○畠山委員 日本共産党の畠山和也です。
 森山大臣とは、連日TPP特別委員会で顔を合わせていまして、毎日厳しい質問をお答えになって、森山大臣もお疲れかなと思っていたんですが、お元気そうなので、きょうも安心して厳しく質問をさせていただきたいと思っています。
 きょうは朝から質問がありましたが、規制改革会議のワーキンググループが提言した指定生乳生産者団体制度の廃止問題について、まず初めに質問をさせていただきます。
 森山農水大臣が、今月八日の閣議後の会見で、指定団体制度の大きな機能を大体三つぐらいにまとめてお話をされているんですけれども、まず、その三つの大きな機能について確認したいと思います。
○森山国務大臣 畠山委員にお答えを申し上げます。
 指定団体制度が果たしている大きく三つの機能があると思いますけれども、一つは、地域の酪農家を代表して乳業メーカーとの対等な価格交渉ができるという ことが一つあると思います。また、効率的な集送乳を行うことによってコスト削減ができるということが一つあると思います。もう一つは、飲用牛乳向けと乳製 品向けの調整をすること等により、消費者の皆さんへ牛乳・乳製品の安定的な供給を図るといったところ、この三つが機能としては非常に重要であると申し上げ たところであります。
○畠山委員 一つに乳価交渉の面、二つに集送乳の面、そして三つ目に需給調整ということで確認をさせていただきます。
 このような機能があるということについては、もちろん私も異論がありません。家族経営の多い日本の酪農経営ですから、価格交渉力を強めて、メーカーと交 渉できるようにしなければなりませんし、きょうも朝から北海道の議員が話されているように、遠隔地から早く引き受けていく、品質保持も図り、需給調整もす るということにおいては、団体が果たしている非常に重要な機能だというふうに私も思います。
 そこで、規制改革会議のワーキンググループによる廃止の理由を見ると、バター不足云々というのはあるんですが、先ほどの大臣が閣議後会見をされた同じ今 月八日に、規制改革会議の岡議長が会見を行って、五十年間続く制度のもとで酪農家と乳牛が減少したことが見直しの理由だということも述べました。したがっ て、生産者に多様な選択肢を用意するとか、中小メーカーが価格交渉に参加できるようにするなどとしているわけです。
 そこで、内閣府に今度は伺います。
 仮に、選択肢をふやしたり、価格交渉に参加する機会をつくったにしても、でも、それは今ある指定団体制度を廃止するという理由にはならないんじゃないんでしょうか。今ある酪農家の、岡議長が言うような苦労というのは指定団体制度のせいだという認識なんでしょうか。
○刀禰政府参考人 お答えいたします。
 近年、年率四から五%で酪農家の数が減少し、生乳の生産量も約二十年間にわたり低下傾向となっているなど、我が国酪農業は非常に厳しい状況にあると認識をしております。
 このような状況を踏まえ、規制改革会議におきましては、酪農家の所得向上を図るとの観点から、消費者ニーズにきめ細かく的確に対応できるよう、より柔軟 な生産、流通システムとし、また、意欲ある酪農家が、量的な制約なく、みずからの経営判断で投資を実行できるようにしていくことが重要であるとの認識に 至ったところでございます。
 このような認識のもとで、規制改革会議におきましては、今月八日に、委員からも御指摘がございました意見を取りまとめたわけでございますけれども、全て の生産者が生産数量、販売ルートをみずからの経営判断で選択できるよう、補給金交付を含めた制度面の制約、ハンディキャップをなくすとともに、イコール フッティングの確保を前提とした競争条件を整備するため、現行の指定生乳生産者団体制度については廃止をすることなどを提言したところでございます。
 内閣府といたしましては、この意見を踏まえまして、今後の規制改革会議の答申や規制改革実施計画の閣議決定に向けまして、農水省を含めた関係府省との調整を図ってまいりたいと考えているところでございます。
○畠山委員 やはり、何度聞いてもそれはわかりませんね。
 選択肢が広がればいいとか、だからといって、廃止する理由が今論理的に何もつながっていないんですよ。
 問題の本質は、酪農家の生産基盤が安定しているかどうかではないかと思います。
 酪農家の減少の要因は、私たちからすれば、乳製品の輸入拡大とか、生産者価格の抑制とか、飼料価格の上昇とか、規模拡大によって負債も多くなっているなどがあるというふうに思っています。
 この点については農水省としての反論もあるかもしれませんが、しかし、問題の本質は団体制度の廃止ではないことを現場の酪農家は肌でわかっているはずです。全く机上の空論だということを言っておきたい。
 酪農家の合意もなく、根本的な問題にメスも入れないで、重要な役割を果たしている指定団体制度を廃止するということは乱暴だ。
 そこで、農水省にも改めて伺います。
 これは、国や指定団体としても、より積極的な役割が求められている状況下にあるという私は認識があるんです。
 ほかの国を見てみますと、例えば、アメリカなんかは地域別のメーカーの最低支払い義務の飲用乳価を毎月公定しているといいます。また、カナダでは同じく国の乳製品管理制度があって、これはTPPのときにも交渉では主張されたというのも報じられて、見ています。
 そこで、農水省としても、中小乳業メーカーや小売との協力促進とか、加工原料乳補給金制度の充実、これは一貫して我が党も主張してきましたけれども、ま た、多様な経営体も生まれている現実を踏まえて、指定団体制度としての自主的な改革ですとか、そういうことなどは必要性があるのかないのか、ここは農水省 としての考えを伺っておきます。
○森山国務大臣 お答え申し上げます。
 指定団体におきまして、酪農家の所得向上に向けて、乳価交渉力の強化、中間コストの削減、流通コストの削減等を計画的に進めていくことは大変必要なことだと考えております。
 このために、農林水産省におきましては、昨年七月に生乳取引のあり方等検討会を設置させていただきまして、今後の生乳取引に反映すべき事項を取りまとめ たところでございます。これに基づきまして、本日二十一日から乳製品向けの試行的な入札が開始されているところでもあります。
 また、多層にわたっている組織体制の簡素化やさらなる情報開示の推進など、指定団体の合理化や生乳流通の効率化を計画的に進めるように指定団体等に対する指導も行ってきており、また、団体でも御検討いただいているところでございます。
 今後も引き続き、消費者ニーズに的確に応えつつ、酪農家の所得向上につながるように、経費削減や集送乳の効率化によるさらなる合理化などに向けた見直し を行い、我が国酪農が長期的に発展をして、酪農家が安心して経営を継続できるように対応していくことが大事なことではないかというふうに考えております。
○畠山委員 今回のワーキンググループが出した提言において、朝からありましたように、現場では大変な混乱あるいは不安などの声が広がって います。根本的なところをやはり改めて捉えなければいけないと思いますし、繰り返しになりますが、酪農家の合意もなく、重要な役割を果たしているこの制度 を廃止するということは乱暴であって認められないということをつけ加えておきたい、強調したいと思います。
 次に、TPP特別委員会は開かれているんですが、論点がたくさんあり過ぎる問題でもありますので、改めて本委員会でも若干質問をしておきたいと思います。
 きょうは、政府試算の中でも生産額の減少が大きい牛肉について伺います。
 牛肉の関税撤廃率は、今、この間、ラインのことは、いろいろ数が動いているということでありますので、きょうは数については問いませんが、とりあえず私 の数え方でいくと、五十一ライン中三十七ラインで関税撤廃がされていると思っています。これは七二・五%ぐらいになります。
 詳しい内訳で見れば、牛タンとか牛臓器、あるいは牛くず肉、調製品などがほぼ全部撤廃され、残ったのは牛肉、頬肉という、通称本体というふうにとりあえず言いますけれども、そこの部分だけというふうに思います。
 この本体以外、関税撤廃になった理由をまずお答えください。
○今城政府参考人 お答えいたします。
 牛肉につきましては、いわゆる本体以外、調製品、内臓等の三十九ライン、これが段階的に関税撤廃ということになっております。
 これにつきましては、基本的に、ミートボール等の調製品、これは二十八ラインございますけれども、輸入量が、牛肉全体が五十二万トンに対しまして、七千トンということでわずかでございます。
 また、タン、ハラミ等の内臓、これは七ラインございますけれども、輸入品と国産品に鮮度の差があります上、タンについては全体の需要量の国産が約三%、 それからハラミにつきましては全体の需要量に対しまして国産が約一割ということで、国産のシェアが少ないということでございまして、したがって、国内供給 量だけでは需要に対応できていないということでございますので、国産牛肉への影響がそう見込まれないということ。
 そのほかに、また、生きた牛というのが四ラインございますけれども、これにつきましては、国内の肉用種の出生頭数、これは年間約五十万頭ですが、輸入されているのは一万頭ぐらいということでございます。
 そういうことから、関税撤廃による影響はそう大きくないというふうに判断した、そういうことでございます。
○畠山委員 この間、委員会でも、この撤廃する選んだ基準というのが大体三つぐらいあるんですよね。輸入実績が少ないこととか、輸入依存度 が高くて国産から置きかわりにくいとか、あるいは関税を撤廃した方が農家のメリットになるということも、この間、答弁ではありました。ですから、今、いろ いろな数字なども含めて出されたのはその範疇に入っているものだというふうに思うんですね。
 その結果、牛肉は、重要五品目の中で、ほかと比べたら突出して高い関税撤廃率になっていると思うんです。ラインの数え方は、先ほど言ったように、前提は ありますけれども、私の数え方によれば、米二五・九%、麦二三・九%、豚肉六七・三%、乳製品一六・五%、甘味資源作物二四・四%に対して、牛肉でいえば 七割以上の関税撤廃率になるだろうというふうに思います。
 牛肉だけがこのような差がついた理由は、今言ったように、多くが、輸入実績が少ない等によるものなんでしょうか。
○森山国務大臣 今委員の御指摘のとおり、牛肉につきましては、タリフライン数が五十三でございますが、撤廃したライン数が三十九でございますので、委員の御指摘のとおりでございます。
 これは、牛肉を含む重要五品目のうち関税撤廃したものについては、先ほども局長が御答弁を申し上げましたが、調製品等の貿易の実態等を踏まえまして、一 つ一つのタリフラインを精査して、全体として影響が出ないものを措置したという結果がこういうことになっていると御理解をいただきたいと思います。
○畠山委員 全体として影響の出ないものを積み上げたらこういう数字になったというふうに理解をします。
 牛肉の分野は全体として影響が少ないということではあるんですけれども、そもそも、オレンジも含めた自由化の流れの中で大変苦しまれてきた実態は一方にあるわけでした。
 牛肉関税を改めて振り返って調べてみたんですけれども、さかのぼれば七五%のときもありました。その後、ウルグアイ・ラウンドで五〇%、三八・五%。そ して今回、TPPで最大というのか、九%ということになるわけです。それ以外にも、BSEですとか口蹄疫とか、さまざまな震災などで御苦労をされて、先日 も伺ってきたんですが、そのときそのときで、今頑張ればよくなるという思いや希望を持ってやってきたけれども、今回のTPPはなかなか希望を見出せないと いう声を伺いました。そこで、今回、七二%ぐらいが関税撤廃をされ、残りの本体も九%まで下がることになれば、また同じような苦しみが繰り返されるのかと 農家が思うのも当然だと思います。
 そこで、伺いたいことがあります。
 こういう話をしたら、畠山さん、ところで、何で九%なんだと聞かれたんですね。切りのいい一〇だとか、末広がりの八だとかいう数字じゃなくて、何で九な んだろうと。いや、秘密交渉というんですから、交渉の中で何か決まったんじゃないんですかねということぐらいは話したんですけれども、でも、現場の農家か らすれば、一つ一つやはりこういう素朴な疑問があるんですよね。
 私たちもそうですけれども、生産額が何億円減少するとか、大きな数字で議論をしがちなんですけれども、やはりお一人お一人、農家からすれば、こういう、 何でなんだろうという素朴な疑問があるし、政府からすれば、説明責任はこういう農家に向けて行うということが大事だと思います。
 そこで、何で九%なんでしょうか。
○森山国務大臣 牛肉につきましては、輸入牛肉の大半を占めるTPP諸国との厳しい交渉の結果でございまして、最終税率を九%とさせていただき、十六年という長期の関税削減期間を確保したところでございます。
 どういう交渉の経過であったかということにつきましては、外交交渉という性格上、御理解をいただきたいと思っております。
 畠山委員、ちょっと私は今非常に心配をしておりますのは、アジアにおける牛肉の需要というのが非常に伸びるという予測になっておりまして、今、アジアに おける牛肉の需要というのは二百十四万トンぐらいだと言われております。十年前に比べますと、これは一五八%伸びておりますから、これも十年前からすると 大変な伸びなんですけれども、今後十年間でどれぐらい伸びるかといいますと、アジアにおいて三百三十四万トンぐらいになるんだろうと言われております。今 よりもまだ五六%ぐらい伸びるということなものですから、ここは本当に国内生産をしっかりやっておかないとえらいことになるなと思っております。
 先生御承知のとおり、中国がアメリカにあるパッカーを買ったりニュージーランドにあるパッカーを買ったりしておりますので、それぞれの国は長期の見通し に立ったいろいろな対応をしております。我々も、やはり国内対策をしっかりやらせていただいて、再生産を確保していくということが非常に大事なことだなと いうふうに考えております。
○畠山委員 国内対策は、TPPの有無はともかくとして、しなければいけないということはもちろんだと思います。ただ、私が聞きました、なぜ九%かということについては、やはり結論は、交渉過程におけることなので答えられないので御理解いただきたいという旨だったと思うんですね。
 それで、いろいろ考えたんですよ。いろいろな本を読んだりしましたけれども、よくわからないんですが、そのヒントは政府の影響試算にあったのかなとちょっと先日思ったんです。
 確認します。試算は関税率一〇%以上の品目や十億円を線引きとしてしているわけですよね。関税率一〇%と、一〇で線を引いた理由はなぜなんですか。
○佐藤(速)政府参考人 お答え申し上げます。
 今回の農林水産物の試算につきましては、農林水産物全体への影響度合いを考慮しながら、前回、三年前でございますが、平成二十五年三月の試算とも比較で きるようにするために、前回と同様に、関税率一〇%以上かつ国内生産額十億円以上ということで、三十三品目を試算対象といたしました。
 関税率が一〇%よりも低い農産物につきましては、為替の影響も大きい、また、この影響試算に先立ちまして昨年十一月に行いました定性的な影響分析におき ましても、関税撤廃の影響は限定的あるいは見込みがたいというふうに分析をしておりますことから、関税率一〇%ということで対象品目を画するというふうに いたしたところでございます。
○畠山委員 つまり、一〇%で線を引いて、それより低いというのは大体為替の影響の範囲だ、したがって影響も限定的で見込みがたいというのが今の答弁でした。
 確かに、一桁台の関税率が撤廃されたときには、為替の影響で余り今と変わらないみたいな答弁は、この間、さまざまな品目においてされてきました。つま り、一桁台、九%というのはあってなきがごとしと言ったらちょっと言い過ぎでしょうか、ほぼ関税撤廃に匹敵するものという理解になるのかと思ったんですよ ね。
 つまり、関税撤廃というTPPの大原則と、日本政府としては交渉によってかち取ったよという名目とを、ちょうど九%で折り合ったというふうに考えたんです。邪推だというなら邪推でも結構なんですが、一体、この九%という数字の真実は、そういうことなんですか。
○森山国務大臣 そういうことではないと思います。
 農林水産省の影響試算の対象を関税が一〇%以上のものとしているのは、あくまでも現状の関税率のことであって、関税削減の期間等の要素を考慮する必要があると考えております。
 牛肉の関税につきましては、実際に関税が九%になるのは十六年目であり、長期にわたって体質強化を図ることが可能であるというふうに考えております。加 えて、生産者の不安に寄り添い、確実に再生産が可能となるように、牛マルキン制度の充実と法制化を図ることとしておりますし、またさらに、TPP交渉の結 果、アメリカ等への輸出の機会が拡大をするということもあるわけでございますから、将来にわたって生産者が未来に希望を持って生産を継続するということが 可能になるというふうに考えているところでございます。
○畠山委員 本来でしたら、これはTPP特別委員会で石原大臣も交えて質問したいところなんですけれども、先ほど言ったように、論点がたく さんあり過ぎて、またの機会には、ちょっとこの問題も含めて、交渉経過はこの間さまざまな議論もされてきましたので、追及したいというふうには思っていま す。
 ただ、途中で述べましたように、多くの農家の心配に対して、中身はいろいろ不安はありますけれども、素朴に、一体この数字は何で生まれてきた数字なの か。政府は、その後、経営安定対策や体質強化策をやるから大丈夫と言われても、それは農家としても不安は払拭されないですよね。特別委員会で私も紹介しま したが、この間、不安が払拭されていないと、アンケートの調査は、含めれば九割以上という現実があることを、改めて政府として受けとめるべきであることを 強調しておきたいと思います。
 最後に、セーフガードについても一言伺います。
 関税は下がるけれどもセーフガードはかち取ったということがこの間の話です。セーフガードは、簡単に言えば、基準を超えて急激に輸入量がふえたときに関税を戻す仕組みであります。
 まず、これは事務方で結構ですが、今回の牛肉セーフガードの発動基準についてお答えください。
○今城政府参考人 お答えいたします。
 現行の牛肉関税緊急措置、これは、発動水準が、前年比、数量で一七%増と現行の制度はなっておりますが、一方、今回TPPにより合意された牛肉セーフ ガードの発動基準数量、これはあらかじめ数量が合意で決まっておりまして、発効一年目は、近年の輸入量の約一割増に相当する五十九万トンという数量を超え たときに発動する。
 二年目から十年目までは毎年二%、これは年で、数量でいいますと一万一千八百トンずつこの枠が増加いたしまして、十年目には六十九万六千トン。
 それから、十一年目から十五年目までは毎年一%ずつ、これは毎年に直しますと五千九百トンですけれども、増加しまして、十五年目に七十二万六千トン。
 十六年目、七十三万八千トンになりますけれども、それ以降は毎年二%、一万一千八百トンずつ増加していく、かような仕組みになっております。
○畠山委員 ひとまず、十六年目までで七十三・八万トンということは確認しておきます。
 それで、現在の牛肉の輸入数量及び国内生産というんですか、自給率ということになるでしょうが、その数字もあわせて答弁してください。
○今城政府参考人 お答えいたします。
 まず輸入量でございます。これは部分肉ベースでございますが、過去、BSEの前の二〇〇〇年度の七十三万八千トンというのが過去最大でございますけれど も、その後、BSEの影響により減りましたという事実がございます。近年では、二〇一三年度は五十三万六千トン、二〇一四年度は、米国、豪州等の主な輸入 先国の干ばつ等の影響により一時的に減少したため、五十一万七千トンという数字でございます。
 生産量、これも部分肉ベースでございます。国内生産量でございますけれども、二〇一四年度は三十五万二千トンとなっておりまして、大体、近年はおおむね三十五万トン前後で横ばいで推移しております。
 自給率は、二〇一四年度は四二%、これは重量ベース。カロリーベース、これは餌をカウントしますので一二%というふうになっておりまして、近年、それぞれおおむね四〇%強、それから一〇%強で推移しているという状況でございます。
○畠山委員 重量ベースで四一、二%ぐらいということで、輸入量と合わせると、つまり、国内で消費される需要でいえば八十七万トンぐらいということになろうかと思います。
 それで、今後なんですけれども、これは、日本が人口減少になると総理みずから述べているわけですから、仮に牛肉の需要、消費が変わらないとして、十六年 目発動基準の七十三・八万トンまで仮に輸入が進んだとすれば、国内消費を今の消費の段階が変わらないとすれば、八五%を輸入で占める規模だということに計 算上はなります。つまり、裏を返せば、自給率はそのときはもう一五%ということに計算上はなります。
 ということは、もうこの時点では既に畜産農家が経営ができない状況が広がっているという中でセーフガードが発動されるということになるのではないでしょうか。こんな条件のもとでセーフガードを発動することに一体何の意味があるのかと素朴に思います。
 そういうことにならないんでしょうか。発動したときにはもう遅いということになりはしませんか、大臣。
○森山国務大臣 お答え申し上げます。
 関税撤廃が原則というTPP交渉の中で、特に農業分野につきましては、国会決議を後ろ盾に粘り強く交渉をさせていただいて、その結果、牛肉については、十六年目に九%という関税撤廃の例外をしっかりと確保したところであります。
 また、先ほど申し上げましたとおり、アジアにおける牛肉の需要が急激に伸びてきております。他の牛肉輸入国との買い付け競争が激しくなる可能性を踏まえますと、当面、牛肉の輸入急増というのは見込みがたいというふうに考えております。
 このような中で、万が一の輸入急増に備えるために、今回のTPP交渉におきましては、これまで米国が主要国とのEPAで関税撤廃をする場合にしか認めてこなかった品目別のセーフガード措置を牛肉については獲得できたということでございます。
 これにつきまして申し上げますと、先ほども御答弁したかと思いますが、初年度の発動水準が五十九万トンと、近年の輸入量の約一割増となっております。また、前年比一七%の牛肉輸入増で発動する現行制度に比べて発動しやすくなっていると考えております。
 また、関税削減の最終年度である十六年目まで、発動水準が過去最大輸入量の七十三・八万トン以下に抑えられておりますから、輸入急増を抑制する効果というのはあるのではないかと考えているところでございます。
○畠山委員 時間ですので終わりますが、今、畜産クラスターも含めてさまざまな支援策をやっていますけれども、投資が過大になれば、十年、 二十年単位で返済するということの見通しから、農家は考えるんですよね。そのときに、実際、今、十六年目の話ですけれども、セーフガードを発動されるとき には、そうはいっても自給率一五%の状況だとなれば、不安が強まるのは私は当然だと思います。
 申しわけありませんが、今の答弁でも不安は払拭されていないということを強調して、私の質問を終わります。