○畠山委員 日本共産党の畠山和也です。
 きょうは時間が短いですので、早速質問をさせていただきます。
 きょうは、第十一章の金融サービスについて伺います。
 TPPは、広くサービス分野も対象となり、国内外の競争にさらされます。そこで、心配の声が上がっているのが共済の分野になります。これは同僚議員がきょうも午前中、質問を行いました。
 御存じのように、共済の原点は助け合いです。営利を目的としないで、仲間同士や団体の構成員同士で自主管理のもと運営するものです。共済は保険業法の適用を受けることとなりますが、特例となる小規模な自主共済ですとか、業法の対象外となるJA共済などの制度共済もあります。営利目的や不特定多数と契約する保険とは原点も、あるいは運営も違うものです。
 そこで、この第十一章の金融サービスの章ですが、これは保険などについて書かれている章です。中に、第二条三、四、五項などで適用されない例外や留保表などもあります。
 そこで、聞きます。
 きょう午前中も石原大臣の方に、この共済が全ての金融サービスに含まれるかと同僚議員が質問したところ、含まれるものも含まれないものもあるなどの答弁もありまして、また、この留保表や実際の例外などに規定となるのかならないのか、少し整理して改めて答弁してください。
    〔委員長退席、菅原委員長代理着席〕
○石原国務大臣 まず、そもそもの金融サービスの章のところに共済という形で特有の規律は存在していない、これが基本でございます。
 そして、畠山委員が御指摘になりましたように、共済にもさまざまな形がありますので、それによってそれが適用除外に当たるのか当たらないのかを判断する必要があるという形で、きょう午前中御答弁をさせていただきました。
 さらに、では具体的にどんな共済がどうなのかということをお話をさせていただきますと、もう委員が御指摘のとおり、共済というのは多様な形がございます。法令上の根拠の有無、提供主体の性質、それによって金融サービスの適用除外を受けるか受けないのかということが決まってくる。仮に一〇〇%国家がお金を出しているような共済であるならばこれは適用されない、このように整理をさせていただいております。
 個別の共済について金融サービスが適用されるか否かについては、個別の共済の根拠法令等を精査する必要がありますが、一般論として申し上げるならば、先ほど来申し述べさせていただいているように、共済の活動またはサービスに政府の財源が使用されている場合には第十一章二条三項(b)に基づいて適用除外を受ける可能性がある、こういうふうに理解をさせていただいているところでございます。
○畠山委員 つまり、政府がお金を入れている共済、例えば、小規模企業共済、中小企業倒産防止共済、中小企業退職金共済など以外は、一般に共済もこの金融サービス章の対象となり得るということで確認いたします。
 それで、では何にこの共済をめぐって心配の声が上がっているかといえば、保険と同等に競争環境に置かれるという心配の声です。
 そこで、USTRなどからの問題などはずっとこの委員会でも出されてきたわけです。
 共済について言えば、例えば二〇一一年、このように書かれています。米国政府は、対等な競争条件を確保するため、共済は、金融庁による監督下に置かれることを含め、民間セクターのカウンターパートと同じ規制水準、監督に服するべきだと考える。
 また、二〇一五年には、米国政府は、金融庁規制に服さない保険事業を有する共済に対して金融庁に監督権限を与えるという方向の進展を逆転させる動きについて引き続き懸念を有する。これはどういうことかというと、保険業法の改正が一度ありましたよね、これに対して逆転する動きではないかというのが米国政府の捉え方です。
 こういうような要求が背景にあって、共済団体から心配の声が出るのは、私は当然だと思います。
 そこで、聞きます。
 このようなUSTR、米国からの要求が背景にあって、今回のTPP協定では共済は留保あるいは例外などとはされていないのではありませんか。いかがですか。
○石原国務大臣 先ほども申しましたとおり、金融サービスのところで共済に関する規律はないと承知をしているわけでございます。
 そして、委員は今、アメリカとのお話をされましたので、サイドレターの中での話を付言させていただくとするならば、サイドレターの中にも共済制度は入っておりません。
 ということは、議論にも上がらなかったし、団体がそういう意見を言われたということは事実かもしれませんけれども、今回の協定の中において、これをどうしろ、ああしろという議論は日本が協議に参加してから一切なかったというふうに理解をしているところでございます。
○畠山委員 それならば確認をいたします。
 共済の分野で日本政府は米国にどのような立場で主張をしてこられたでしょうか。これは総理、答弁よろしいですか。
○石原国務大臣 日本のスタンスについてのお話がございました。
 二〇一六年の外国貿易障壁報告書に対する日本政府のコメントとして、共済に関して日本のスタンスを明確にお示しさせていただいておりますので、では、それをちょっと読み上げさせていただきたいと思います。
 協同組合による共済は、一定の地域、職業または職域でつながる者が構成した協同組合の内部において、組合員みずからが出資し、その事業を利用し合うという制度であり、広範な組合員間の活動の一環として行われるものである。このため、組織の特徴を踏まえた独自の規制が必要であり、これらの共済事業はそれぞれの組織の所管官庁において、法律の範囲内で、その特性に応じて適正に監督されている。
 これは事実を明らかにしているんだと思います。
 よって、このような規制スキームが共済に競争優位性をもたらしているとの指摘は当たらない。
 最後のところが全てだと思いますけれども、アメリカ側からとやかく言われたときに、競争優位性を、共済という制度であるからこそ、他の保険に対して持ってはいないということを政府のスタンスとして明らかにしたものだと承知をしております。
    〔菅原委員長代理退席、委員長着席〕
○畠山委員 総理も同じような認識でよろしいですか。確認します。
○安倍内閣総理大臣 同じであります。
○畠山委員 今読み上げていただいたUSTRに対するコメントの共済の部分というのは、極めてまともなことをきちんと書かれているんですよね。組織の特徴を踏まえた独自の規制が必要なものだということは、冒頭に私が述べた共済の歴史や成り立ち、特徴からいっても当然だと思います。
 ですから、そうであるならば、なぜ金融サービス章で共済は留保や例外にしなかったのかという疑問が湧きます。TPPのもとで、それならば、共済は結局のところは開放の対象となるのではないかという疑問が湧くのは当然だと思います。違いますか。
○石原国務大臣 先ほど来御答弁をさせていただいておりますように、共済というものがそもそも議論の俎上に上がらなかった以上は、今、USTRに対する我が国の反論をさせていただいておりますけれども、アメリカ側からもそのようなものがなかったと私は承知しておりますから、留保がなかったのではないかと推測をするところでございます。
○畠山委員 議論の俎上に上がっていないから留保するかしないかではなく、日本政府として、先ほど述べたように、共済は大事な役割があるということを述べているわけですから、これはきっちりと物を言う必要があるのだろうと私は思うんですよ。
 そこで、TPPというものは、この間議論がありましたように、いろいろな仕組みで、農産物の関税等もそうですが、非関税障壁においても国内法がゆがめられていくおそれがある仕組みがいろいろな章にちりばめられていると私は思います。
 例えば、この第十一章の第十九条、金融サービスに関する小委員会があります。これは、どこの章にも小委員会はあることはきょうも午前中から議論されました。この小委員会は、締約国の金融サービスに関する問題について検討するとしています。
 日本の共済制度はこの検討の対象にはならないと言えるのでしょうか。ちなみに、相互主義の話は理解した上で聞いております。石原大臣。
○石原国務大臣 ただいまの畠山委員の御指摘は、金融サービスの十一章十九条について、小委員会の対象になるのかならないのかということで、コンセンサス方式のことはもうわかっていらっしゃるということでございますよね、相互主義だからという点。
 その上で言わせていただくならば、小委員会の決定はいずれの国からも反対がないことが条件になっておりますので、委員の御懸念は当たらないのではないかと思っております。
○畠山委員 懸念の問題ではなく、客観的に対象となり得るのかどうかをお聞きしています。もう一度答弁してください。
○石原国務大臣 懸念という言葉はちょっと改めまして、要するに、アメリカから日本に対して、先ほどの話のように、共済は他の同様な機関に対して優越的な地位があるんじゃないかということでそういうものが起こったとするならば、委員の御指摘は、制度を改めろ、そういうものがあるのではないかという御懸念ではないかと思ったから、そういうふうに懸念という言葉を使わせていただいたんですが、もし仮にそういう事態だとするならば、日本国が制度を変更することはないと明確に断言をさせていただきたいと思います。
○畠山委員 何かかみ合っておりません。客観的に対象となり得るのかどうかということだけを聞いています。もう一度お願いします。
○石原国務大臣 ちょっと私の理解が違ったら恐縮なんですけれども、小委員会で問題に上げることは何でもできるわけですね。何でも問題にできる、それは全ての小委員会がそうである、これは午前中の議論で明らかにさせていただきました。
 それで、委員は、共済についてはどうなんだという畠山委員の御質問だと思いますので、我が国のスタンスは、先ほど、USTRに対する我が国の反論という形で、優越的な地位を持っていない、イコールフッティングで事業を行っているという解釈を反論として申し述べさせていただいている以上、我が国の国益に反するような、すなわち、我が国は先ほど言ったように考えているわけですから、それに対して制度変更を求めてきても制度変更は行わない、こういうふうに理解をしていただければと思います。
○畠山委員 冒頭にありましたように、一般的になるかどうかといえばということで聞いたので、その後のことは、おっしゃられる答弁で、日本としてはそういうような意思はない、言われても変えないということは、それはそれで別の話で聞いていたわけです。ですから、対象となることは、否定はもちろんできません。
 もう一つ伺いたい。
 第二十五章に規制の整合性という章もあります。ここでも同様に、各締約国がルールを一致させるための章でありまして、同じように、第二十五章も第八条の定めで小委員会がつくられることになっています。ここの特徴というのは、利害関係者が意見を提供できる仕組みができているということになります。
 同じようなことを聞きます。客観的な、一般的なことで結構です。共済はここでも対象として取り上げられないということはないはずです。そうですよね。
○石原国務大臣 先ほど御答弁させていただきましたけれども、全ての問題について取り上げることは理論的にはあり得るということが前提でございます。
○畠山委員 そういうことでありまして、問題はここからです。
 相互主義だから日本がうんと言わなければ変わらないとか、先ほどから述べているように、共済は日本は守るべきだということだから変わらないということを主張されてきました。しかし、TPPにおいては、協定文書を真ん中に置いて、これまでも並行協議をしてきましたし、サイドレターという形などでいろいろな約束はされてきております。
 この委員会では、その米国との書簡、サイドレターについてはさまざまな委員が取り上げました。食の安全あるいはかんぽ生命保険など、米国から要求されっ放しじゃないかという中身です。また、昨日は、我が党の笠井亮議員が、将来の保健医療制度まで議論の対象としているではないかと指摘しました。これらの指摘に対して、政府は、サイドレターに法的拘束力はないということを答弁し続けてきました。
 そこで、先ほどから石原大臣も答弁されていた、二〇一六年外国貿易障壁報告書に対する日本政府のコメント、これをずっと読んでみてびっくりしました。一ページ目の概観のところに、サイドレターについて触れているところがあります。後ろの方が持ってきていると思いますよ。石原大臣、ここに何と書いてありますか、サイドレターについて。
○塩谷委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
○塩谷委員長 始めてください。
○畠山委員 では、中身、そのお持ちのコメントの部分をお読みいただけますか。
○石原国務大臣 済みません、サイドレターは二国間でやるもので、私の方で持ち合わせておりませんで。
 報告書のところを読ませていただきます。
 「「TPPに加え、米国は、通商に関連した日本との諸問題について、二国間及び他の場で取り組んでいく」との記述があるが、我が国の通商に係る諸制度については、農林水産品の貿易に係るものを含め、WTOと整合的に実施しているとの認識である。また、TPPについては、譲許表を含む協定や協定に関連して作成された文書(いわゆる「サイドレター」)に従って着実に実施していく考え。」このように記述されております。
○畠山委員 つまり、共済の大事な必要性についてはこの文書で書きつつも、一方で、この概観で、サイドレターに従って着実に実施していく考えだということが書かれております。
 共済については、確かに二〇一六年のUSTRのものには書かれてはおりません。しかし、この間、先ほど紹介したように、各年において、共済に対してのイコールフッティング、さまざまな規制の緩和ということは要求され続けてきました。ですから、TPPの協定はもちろんですが、並行交渉、あるいはサイドレターなどを通してこのようなことが実現されていく、着実に実施されていくということがあるのではないかという疑念は当然湧きます。
 総理、この事実を御存じだったでしょうか。
 このようなサイドレター方式だけでなく、USTRは、外国貿易障壁報告書で次のようにも書いています。「TPPに加え、米国は、通商に関連した日本との諸問題について、二国間及び他の場で取り組んでいく。」このように、TPPに加え、さまざまな形でこれまでの要求を通していくというわけですから、共済はもちろんその対象になるでしょう。
 総理、これは最後ですから、総理です。
 共済制度をきちんと守れるとコメントの中でも書いていたことがちゃんとできるかどうか、総理がきちんと答弁してください。
○安倍内閣総理大臣 TPP協定における金融サービス章には、共済特有の規定は存在をしておりません。そして、保険等の非関税措置に関する日米間の書簡においても共済に関する記述はないわけでありまして、一番最初に石原大臣から読ませていただいたような我が国の方針は、これは全く堅持される、このように考えております。
○畠山委員 二重、三重に国内の制度を変える仕組みを持つのがTPPだということを先ほど述べました。また、日本は、米国と書簡を通じて、自主的に変更する形でTPPの中身に沿っていける、このサイドレターの道が開かれるということもきょう私は指摘をしました。中身においても、実際の実行のやり方も、これでは容認できないやり方です。
 時間がありません。まだこの続きを議論しなければなりません。さらなる地方公聴会や中央公聴会も必要です。これらを受けた審議も必要です。徹底審議を引き続き求めて、私の質問を終わります。