○畠山委員 日本共産党の畠山和也です。
 二〇一三年度、平成二十五年度決算にかかわり、そのときに行われていました木材利用ポイント事業とTPPの関係について伺います。
 木材利用ポイント事業についてきょうは伺っていきたいわけなんですけれども、御存じのように、丸太の関税ゼロの時代から、林業においては苦難の時代が続きました。近年は国産材供給の努力が強まりまして、二〇一五年の木材自給率は三三・二%まで回復してきています。ですが、輸入材の比率は七割近く、依然として高いということになりまして、輸入上位三カ国を見ればカナダ、マレーシア、アメリカで、これはいずれもTPPの参加国ということになります。
 そこで、この事業にかかわる質問の前に、二つ大臣に確認したいと思います。
 まず、仮にTPPが発効するとして、このような輸入上位三カ国が上位を占めているわけですから、日本の林業は守れるとお考えでしょうか。まず確認いたします。
○山本(有)国務大臣 林産物につきまして、累次の貿易交渉の結果、現在の関税率は一〇%以下となっておりますが、今回のTPP交渉によりまして、合板、製材等につきまして長期の関税撤廃期間の設定ができました。そしてまたセーフガードを確保したことでございまして、TPP合意によります国内への影響は限定的というように見込んでおります。
 そのような交渉結果でありますけれども、長期的に見ますと、国産材の価格の下落、その懸念もなしとしないものですから、まず大規模、高効率の加工施設の整備を進める、そして原料供給のための間伐、路網整備、こういったものを進めることによりまして、川上から川下に至るいわゆる体質強化策を講じていくこととしております。
 このような、交渉で獲得した関税撤廃期間とセーフガードの措置、さらに体質強化策、こういったことで、生産コストの低減効果によりまして採算性が確保され、国内林業の生産活動や合板等の国内生産量は維持されるというように見込んでおるところでございます。
○畠山委員 そこで、今大臣の答弁もありましたセーフガードについて一言、これも確認しておきたいと思います。
 ただ、改めてカナダやアメリカなどを見れば、カナダとは二国間林業委員会という機関がつくられるんですね。その点検項目に日本のセーフガードの必要性とありますから、この議論で廃止が向こうから言われる可能性も否定はできないと思います。
 また、何より、輸入第三位であるアメリカとはセーフガードはありません。これで、今大臣が述べたような、国産材について維持できる保証があるのかということがやはり問われるんですね。
 そこで、もう一つ確認します。
 アメリカとの関係では、なぜセーフガードはなかったんでしょう。要求したんでしょうか、しなかったんでしょうか。
○山本(有)国務大臣 合板等に係るセーフガードの設定の有無につきましては、まず輸入量の多いカナダ、マレーシア、ベトナム、ニュージーランド、チリに対してはセーフガードを措置する一方で、それ以外の国につきましてはセーフガードをいたしませんでした。したがいまして、御指摘のアメリカもございません。というようなことでございまして、この交渉過程、さまざまあると思いますけれども、輸入量等、総合的判断の上で、これに対してはセーフガードを措置しなかったというように考えておるところでございます。
○畠山委員 国産材などの利用に当たっては、これまでもですけれども、米国などからさまざまな圧力があったことが反映していると思うんですね。
 そこで、冒頭に述べました木材利用ポイント事業制度について触れたいわけです。これは、平成二十五年四月一日から募集が始められて、一年半もの間に募集がされた期間のものでありました。
 その目的は、次のように書いていました。関係者による地域材の需要拡大の取り組みを促進し、地域材需要を大きく喚起する対策として、地域材の利用に対してポイントを付与し、農山漁村地域経済全体への波及効果を及ぼす取り組みへの支援を行うとあります。ポイントがたまれば地元の農林水産物や商品券などとも交換できるということで、実績も聞きましたけれども、かなり評判がよかったというふうに聞いています。
 ですが、地域材促進を目的と掲げていながら、年度途中から外材も対象材として見直されていました。これはなぜか。理由をお答えください。
○今井政府参考人 お答えいたします。
 今御指摘がありましたように、木材利用ポイント事業ですけれども、平成二十五年から、地域材の需要拡大の取り組みを促進し、農山漁村の振興に寄与することを目的として実施した事業でございますけれども、その対象となる地域材につきましては、まず一つは、資源量が増加しているものとしてあらかじめ定められました杉、ヒノキ等の樹種のほか、本制度を運営する委員会において、資源量が増加しており、事業の目的に照らして適切と認められる、そういうものも追加できるというふうにされておりまして、当初から国産材、外国産材を問わず本事業の対象となっていたものでございます。
 そういう事業の枠組みの中で、事業の開始後に諸外国からの樹種追加の申請がありまして、審査の結果、米国産のベイマツ、オーストリア、スウェーデン、フィンランド産のオウシュウトウヒ、スウェーデン、フィンランド産のオウシュウアカマツ、そしてニュージーランド産のラジアータパイン、これが対象樹種に追加されたという経緯があるというものでございます。
    〔委員長退席、石関委員長代理着席〕
○畠山委員 途中からそのようなさまざまなものが出てきたのは、二〇一三年十二月三日の日本農業新聞にも経過が断面的に書かれているんですね。WTO物品理事会でカナダとEU、米国などから外国産材を差別しているとの主張があって、それを受けてのことというふうに書かれておりました。ただ、制度設計も、今答弁がありましたように、その他の木材も最初から対象とするような書きぶりをしているというのは承知しています。
 このポイント事業なんですけれども、効果検証の結果の中で次のように書いてあります。事業のために設立された地域協議会等を通じ、木材流通の川上から川下までの関係者が一堂に会して地域材利用を議論する場が生まれ、意見交換が活発になった。非常に前向きな評価をしています。
 森林・林業基本計画二〇一六年では、豊富な森林資源を生かした産業の育成を図り、山村などの地方活性化に結びつけるとしています。国産材の供給量も、現在二千五百万立米から二〇二〇年には三千二百万立米、二〇二五年には四千万立米にと目標を持っています。ですから、この実現に向けて、今述べたポイント事業は有効な施策ではないかというふうに私も思うんですよ。それがこのような形で終わっていくというのは、非常に残念なことだとも思います。
 ただ、このような国産材を活用する事業に対しては、内国民待遇に反するからと外国から意見がつけられるのが現状でありまして、しかも、今度はTPPとなれば、USTRが二〇一五年外国貿易障壁報告書でも、このポイント制度について、外国の製品を差別的に扱う補助金ではないかとの懸念が示されていて、かなり雲行きが怪しくなるわけです。
 そこで、山本大臣に伺いたい。
 TPPが発効したらこのような国産材を活用する事業ができなくなるとなれば、非常に私は残念なことだと思います。いかがでしょうか、どうしましょう。
    〔石関委員長代理退席、委員長着席〕
○山本(有)国務大臣 御指摘の木材利用ポイント事業というのは、地域におきまして流通する木材であれば、国内産あるいは輸入材を問わず事業の対象としてきましたことは御案内のとおりでございます。WTOの協定におきます内外無差別の原則に基づいているというように考えられるところでございます。
 TPP協定におきましては、このWTO協定上の内外無差別と同様の規定が置かれております。TPP協定が発効した場合でありましても、木材利用ポイントのような事業を実施することは問題ないというように考えているところでございます。
○畠山委員 USTRが、先ほど紹介したように、ただ差別的に扱う補助金ではないかと言われることはもちろん考えられると思うんですね。ですが、当時の新聞なども掘り返してみますと、与党の議員からも、そのようなことも考えた上で制度設計してきたから堂々と来年度もやったらいいという意見が、新聞紙上でも紹介はされておりました。
 本当に地域材の活用は地元にとって強い願いでもありますし、政府の持っている計画を実現する上でも大事なことだと思います。ただ、米国は虎視たんたんと狙っているということだけは最後に一言述べておきます。
 米国商務省の国際貿易局ホームページには、日本の木材製品の関税が全品目で即時撤廃だと堂々と掲げておりました。ですから、TPPで、今どうなるかわかりませんが、仮に発効すれば、木材輸入が進み、基本計画に逆行することは明らかでもあります。そもそも米国の離脱で発効見込みがない条約を国会が承認するのは国会の権威にかかわることではないかということはこの場からも述べておき、TPP承認案は断念すべきであることを一言述べておきたいと思います。
 農水大臣、結構でございます。
 後半は、JR北海道について石井国交大臣に伺います。
 きのう通告していなかったんですが、きょうの記者会見でですか、八月から九月にかけての台風や大雨で鉄道施設に大きな被害を受けたJR北海道に対して、国土交通省は復旧費用を実質的に全額補助することを決めたというふうに報じられておりました。この中身について御説明ください。
○石井国務大臣 ことしの夏の台風により被災をいたしましたJR北海道の各路線の災害復旧につきましては、JR北海道から、被災状況の調査が終了していない区間を除き、災害復旧の総額は約三十八億円となる見通しとの報告を受けました。このうち、鉄道軌道整備法に基づく災害復旧事業費補助の対象となる事業費は約三十五億円となる見込みであり、その四分の一の約八・六億円を国で支援することとしたところであります。
 また、これに加えまして、平成二十八年度から三十年度において実施予定のJR北海道の安全投資と修繕に対する追加支援の対象を拡充いたしまして、今回の台風等の災害に係る復旧に関連した設備投資の支援を行うことといたしました。
 これによりまして、JR北海道が、補助制度の自己負担分や、規模が小さく補助制度の対象とならない工事も含め、災害復旧に必要な資金を確保できるように措置することとしたいと考えているところでございます。
○畠山委員 この後質問しますが、路線維持にかかわってJR北海道が厳しいことを述べておりますが、まず前提として、復旧は今あるスキームももちろんありますし、国が述べられたような支援で最優先に復旧されるということは当然のことであります。
 そこで、本題のことで質問に続いていきたいと思います。
 十八日、JR北海道は、十路線十三区間、キロ数にして千二百三十七・二キロメートルを自社単独では維持できないと発表しました。全路線の営業距離の約半分に当たります。通学や通院はどうなるか、観光にも打撃になるではないか、貨物輸送は大丈夫かなど、道内では多くの心配の声が上がっています。
 JR北海道や北海道庁から国に対して、事前に相談や報告はありましたか。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 JR北海道や北海道庁との間では、今回のJR北海道による業務範囲の見直しに関する問題に限らず、業務上の必要に応じて、日ごろより連絡をとり合っております。
 そのような中で、十一月十八日にJR北海道が公表した内容については、JR北海道から公表前に報告を受けたところでございます。
○畠山委員 現状については、さまざまな形で国交省は把握できていたはずなんですよね。
 それで、今ありましたように、八月から九月にかけての台風と大雨の被害で、相次ぎJR路線が崩落などを起こしました。町全体が浸水した南富良野町にある幾寅という駅は、映画の「鉄道員(ぽっぽや)」の撮影でも使われた駅でありました。交通拠点だけでなく、このように観光資源でもある根室本線のこの駅も含めて、今回の困難な対象に入っているわけです。
 町長さんに我が党としてお聞きしたことがあるんですが、お父さんが国鉄の職員だったというんですね。北海道にとっての鉄道の役割は大きいし、今回のJRの発表はおかしいと述べられておりました。同じような声が全道各地にあふれています。
 先ほど述べたように、困難と呼ばれる路線が全区間の半分にまで至る状況をこのまま認めていいのか。国としてどうするか、石井大臣に伺います。
○石井国務大臣 JR北海道は、地域の人口減少やマイカー等の他の交通手段の発達に伴いまして、路線によっては輸送人数が大きく減少し、鉄道の特性を発揮しづらい路線が増加している厳しい状況に置かれていると認識しております。
 そのような中、JR北海道は、現状のままでは安全に必要な投資や修繕が行えず、鉄道の運行が困難となりかねないという問題意識のもと、単独で維持困難な線区については、当該線区の地域における持続可能な交通体系の構築のために、地域の実情に即して地域と協議を行いたいという意向を明らかにしておりまして、十一月十八日に、相談を行う具体的な線区について社長より説明が行われたところでございます。
 国としては、今後、地域の皆様にJR北海道の置かれている厳しい状況について御認識していただけるよう、JR北海道に対し、各地域に丁寧な説明を行うよう指導してまいりたいと考えております。
 また、こうした検討を行う中で、国といたしましても、北海道庁と連携しながら、JR北海道と地域との協議に参画をいたしまして、地域における持続可能な交通体系の構築のために何ができるのか、検討してまいりたいと考えております。
○畠山委員 協議会に国が参画されていくということですけれども、どのような立場で参画されるかが大事だと思うんですね。
 地方自治体任せにしないで、国が根本的な総括を持ってそれに参加していくということが私は大事だと思います。なぜなら、このような事態に陥ったことはやはり分割・民営化のころからさかのぼって考えるべきだという声が北海道では広がってきていますよ。
 三十年前から、赤字路線を北海道では抱えることは確実でありました。だから、国も経営安定基金を出して、その運用益の約五百億円で支援するということにしてきましたが、当初の利率の見込み七・三%から、政府の低金利政策もあって、だんだん運用益が減っていってしまったわけです。人件費、安全費用、設備投資などにそのしわ寄せが行ってしまったことが、この間の安全問題でJR北海道が国からも指導を受ける要因となってきたのではありませんか。そして、ことしの台風被害での追い打ちです。
 大臣にもう一度伺います。政府が思い切った新しい枠組みを示さなければ進まないと私は思います。新しい支援の用意はありませんか。
○石井国務大臣 国は、JR北海道に対しまして、平成二十八年度からの三年間で総額一千二百億円の支援を行うこととしております。これにより、当面は必要な安全投資や修繕を行いながら事業を続けていくことができる見通しであります。
 今後、JR北海道と地域との間で持続可能な交通体系のあり方について協議が行われる中で、まずはJR北海道から各地域に対して丁寧に説明を行い、各線区が置かれた実情に関する理解を得た上で、地域における持続可能な交通体系のあり方について関係者がともに考えていくことが必要であると考えております。
 こうした検討を行う中で、JR北海道が置かれている状況を地域の皆様に認識していただくとともに、国といたしましても、北海道庁と連携しながら、これらの協議に参画をいたしまして、地域における持続可能な交通体系の構築のために何ができるのか、検討してまいりたいと考えております。
○畠山委員 同じような答弁になるので、では質問の角度を変えましょう。
 なぜそのような形になっていくかといえば、これまでのスキームを続けてきた理由、前提として、目標が完全民営化にあるからではないのでしょうか。
 JR北海道は、御存じのように、厳しい経営状況があるからこそ今の実態に置かれているわけで、それでも、先日JR九州が株を上場しましたけれども、JR北海道については完全民営化、株式上場をまだ国として追い求めるということなのでしょうか。だからこそ、そのようなスキームにこだわらざるを得なくなるのではありませんか。
○石井国務大臣 JR各社については、国鉄改革以来の累次の閣議決定に基づきまして、経営基盤の確立などの条件が整い次第、できる限り早期に完全民営化することを基本的な方針としております。
 JR北海道につきましても、できる限り早期に完全民営化をする基本的な方針に変わりはありませんが、厳しい経営状況にあるため、これまで、経営安定基金の実質的な積み増しや設備投資に対する助成や無利子貸し付けなどの支援措置を講じているところでございます。
 こういった状況のため、まだ上場が可能となるような段階には至っておりませんが、引き続き、国鉄改革の趣旨を踏まえ、JR北海道の完全民営化に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。
○畠山委員 完全民営化の旗をおろせないから、今、自縄自縛になってきていると思うんですよ。
 完全民営化へ、JR北海道に任せて経営状況を改めようというんだったら、今回みたいに独自で維持できない区間は廃線にしても構わないということになりはしませんか。それは政府の立場だということで確認してよろしいんですか。
○石井国務大臣 重ねてのお答えになりますけれども、JR北海道は、地域における交通手段の確保を前提に、鉄道を持続的に維持するための方策も含めて、地域における持続可能な交通体系のあり方について今後地域と相談を行っていく意向であると承知しております。
 今後、JR北海道から各地域に対して丁寧に説明を行い、各線区が置かれた実情に関する理解を得た上で、地域における持続可能な交通体系のあり方について関係者がともに考えていくことが必要であると考えております。
 こうした地域との相談を通じまして各地域の実情に適した持続可能な交通体系を構築することによりまして、鉄道が、その特性を発揮しながら、他の交通機関とも適切に役割を分担して、必要な公共交通サービスを提供できるようにしていくことが重要であると考えているところでございます。
○畠山委員 否定しませんでした。持続可能な交通体系を地元で議論していただきたいということの繰り返しだったと思います。
 それこそ私も繰り返し述べますが、完全民営化の旗を掲げ続けるから、このように自縄自縛の状況に国が陥ってしまって、JRに対しては、経営状況の改善が必要だし、そのためには廃線もやむなしということにならざるを得ないのではありませんか。
 ですから、もう新たな枠組みを考えるときだと思うんです。国鉄も、来年で分割・民営化から三十年になります。一方では株式上場をしているJRがあり、一方ではこのように路線切り捨てかもしれないというJRがあります。
 ことしの五月にも伺いました。本当に分割・民営化がよかったのかという総括や見直しを政府としてやるべきときではありませんか。
○石井国務大臣 国鉄改革におきましては、全国一元的な経営体系を改め、適切な経営管理や地域の実情に即した運営ができるようにするとともに、旅客の流動実態に適合し、地域的に自然な形の分割となるよう、旅客流動の地域内完結度に配慮いたしまして、旅客部門は全国六社に分割をされました。
 国鉄の分割・民営化によりまして効率的で責任のある経営ができる体制が整えられた結果、全体として鉄道サービスの信頼性や快適性が格段に向上し、経営面でも、JR本州三社に続いてJR九州も完全民営化されるなど、国鉄改革の所期の目的を果たしつつあるものと考えております。
 一方、現在JR北海道が置かれている問題は、地域の人口減少やマイカー等の他の交通手段の発達により、路線によっては輸送人数が大きく減少し、鉄道の特性を発揮しづらい路線が増加している状況に起因するものでありまして、国鉄の分割・民営化によるものではないと認識をしております。
 いずれにいたしましても、国といたしましては、国鉄改革の趣旨を踏まえまして、JR各社による鉄道サービスが引き続き各地域において求められる役割を果たしていくことができるよう努めてまいりたいと考えております。
○畠山委員 時間ですので終わりますが、独立採算を鉄道行政でやっている国は日本ぐらいなもので、ほかは、ヨーロッパなんかは特に公的補助などが強くされていて、それは根本に国民の移動権を保障するということがあるからですよ。
 鉄道行政の抜本的な転換が必要な事態に今陥っているということを指摘して、私の質問を終わります。