対して政府は、この間、日本の国益を害するものについては合意しないと答弁をしてきました。先ほども森山大臣から紹介がありました。
 では、仮に交換公文でもその内容を見直すとなった場合、同様なのでしょうか。副大臣、お答えください。通告していますよ。
○高鳥副大臣 お答えいたします。
 我が国といたしましては、交換公文の再交渉に応じる考えはございません。
○畠山委員 では、さらに具体的にお聞きします。
 今度は、本体の方の附属書二―Dの日本国の関税率表、一般的注釈9の(a)についてですが、次のように書いてあります。オーストラリア、カナダ、チリ、 ニュージーランドまたはアメリカ合衆国の要請に基づき、途中略しますが、関税、関税割り当て及びセーフガードなどの検討をするために、締約国について効力 を生ずる日の後七年を経過する日以後に協議する。この間随分議論された、七年後の再協議の規定です。
 これは事務方で結構ですが、この同じ項目で、日本文は今のように書いてあるんですが、では、オーストラリアは日本以外のほかの国と協議することになっていますか。
○澁谷政府参考人 豪州の関税率表では、協議の相手国となっているのは日本のみでございます。
○畠山委員 同じように、ここの日本の文書に書かれている、ほかのカナダ、チリ、ニュージーランド、アメリカについても同様に、日本以外のほかの国と協議することは書かれていますか。
○澁谷政府参考人 御指摘の四カ国につきましても、豪州と同様、協議の相手国となっているのは日本のみでございます。
○畠山委員 つまり、この項目というのは、七年後の再協議という期間の問題だけでなく、日本を含めて六カ国の名前が出てくるわけですが、マルチの再協議ではないんですよ。日本と五カ国それぞれの個別協議というのがこの項目です。
 農産物関税撤廃率が日本に次いで低いのはカナダ、九四・一%ですが、そこも含めて、日本のような複数国と見直しの要請を約束している国というのはほかに ないんですね。何で日本だけこんな個別協議をすることになったんですか。どんな交渉をした結果か。これは高鳥副大臣、答弁してください。
○高鳥副大臣 お答えいたします。
 相手国との関係もございまして、交渉経緯の詳細については申し上げられませんけれども、全体の分野を通じたバランスに配慮したぎりぎりの交渉の結果、相 互主義のもとで、相手国からの要請に基づき協議を行うとの規定を、当該内容に合意した国との間で相互に設けることにしたということでございます。
○畠山委員 いや、相互主義になっていないんですよ。先ほど言ったように、これはマルチの問題ではなくてバイの交渉になっていて、当時の報 道にもありましたけれども、米豪とか米・ニュージーランドとか、さまざまな問題があったかと思うんですが、それでも結局、七年後の再協議のこの規定は日本 とそれぞれの国だけの規定になっているんです。おかしいじゃありませんか。
 こんなことだから、国益を害するものについては合意しないと政府が答弁をされても、農家の不安が消えないわけです。議論だって、こうやって秘密だとなったら進んでいかない。
 五カ国いずれも農産品輸出大国です。政府は関税撤廃等で例外を確保したと盛んに言いますが、関税が残った四百四十三ラインというのは全て農林水産物です ね。確保した部分が相手からすれば交渉のターゲットに文字どおりならざるを得ません。日本へさらなる関税削減や撤廃を迫る以外にあり得ません。
 そこで、最後、森山大臣に伺います。
 日本の農林水産業に責任を負う大臣として、本委員会での決議についての情報公開にかかわって認識を伺います。
 このように決議には書かれています。「交渉により収集した情報については、国会に速やかに報告するとともに、国民への十分な情報提供を行い、幅広い国民的議論を行うよう措置すること。」これが本委員会の決議です。
 交渉の経過が答えられないという答弁が先ほどありました。決議に反していると私は思いますが、大臣は今この間のやりとりを聞いて、決議に反していないかどうか、認識をお答えください。
○森山国務大臣 TPPに関する説明につきましては、交渉中も秘密保持の制約がある中で国会等における丁寧な説明を心がけてきたところでありますが、大筋合意後は、その直後から、関税交渉の結果や協定本体及び附属書、さらには交換文書の概要資料などを公表してまいりました。
 御指摘の交換文書につきましては、大筋合意した直後の昨年十月六日に内閣官房が案件一覧を公表いたしましたし、また十月八日には農林水産省が農林水産分 野の内容を公表しました。また十一月五日には内閣官房がより詳細な内容を公表させていただき、ことしの二月の四日に内閣官房が全文を公表しているところで あります。
 また、公表した資料に基づき、現在まで四十六回にわたりまして、大筋合意の内容についても説明会を各地で開催させていただきまして、国民の皆さんへの丁寧な説明に努めてきたところであります。
 今後とも、現場からの要請を踏まえつつ、全国各地においてきめ細かく丁寧な説明を行っていく考え方であり、国会決議に沿ってしっかりと対応してまいりたいと考えております。
○畠山委員 時間ですのでもう終わりますけれども、私は情報は明確に公開されていないというふうに思います。批准を求める審議の大前提がこの交渉経過も含めた情報公開であるからこそ、このような委員会の決議が上がったのではなかったでしょうか。
 改めてその点を強く指摘して、私の質問を終わります。