○畠山委員 日本共産党の畠山和也です。
 八月から九月にかけて襲った台風で、岩手、北海道を中心に大きな被害が出ました。改めて、心からのお悔やみとお見舞いを申し上げます。
 日本共産党は、対策本部を立ち上げまして、閉会中にも現地の調査、また防災大臣への申し入れを行いました。
 岩手県宮古市では、これは山津波ですよというほどの水害の中、今、市民の懸命な復旧が進められています。岩泉町では、一日時点で三百人以上がなお避難所生活を強いられて、まだ被害の調査も続いて、全容さえ明らかになっておりません。
 私は、北海道の十二自治体を回りました。鉄路、国道が寸断されて、今も復旧をしていません。ホタテの養殖施設やサケの定置網、また昆布を干す干場などの水産被害に、農地の崩壊、流失は来年の作付も見通せないほど深刻です。急いで復旧の手だてをとることを求めます。
 そこで、農業用ハウスについて伺いたい。
 北海道では、二千四百三十五件、七・三億円ものハウス被害が出ていますが、激甚指定を受けても、対象とならないハウスもあります。
 農水大臣に伺います。このような対象外のハウスは、被災農業者向けの経営体育成支援事業の対象として支援できるのではないですか。
○山本(有)国務大臣 御指摘のとおり、二十八年八月、九月に我が国に襲来しました台風第七号、十一号、九号及び十号によりまして、北海道を初めとする各地域におきまして農業用ハウスにも甚大な被害が生じていると承知しております。九月十四日には北海道を私も訪問いたしまして、河川の氾濫等に伴う農業用ハウスの被害等を目の当たりにしてきたところでございます。
 御指摘の農業用ハウスの被害につきましては共済による対応が基本となりますが、過去に例のないような甚大な被害が生じた場合に、被災農業者向け経営体育成支援事業を発動して、その復旧等を支援しているところでございます。
 今般の台風による被害につきまして、被災した農業用ハウス等の速やかな再建等を図るため、与党からの申し入れも踏まえ、被災農業者向け経営体育成支援事業の発動を含め、必要な対応を現在検討しているところでございます。
○畠山委員 今、この発動を含めということもありました。前向きな検討というふうに受けとめます。書いてあるように、異常な気象災害の場合には被災農業者を含むとしているわけですから、現場では待ち望んでいることですので、重ねて要望しておきたいというふうに思います。
 TPPと、この間問題となっているSBS価格偽装問題について伺います。
 総理は、TPPを今国会で成立させると述べました。しかし、SBS方式による輸入米の価格偽装という重大問題が発覚しました。この問題というのは、外国の米を輸入する業者から、それを買って流通する卸業者へ調整金なるお金が回っていたことが発覚した問題でした。
 まず、確認します。
 この調整金は業者同士のお金のやりとりだから国は関係ないかというと、そういうわけではないんですよね。契約書では、輸入業者、卸業者そして仲介する国がきちんと判こも押して、三者契約である。このことは間違いないですよね。農水大臣に確認します。
○山本(有)国務大臣 このSBS契約は国家貿易の一態様でありまして、輸入業者、卸売業者等の買い受け業者そして政府との間の三者で結ばれる契約でございます。
○畠山委員 三者で結ばれる契約ですから、まさに国が契約当事者であるわけです。ですから、この問題を人ごとにしてはもちろんなりません。
 しかし、予算委員会へ提出された資料によれば、食糧法令上の問題はないとしつつ、生産者に不信感を生じさせるから、念のため調査をしていると書いています。まるで人ごとと言わんばかりではないか。なぜなら、SBS方式というのは、買い入れと売り渡しの価格、それからマークアップの水準、いずれも政府が決める国家貿易です。
 国は単なる仲介者ではない、安く輸入米が流通していたとすれば国家貿易そのものがゆがめられる、国の制度や説明への信頼が問われる重大問題ではないか、そういう認識は農水大臣はお持ちですか。
○山本(有)国務大臣 まず、国内の米の価格は、その品質と需給によって定められるものというように認識しております。しかしながら、こうしたSBS取引において何らかの影響がある可能性がありますので、現在調査をしているところでございます。
○畠山委員 可能性はあるかもしれないから一応調べるという趣旨でした。
 SBSというのがよくわかりにくいというふうに皆さんおっしゃるんですよね。SBSの輸入米というのは、もともとミニマムアクセス米の一部です。ミニマムアクセスというのは単なる輸入機会の提供であって、輸入義務ではないと私たち日本共産党は一貫して指摘をしてきました。
 それで、このミニマムアクセスが始まって二十一年になります。この間は、毎年、日本政府は、全量買う必要はないのに米を七十七万トン買い続けてきました。しかし、売り先がないために保管し続けたり、飼料用に安く売るなどして、買った分より損失を出してきています。
 これは政府参考人で結構ですが、今まで一体どれほどの損益を出してきたか、答えてください。
○柄澤政府参考人 お答えいたします。
 ミニマムアクセス米のうち、SBS方式につきましてはいわゆるマークアップによる収入がございますけれども、大部分を占めます一般輸入方式におきましては、輸入米を買い入れて、それを加工用、援助用、飼料用等の主食用以外の用途に仕向けておりますので、売買差損が生じております。また、その他保管料等の管理経費も生じております。
 この結果、御指摘の平成七年度から平成二十六年度までの通算の損益を見ますと、合計三千百三十五億円の損失となっているところでございます。
○畠山委員 三千百三十五億円の損益という答弁です。
 このように、巨額の税金を使ってきたわけなんですよね。それは財務省からも削減すべきだということが言われ続けて、したがって、何としてもこれを流通して、はかせていかなければいけない。そこで、好都合なのが、主に主食用として十万トン、必ず売り先のあるSBS方式だったのではないか。
 業者からすれば、午前中にもありました香り米とか高いお米とは別に、輸入米というのは一般に安くしないと流通されない。そこで、SBS方式の中で安く売るために生まれた知恵が調整金だったのではないのかどうか。
 それで、実際の数字を見て考えてみましょう。今回の問題の発端となった輸入業者と卸業者の裁判において、裁判官は調整金の存在と金額を認定しています。これに基づいて単純に計算すれば、六十キロ精米換算で八千二百六十二円から八千七百四十八円の範囲での入札となり、その金額で流通した。これは単純な計算です。
 この年の、二〇一三年ですが、政府調査による米の相対価格の平均金額について答えてください。
○柄澤政府参考人 私ども、毎月、相対取引価格と申しまして、集荷業者と卸売業者等との間の取引の価格を調査、公表しております。
 御指摘の、平成二十五年産ということだと思いますが、全銘柄平均価格について見ますと、六十キログラム当たり一万四千三百四十一円でございます。
○畠山委員 一万四千円ほどになるわけですから、その品質がどうかという問題はあるにしても、この平均の価格よりも約四割安く流通できることになります。
 そこで、もしこのようなことが常態化している事実があるのであるならば、価格への影響がないなんてことは言えないと思いますよ。それはそうですよね、大臣。違いますか。
○山本(有)国務大臣 調整金が全てのSBS取引に常態化しているとしましても、ここはなかなか難しい問題がありまして、代金として渡しているわけではない場合の経理処理があった場合に、当該業者が必ずその利益を業務用の外食産業に移転する、それを必ず移転するということが当該企業のマインドとして、自己の利益を最大化するという性質のもの、経済合理性があるとするならば、それが常態化して必ず安くなるということまでは言えないのではないかというように思っております。
○畠山委員 そういうことも含めて、今調査をしているはずなんですよね。
 この間の討議でもそうだったんですけれども、この間報道を見て、いわゆる逆の調整金があるだとかの答弁を大臣は先日もされていました。それが、金額じゃなくて、いろいろ会計上の処理でしていることもあるかもしれないという答弁でした。
 では、そういうことなどが調査の中で判明してきているという理解でよろしいんですか。
○山本(有)国務大臣 全て解明した後に正式に畠山委員様の前にも公表したいというように思っておりますが、調整金なる存在、これがあるときとないとき、さらには多様な態様での授受がありますので、その点を含めて全てを把握した上で検討し判断させていただきたい、こう思っております。
○畠山委員 多様な態様の授受があり得ることを今大臣は認められました。
 そこで、問題は、この調整金なるものが価格に影響を与えているかどうかということです。それは今、期日が今週中ですか、答弁もされましたけれども、価格に対して調整金が影響を与えていることについても、そうかどうかということも含めて調査結果を出すということでよろしいんですね。
○山本(有)国務大臣 そのとおりでございます。
○畠山委員 この問題はしっかりと議論が必要だというふうに思うわけです。中身はしっかり精査しなければなりません。
 そもそも、輸入米がふえることは価格に影響を与えると政府も認識していたはずです。
 二〇〇九年、農水省が出しているミニマム・アクセス米に関する報告書というのがあります。この中に次のような文章があります。「我が国は、MA米の輸入については、民間貿易ではなく、国産米に極力悪影響を与えないように販売するため、国家貿易方式を採用しています。」というふうに書いています。
 安い外国産米が輸入されて、民間貿易、市場に任せたら価格が下がる、悪影響が出ると認めて国家貿易とした記述ではないのですか。その国家貿易のもとで起きている疑惑なわけです。
 政府による売り渡し価格や買い入れ価格なども含めて、価格への影響を徹底的に調査するべきであることを改めて求めますが、大臣、その点も含めてきちんと結果を出しますね。
○山本(有)国務大臣 委員御指摘の記述は、「MA米の輸入について」という項の大きな見出しの中の「我が国は、MA米の輸入については、民間貿易ではなく、国産米に極力悪影響を与えないように販売するため、国家貿易方式を採用しています。」というくだりだろうというように思っております。
 米につきましては、我が国と海外との内外価格差は依然として大きなものがございまして、ミニマムアクセス米の輸入につきましては、国産米の需給に極力悪影響を与えないように、まさに国家貿易により輸入し、価格等の面で国産米では十分に対応しがたい加工用、飼料用等の非主食用に販売しているところでございます。
 また、MA米の範囲の中のSBSの十万トンの枠の運用につきましては、平成五年の閣議了解の趣旨に基づきまして、政府が国産米を十万トン以上買い入れることによりまして国産米の需給に影響を与えないように措置しているところでございます。
 こうしたミニマム・アクセス米に関する報告書は、上記のような趣旨について記述されているところであるというように認識しているところでございます。
○畠山委員 改めて今、私が読んだところをなぞられて経過を話をされたようですけれども、結局は、内外価格差があって、その影響を防ぐための国家貿易だということは認めたわけですよ。
 ですから、その価格の問題が今このように焦点が当たっているわけですから、大臣も、当初の九月十六日の記者会見ですか、このように言ったわけですよ。市場価格、特に国内産米の価格に変動はありませんというように、この間、マークアップなどを通じて言ってきたんだ、しかし、その言っておったことと異なることになることが最大の問題だと。言ったとおりなわけですから、この価格への影響について徹底的な調査を出すことを改めて求めておきたいというふうに思います。
 TPPとの関係についても質問します。
 この輸入米と国産米の価格が違うなら、TPP試算の前提も違ってくるのではないか。違ってくると私は思うんですよ。
 まず、この試算について聞きます。
 SBS米は、現在十万トン、輸入枠があります。資料一に示したとおりです。そして、今度、TPPにおいて、新たな国別枠として米国と豪州から最大七・八四万トンが加わります。さらに、これはWTOに基づくものだという説明ですが、ミニマムアクセス米の一般輸入枠の中に、中粒種、加工用に限定した新たなSBS枠を六万トン設けるとしています。これは政府が説明しているとおりです。
 総理は、新たにふえるこれらの輸入米と同量の国産米を備蓄で買い上げることで、需給は緩まない、価格への影響はゼロと答弁をしてきました。しかし、それは、国産米も輸入米も同水準の価格であってこそ成り立つものです。この前提が今揺らいでいるということではないのでしょうか。
 SBS米というのは、御存じだと思いますが、多くは外食、中食の業務用。この業務用の米作付をふやしている県のTPP影響試算を見れば、青森県では二十三億円、福井県でも十五億二千万円、熊本県でも十三億六千万円と、業務用米と輸入米とが競合することを織り込んだ米の生産減少額を試算しています。
 総理、総理は影響ゼロだと言い続けてきましたが、それでは、この地方自治体の試算というのは誤りだということになるのですか。
○山本(有)国務大臣 まず、四十七都道府県あるわけでございますが、国と考え方が同じ県が三十三県ございます。一部の品目で国と異なる考え方で試算を行いました県が六県ございます。その中の一つが青森でございまして、まず、国では米の影響を見込んでいないわけでございますが、青森では価格低下を想定しているということでございます。
○畠山委員 今のはないですよ。一部の県だから切り捨てるような言い方はだめですよ。
 総理に私は聞きました。だって、これは総理が本会議場も含めて答弁した中身です。地方自治体が誤っている理由は何ですか。
○安倍内閣総理大臣 従来から答弁をさせていただいておりますように、TPP合意に基づき新たに設定されるSBSの国別枠で輸入される米については、国が輸入量に相当する国産米を備蓄米として買い入れることとしているわけでございまして、当然、市場価格というのは供給量と需要によって形成されていくわけでございます。特に、典型的な例は野菜。野菜の供給が多ければ野菜の価格は下がっていき、自然、天候等の影響によって供給が減ればまた高騰していくということからも明らかであろうと思います。
 この国別枠で輸入される米については、国が輸入量に相当する国産米を備蓄米として買い入れることによって国内の需給及び価格に与える影響を遮断することとしているため、TPP影響試算においては国産主食用米の生産量や農家所得に影響は見込みがたいとしているところでありますが、一方、幾つかの県においては、今委員が指摘をされたように、県独自の考え方に基づき国とは異なる試算をしていると承知をしております。例えば、青森県は、自県産米の米の価格が低下するとの仮定を置いて試算を行っています。
 いずれにいたしましても、国の米の影響試算は、国内での価格水準や輸入量、総合的なTPP関連政策大綱に基づく対策などを前提として行っておりまして、農業関係者の御理解が得られるよう、引き続き丁寧に説明をしていきたいと思います。
○畠山委員 丁寧な説明をするというんだったら、私は、ここは一旦撤回して、やり直すべきだと思いますよ。
 だって、一部と言いましたけれども、一つの県だけじゃなくて、先ほど幾つか県を挙げました。それぞれが業務用米をつくっていて、そのように、きちんと具体的にかみ合う形で精査した、県にとって一生懸命頑張ってやった試算ですよ。それに対してきちんと納得いく説明がされていないから、さまざまな問題がこのように今噴き上がってきているところに不信が募っているのではありませんか。
 改めて、影響ゼロという政府試算を一旦撤回して、試算をやり直すべきであることを要求しておきます。
 そこで、それではTPPで米がどうなるのか。
 先ほど見ましたように、新たな輸入は七・八四万トンです。ただ、これだけじゃなくて、米国や豪州にも七年後には再協議する規定があることは、この間、石原大臣と委員会でさせていただきましたが、政府も認めていることです。こういう場も通じて、米の輸入枠をふやせと米国がこれまでも要求してきたわけだから、さらなる開放の要求は想像されます。
 総理、今、アメリカと日本の米事情はどうなっているかといったときに、日本がカリフォルニア州の短粒米をどれだけ輸入しているか御存じですか。
○安倍内閣総理大臣 我が国は、ガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意に基づいてミニマムアクセス米を輸入しております。
 このうち、米国からは、過去五年の平均で、SBS方式により主食用として輸入される中粒種は約六千トン、短粒種は約七千トンであります。一般輸入方式により加工用、飼料用等の非主食用に仕向けられる中粒種は約三十四万トン輸入しているところでありまして、いずれもカリフォルニア州産であると承知をしております。
○畠山委員 この枠、輸入がどんどんふえてきているんですよね。
 それで、USAライス連合会のホームページを見てみれば、こう書いてありました。カリフォルニア産のあきたこまちやコシヒカリなどの日本の品種は、一〇〇%日本向けに栽培された特別米ですとPRをしています。
 これは合計を調べてみたんですけれども、米国から日本への米輸出というのは、今や、全世界の中でメキシコに次いで世界第二位になっている。日本は、今や米国の米輸出のよいお客様になっているのが事実ではないか。これが置かれている状況です。
 その上、TPPの協定本文と別に、日米で約束したサイドレターがありますよね。これにはSBS方式の運用を変えることが書かれているはずですが、その柱について、農水大臣、答弁してください。
○山本(有)国務大臣 まず、米のサイドレターは、TPP協定の署名に伴い、国別に交換した文書のうちの一つでございます。TPPにおきまして米の国別枠を設置した米国及び豪州との間で、国別枠の運用内容を定めるものでございます。
 具体的には、国別枠の運用に当たりまして、円滑な入札手続を行う観点から、技術的な変更を行うこととしておりまして、その変更点を記載しているものでございます。
 内容といたしましては、まず第一に入札スケジュールや入札参加資格の設定、第二に政府予定価格や最低マークアップの運用、第三に入札における砕米割合や再入札の実施、第四にレビューの実施などが記載されております。
○畠山委員 今、幾つか内容について答弁されましたけれども、さらに具体的な中身をちゃんと読めば、入札回数をふやすことだとか、再入札もすることだとか、マークアップだって、一定条件がついていたはずですけれども、引き下げを行うなどが書かれているわけですよ。
 つまり、目いっぱい日本は輸入してくれというアメリカの要求に応えた格好になっているではないのでしょうか。
 さらに、このSBS枠が新たに輸入される中で、加工用中粒種に限定した新たなSBS枠についての疑惑があります。
 配付資料の二枚目をごらんください。これは、ことしの五月にアメリカの国際貿易委員会が米国議会へ報告書を出したものであります。
 そこには、真ん中の表で囲っている部分ですけれども、新たなSBS枠六万トンについて、アンドキュメンテッドと英語で書いている部分ですね、文書化されていない約束があるとして、六万トンのうちの八割である四・八万トンを米国産とすることを保証しているというのがこの内容です。マークアップも一キロ当たり二十二円の削減を約束しているという報告が、アメリカの国際貿易委員会から出されています。
 農水大臣に伺います。日本がこのように文書化されていない約束をしているということは事実ですか。
○山本(有)国務大臣 事実ではありません。
 TPP交渉における合意内容は、TPP協定の譲許表やサイドレター等の合意文書が全てでございまして、文書化されていない約束は存在しておりません。
○畠山委員 事実でない。であるならば、アメリカに対して、こんな約束していませんよと言うべきではありませんか。言わないと、認めたことになってしまいますよ。米国議会にもこのような形で報告されているわけだから、今後、何かの協議のときにこれを持ち出されてくるのははっきりしているじゃありませんか。
 総理、アメリカにちゃんと言ったかどうか。
○山本(有)国務大臣 まず、ITC報告書には、期待される日本の約束の幾つかは文書化されていないと記述がございますけれども、さらにその前の記述に、米国米業界の代表者の理解するところによるとと明記されているわけでございまして、米国の米業界の理解や期待でありまして、文書化されていない約束ではないというように思っております。
 そういう認識のもとに今抗議をしているかどうかでございますが、農林省の担当から米国通商代表部、USTRに対して遺憾の念を伝えているところでございます。
○畠山委員 遺憾の意を表明して、では、これは違うと言ったんですね。確認します。これは事実ではないとアメリカに伝えましたか。もう一度確認します。
○山本(有)国務大臣 このような、内容は文書化されていない約束があるというように記載されている点については、これについて事実ではないというように伝えてあります。
○畠山委員 それは、今ちょっとどこかわかりませんけれども、いつですか。いつ遺憾の意を表明したんですか。
○山本(有)国務大臣 日本時間で、五月十九日でございます。
○畠山委員 では、その結果撤回されているかといえば、撤回していないわけですよ。だって、私、この資料をきのうネット上でとることができたんですよ。まだ現存しているわけです。きちんとこの報告が残っているのであるならば、一体、撤回させるまでの抗議をきちんとしているのかどうか。重大問題ですよ。
 こういう文書化されていない約束のもとで結局日本が米の輸入枠をさらに広げたり運用を変えたりするということになるならば、これだって今まで政府が説明してきたことと矛盾することが生まれるのではありませんか。これは撤回するまで言うべきですよ。
○山本(有)国務大臣 TPPにおきまして、我が国が米国の交渉窓口としているのはUSTRのみでございます。こうした交渉は、窓口が一元化されていなければ交渉ができるものではありません。
 日本政府としましては、独立機関でございます米国国際貿易委員会、ITCに対しては、記述の訂正は求めるつもりはありません。
○畠山委員 その結果、この後アメリカがこれに基づく要求をしてくる可能性はそれでは否定できないですよ。
 総理、そうしたら、総理は、アメリカに対して、再協議があった場合にはこれは応じない、だからこの国会で批准するんだと言ってきました。今言ったように、USTRは別の機関だということであるならば、これは、総理、総理の責任できちんと撤回するように指示を、何らかの形でするんだと出す必要があると思いますが、いかがですか。
○安倍内閣総理大臣 これは既に山本大臣が答弁をしておりますが、TPP交渉における合意内容は、TPP協定の関税率表やサイドレター等を含む合意文書が全てであって、文書化されていない約束は存在をしないわけであります。当然、交渉の結果は文書化されていて、普通は、交渉すれば文書にして、これが約束だねということでお互いに合意をするわけでありますが、これは文書になっていないんですよ。そんな約束は当然ないということでありまして、文書化されていない約束はないということは、はっきりと申し上げておきたいと思います。
 その上において、先ほど申し上げましたように、本年五月のアメリカ国際貿易委員会、ITCの報告書に書かれているのは、米国米業界の代表者の理解するところによると。だから、これは、米業界の理解するところによると、期待される日本の約束の幾つかは、しかも、期待される、こう書いてありまして、正式なTPP合意テキストや付随するサイドレターにおいて文書化されていない、こうされているわけであります。これは、あくまで米国の米業界が理解をして、期待する事項として記載されているわけでございまして、つまり業界の期待なわけであります。
 つまり、その業界の期待に、あなたたち、そんな期待はするなと言うことではなくて、そもそも我々が交渉している相手はUSTRでありますから、こういう文書がITC報告書にあるけれども、農林水産省の担当者からは遺憾の念を伝えているわけでございまして、独立機関であるITCに対しては記述の訂正を求めるものではないわけでありますから、大臣から答弁させていただいたとおりでございます。
○畠山委員 引き続きこの問題はきちんと追っていきたいと思いますけれども、重大な問題だというふうに思います。アメリカに、きちんとこのような形で出されてきている正式なITCの報告書ですから、日本政府としてきっちり抗議すべきものですから、改めてきちんと日本政府として態度をとるべきだということを要求しておきたいと思います。
 TPPは、今述べたように、米の問題一つ取り上げてみてもさまざまな問題が今生じていて、実際に、米の農家がこの収穫の時期を迎えるに当たって、不安を持って国会の審議を見ていると思います。
 冒頭に述べましたが、私も北海道で台風の被害調査、各地を回ったときに、代々つくってきた農地が一晩にして流されてしまったということに大きなショックを受けて、来年も作付できるだろうかというような方々にもたくさんお話を伺いました。このような方々が今、政府のTPPに対する態度を見ているというふうに思います。優先すべきはTPPではなく災害復旧だというのが現場の強い声であるということを私は強調したいと思います。
 日本共産党は、貿易ルールは対等、平等、互恵の関係で行うべきだということを強調してきました。共同通信の世論調査でも、国民の七割が慎重審議を求めています。今国会での拙速なTPP批准は認められないことを最後に強調して、私の質問を終わります。