○畠山委員 日本共産党の畠山和也です。
 日ロ首脳会談の結果と、今後の領土交渉の姿勢について質問します。
 日ソ共同宣言から六十年がたちました。領土問題における日ロ交渉の行き詰まりをどう打開するかは大きな問題です。元島民の平均年齢は八十一歳を超えました。
 我が党は一貫して、平和的な領土交渉の到達点を国境画定の土台に据えるべきと主張してきました。すなわち、北海道の一部である歯舞群島と色丹島については中間的な友好条約によって速やかな返還を求めること、そして、ヤルタ協定の不公正とサンフランシスコ条約での千島関連条項を廃棄、無効化して、平和的な日ロ間の領土交渉の結果として全千島列島が日本の歴史的領土となった一八七五年の樺太千島交換条約を土台にすること、以上の段階的解決による平和条約締結を主張してきました。
 一旦結んだ条約でも、沖縄の本土復帰が実現したように、国際的な道理に照らして問題点があれば是正していく経験を我が国は持っています。戦後処理の不公正を正すという立場こそ必要ということが、日ソ共同宣言から六十周年の歴史の教訓だと思います。
 この立場から、昨年十二月の首脳会談について初めに聞きます。
 資料の一枚目をごらんください。これは、外務省ホームページ「北方領土問題とは?」というところより抜粋したものです。
 日本の北方領土に対する基本的立場は、「北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結する」であり、解決に当たっては、「北方領土の日本への帰属が確認されるのであれば、実際の返還の時期及び態様については、柔軟に対応する、」とあります。
 まず、総理に確認します。基本的方針として、これは間違いありませんね。
○岸田国務大臣 御指摘の文言につきましては、我が国の基本的な方針そのものであると承知をしております。
○畠山委員 総理にも確認します。
○安倍内閣総理大臣 外務省のホームページについてでもございましたから、外務大臣から答弁させていただきましたが、こうした記載、今御紹介いただいた記載は、我が国の北方領土交渉の方針そのものであります。
○畠山委員 我が国の方針であるという答弁で確認いたします。
 それで、両首脳が合意した内容のプレス向け声明、これは資料の三枚目につけているものですが、四島については、共同経済活動にかかわり協議を開始すると触れていますが、領土交渉の内容としては触れられておりません。
 資料の二枚目をごらんください。ロシアがプーチン大統領になってからの日本との共同声明における領土問題についての部分の抜粋を、二〇一三年の共同声明も含めてまとめたものです。
 二〇〇〇年の九月五日、二〇〇一年の三月二十五日、二〇〇三年一月十日、いずれも、択捉島、国後島、色丹島及び歯舞群島の帰属に関する問題を解決することにより平和条約を締結すると明記されてきました。
 安倍政権になってからはどうなのか。
 そこで、二〇一三年四月二十九日の共同声明です。ここの第七項目で、四島の名前はありません、「その問題を、双方に受入れ可能な形」での解決が記述されて、八項目めで「これまでに採択された全ての諸文書及び諸合意に基づいて進める」と書いているところで、辛うじて到達点を踏まえてきていると読むことはできます。なお、この共同声明は、両首脳のサインはないという事実は一言述べておきます。
 そして、今回です。四島について、先ほどの三枚目のプレス向け声明ですが、領土交渉の内容としては触れられておりません。
 一日の本委員会で、この点に関する質問に対して、重要なのは会議全体の成果であり、両首脳で今までの成果文書を踏まえた上で協議を行うことを確認したとの答弁がありました。
 それならば、総理に確認いたします。先ほど初めに聞いた、日本政府の方針である北方領土の日本への帰属について、今回の会談で言葉にして確認したのかしていないのか、お答えください。
○安倍内閣総理大臣 二人のやりとりについて、詳細についてお話を申し上げることは差し控えさせていただきますが、日本の基本的な立場について主張しているのは当然でございますし、四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結する、これが基本的な日本の立場であります。
 これは詳細について述べることは差し控えさせていただきますが、今、基本のところでございますから申し上げれば、当然その主張はしている。これは当たり前のことでございまして、再々その主張はしているところでございます。
 いわば、その意味において、四島の帰属問題を解決して平和条約締結交渉をする、平和条約を締結する、その平和条約をまさに私たちの手で締結しようではないかということを申し上げているわけでありますが、その前提についてももちろん申し上げているところでございます。
○畠山委員 なぜこのことを質問したかといいますと、プーチン大統領が交渉の前に、日本の報道を通じて、ロシアには領土問題は全くないと思っていると発言したからです。読売新聞、二〇一六年十二月十四日付で、これは総理も御存じのことと思います。
 総理は、領土返還のための信頼づくりが必要だと、四島での共同経済活動の意義を述べてきました。しかし、相手が領土問題は全くないと言っている以上、それでは何のための共同経済活動なのかとなるのではないのでしょうか。
 四島での共同経済活動は、一九九八年の小渕・エリツィン会談後に、共同経済活動に関する委員会が設置をされました。このときには、あわせて国境画定に関する委員会も設置されました。つまり、日本政府の基本方針を踏まえるならば、領土交渉や国境画定に関する取り組みを担保してきたということではないのでしょうか。
 だから、今回、事前にプーチン大統領が領土問題は全くないと言ったことに反論なく共同経済活動を進めるのであれば、懸念が生まれるのは当然です。特に元島民や根室など近隣地域では、そのような歴史を知っているからなおさらです。
 そこで、総理にもう一度、事実として確認します。今度は、プーチン大統領の、領土問題は全くないと言っていたその発言に対して、何か指摘はしたのでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 中身についてはつまびらかにできませんが、二人だけで九十五分間、会談をしているわけであります。基本的には、そのほとんどは領土問題と平和条約の締結でありますから、平和条約の締結の核心は領土問題でありますから、大体、そのことについてこちらは大統領にこちらの立場をずっと申し上げてきているわけでありますから、そこから推察をしていただきたいと思うわけであります。
 こちらの立場を主張しない交渉はそもそもないわけでありますから。当然、私が九十五分ずっと相手の言うことを聞いていたわけではありませんから。私は、口を開けば、日本の基本的立場を申し上げているわけでございます。
 そこで、小渕総理のときの取り組みについてお話をされたわけでありますが、あの取り組みは取り組みとして、努力で終わりましたが、結果としては全然そこは進まなかったわけであります。共同経済活動についても進まなかったのは事実でありますし、帰属の問題も進まなかったのは事実であります。
 要は、進めていくことが大切であるということが一つと、特別な制度のもとでの四島での共同経済活動も平和条約締結への一環であるということについては、私は、日ロで、プーチン大統領との間で合意ができている、このように考えております。
○畠山委員 全て明らかにしろとはもちろん言っておりませんが、今私が質問したことは、先ほど総理も述べたように、基本的な方針のことであり、元島民や根室の皆さんが知りたい中心点であるわけです。それが、共同記者会見、プレス向け声明の後にはそういったことはありませんでした。私、記事を全部読みました。だから、きょうの質問もそうですけれども、元島民の方などが注目しているわけです。
 私、選出は比例北海道ですが、改めて、先日、根室市へ行って、元島民の方などから話を伺いました。
 率直に言えば残念だったという深い落胆の声などが出されてきて、なぜかといえば、領土が返還されないことで元島民や根室市などで何が起きてきたか、その歴史を聞いてほしいというふうに言っているんですよ。樺太経由で引き揚げさせられた方もいたし、船の吹きさらしの甲板で耐えた元島民の方もいらっしゃったし、樺太に抑留されて亡くなった方もいたし、島で多くの方も亡くなりました。このような話を元島民の方がするだけでも胸が苦しむと言っている方もいらっしゃいます。
 水産の町である根室市など周辺自治体で、一九四六年から二〇一五年までの漁船拿捕数は、外務省が認めた数によれば千三百四十一隻です。銃撃を受けて亡くなった漁民もいらっしゃいました。たった十年前のことです。
 昨年は、サケ・マスの流し網漁がロシアで禁止されたことによって、水揚げ量は前年比八千トン減りました。根室市の一般会計予算は約百七十億円ですが、昨年の十二月二十一日付日経新聞地方版によれば、流し網漁禁止の損失は二百億円と報じられています。
 根室市長は町の存亡問題と述べて、地元の水産加工業や運輸業では仕事がない、地域経済が落ち込んでいくと、危機感だらけです。何度も私も根室へ行きましたが、島さえ返ってくればと、行くたびに話を聞いてきました。
 総理、この苦しみの根源は領土が返ってこないゆえだ、そうですよね。
○安倍内閣総理大臣 それはまさにそのとおりであると私も思います。
 私も、十二月十五日のプーチン大統領との会談を行う前に、島民の皆様と昼食をともにしながらお話を伺いました。その際に、島民の皆様からは、総理大臣と食事をしながら自分たちの考え方を述べるのは実は初めてだった、よくこういう機会をつくっていただいたと言われました。私も、第一次政権もありますし、今までの四、五年間、そうした機会をつくらなかったことは大変申しわけないと思いました。しかし、長い長い間そういうチャンスがなかったのも事実であります。
 そして、今回、島民の皆様からお預かりしたお手紙と写真をプーチン大統領にお見せしたわけであります。私の目の前で読んでいただいた。七十歳から勉強したロシア語で書かれていた手紙を読んでいただいたんです。これは、初めて島民の気持ちが直接大統領、ロシアの最高権力者に伝わったと私は思いました。プーチン大統領も、胸を打たれる思いだということをおっしゃったのは事実であります。
 そこで、しかし、今まで七十年間返ってこなかったのは事実でありますから、今までのやり方で返ってこなかったんですから、どうやって取り返すか。それはやはり新しいアプローチしかない、このように決意をしたわけでございます。
○畠山委員 新しいアプローチについては別個に議論したいと思っているんですが、手紙や写真を渡されて、しかし、その結果、先ほど述べたように、共同記者会見では中心的な部分でさえ、全部つまびらかにしろと私はさっき言っていないけれども、そこも言われていないことに現地ではがっかり感が強いと先ほど言ったじゃありませんか。
 総理に要請したいことがあります。
 先ほど、考え方を元島民の方と総理が話し合うのは初めてだ、総理としてですかね、これまでの歴代総理としてということでしたので、ぜひ根室市へ行ってほしいんです。もちろん、私が紹介したような話を聞いてほしいというのもありますし、四島での共同経済活動で深刻な地域経済が少しでもよくなればという一縷の望みを持ってもいます。
 この点についてはいろいろ意見があるので別の機会に質問したいと思っていますが、元島民や根室市などでは総理に聞きたいことがたくさんあるんです。だって、七十年待ってきたわけですよ。
 先日行われた日ロ次官級協議では、墓参の拡大も議論されております。高齢で時間もない中、急ぐべき課題であり、これは拡充を強く求めておきます。そして、総理には重ねて、根室市への訪問を強く要望しておきたいと思います。
 後半は、では、どのような道理で交渉するのかについて質問します。
 総理は、先ほどから私が述べている首脳会談後の共同記者会見で、あるいは本委員会でも、領土問題について、日本の立場の正しさを確信していると言いつつも、互いにそれぞれの正義を何度主張し合っても、このままではこの問題を解決することはできませんと述べました。
 では、ロシア側の正義というのは何なんでしょう。プーチン大統領は、その共同記者会見のときに、一九四五年の戦争の後、向こうの言葉ですが、南クリル列島の島々をも取り戻しましたと述べています。その根拠の一つとしているのがヤルタ協定だと思います。一九四五年二月に、当時のソ連の指導者スターリンに千島の引き渡し、これを対日参戦の条件として、米国、英国が認めた秘密協定です。
 外務大臣に確認いたします。このヤルタ協定についての日本の考え方、立場を御説明ください。
○岸田国務大臣 御指摘の、米英ソによるヤルタ協定ですが、樺太の南部及びこれに隣接する全ての諸島がソビエト連邦に返還されること、及び千島列島がソビエト連邦に引き渡されること、こうしたことが記されております。
 他方、このヤルタ協定は、当時の連合国の首脳者の間で戦後処理方針を述べたにすぎないものであり、関係連合国間において領土問題の最終的処理につき決定したものではないと考えます。
 そして、我が国はヤルタ協定に参加しておらず、いかなる意味でもこれに拘束されることはないというのが我が国の立場であります。
○畠山委員 ヤルタ協定の法的効果は否定するということです。
 国際社会の戦後処理の大原則は、言うまでもなく領土不拡大です。第二次大戦で数千万人が命を落とし、多大な犠牲の上に成り立っている国際秩序です。それを一方的に破ったのが、この密約であるヤルタ協定です。
 総理に認識を問います。このヤルタ協定、密約自体が領土不拡大という国際原則に反するという認識を総理もお持ちになっていますか。総理の認識です。
    〔委員長退席、宮下委員長代理着席〕
○安倍内閣総理大臣 外務大臣からも答弁をさせていただきましたが、そもそもこのヤルタ協定は、当時の連合国の首脳の間で戦後処理方針を述べたにすぎないものであり、関係連合国間において領土問題の最終的処理について決定したものではない。また、ヤルタ協定は、一九四六年二月まで秘密にされており、また、そもそも我が国は参加しておらず、いかなる意味でもこれに拘束されることはないわけであります。
 その当事国でない我が国は、ヤルタ協定の内容と領土不拡大原則の関係につき説明する立場にはないわけでございますが、要すれば、大西洋憲章及びカイロ宣言で明確にうたわれたいわゆる領土不拡大原則は、第二次世界大戦における重要な原則となり、その後、ポツダム宣言にも継承されています。このポツダム宣言は、ソ連を含む連合国と我が国との間での戦争終結のための基本的な合意であり、その中に引用されている領土不拡大原則は、戦争終結のための一つの条件としての性格を有しています。
 いずれにせよ、北方四島は日本固有の領土であるというのが我が国の一貫した立場であり、そして、この四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するというのが基本方針でありますが、先般のプーチン大統領との会談の後の記者会見においては、プーチン大統領自体が、大事なのは平和条約だと明確に述べているわけでありますし、この問題を解決していく真摯な決意を両首脳が示す、これは声明にもうたわれているところでございます。
○畠山委員 まだそこまで何も聞いていませんから。
 私が聞いたのは、まだ、プーチン大統領と何をどうしたかということではなくて、一般的に、このヤルタ協定、密約自体が領土不拡大という国際原則に反するという認識を総理が持っているかと聞いたんです。明確にお答えはありませんでした。
 私、今手元に、外務省の「われらの北方領土二〇一五年版」があります。よく記録としてまとめているものだと思って読みました。日本側から指摘や反論をしたときには、きちんと記録としてそれも残っているわけです。
 総理は先日、相手を論破して領土が戻るのかと言っていましたが、そもそも、歴史的事実や国際原則に基づいて反論するのは当然のことです。総理もよく、国際社会における法と正義、法による支配の重要性、こう述べているではありませんか。
 総理に確認します。このヤルタ協定の不公正について、先日の首脳会談でプーチン大統領に指摘や反論はしたのですか。
    〔宮下委員長代理退席、委員長着席〕
○安倍内閣総理大臣 私は、もう第一次政権のときから十五回首脳会談を行っています。その経験に基づいて私は申し上げているんです。
 今まで日本は、歴史的な経緯、国際法との関係について、我々の主張の正しさをずっと述べてきました。私も述べてきましたよ、ずっと。私以下のところで行う次官級あるいは審議官級、局長級のときの議論というのは、ほとんどそこに焦点が当たって、延々と議論するんですよ、延々と。延々と議論して、まさに、例えば一八五五年のプチャーチンが来たときから始まって、ずっと議論して、またそれから始まるんですよ。延々と議論するんですね。
 しかし、そこで議論して、こちらの主張は述べます。我々は当然、ロシア側が、ただしこれは戦争の帰結の問題であるということをよく主張するわけでありますが、それに対してこちらとしては、今委員がおっしゃったさまざまな論点もあります、そういう論点も含めて反論しております。
 しかし、そこで反論していても、これは一ミリも動きませんよ、はっきりと申し上げて、私の経験上から。私も、五六年の交渉のときから、ずっと交渉の記録を全部、極秘の交渉も全部見てきました。ずっとこれをやっているときには、実は一ミリも動かないんですよ。
 では、どうやってお互いに一歩踏み出せるかということを一緒に考えるときに初めて議論は建設的なものになるわけでありまして、私はそういう意味で申し上げているのであって、我が国の立場の正当性を主張するのは当然のことであります。でも、私が言いたいのは、これを主張して、向こうが、わかりました、ではお返ししますということになるような単純な問題ではないということは申し上げておきたいと思います。
○畠山委員 ヤルタ協定について中心的に今お聞きしております。さまざまなことが、総理、そのようにされてきていること自体としては承知はしているつもりです。
 二〇〇六年二月一日の日経新聞で、ヤルタ協定について、プーチン大統領がこのときに初めて公式の場で述べたのではなかったかと思います。
 そのときの新聞によれば、プーチン大統領は記者会見で、両国が受け入れ可能な解決策を探り始めたと述べて、国際的な合意に基づき解決策を探ると言明、当時、ロシアが北方四島を含む千島列島を自国領とする根拠であるヤルタ協定、ポツダム宣言などを挙げたとの報道です。
 今述べたように、このときがプーチン大統領がヤルタ協定を根拠として言明した最初のことではないかと思うし、総理は当時官房長官でしたから御存じだと思います。
 今私がずっと述べてきたヤルタ協定の言明に対して、総理はいろいろという形で述べたけれども、日本政府の反論や指摘などはこれに、「われらの北方領土二〇一五年版」にも出てこないわけですよ、最初に外務大臣がヤルタ協定についての日本の政府の立場を括弧書きで書いているだけで。そういうことが、プーチン大統領が今回に至るまで日本政府に、領土交渉は全くないとまでの発言につながってきてしまったのではないのでしょうか。
 総理、それならば、ヤルタ協定の不公正をプーチン大統領に明確に、今までだって反論や指摘をしたことはきちんとここに、外務省の公式文書として記録に残しているではありませんか。今度またロシアに早いうちに、前半に行くというのであるならば、きちんとこのヤルタ協定、戦後処理の不公正について指摘や反論することを求めますが、いかがですか。
○安倍内閣総理大臣 今申し上げましたとおり、領土不拡大原則は戦争終結のための一つの条件としての性格を有しているわけでありますが、先ほど申し上げたとおりでありまして、当事国ではない我が国は、ヤルタ協定の内容と領土不拡大原則の関係について説明する立場にはないわけであります。
 しかし、いずれにせよ、根本として、北方四島については我が国固有の領土であるということはもう既に申し上げてきているとおりでございまして、その立場は変わりがないわけであります。
 そこで、もう既にさまざまな議論をしてきたということは繰り返し述べてきたとおりでありまして、また、例えば私とプーチン大統領との間でその議論に戻ったら、延々とまさにヤルタのときから今日に至るまでの議論をまたしなければいけなくなって、これは三日ぐらいかかっちゃいますから、そんなことよりも、既に今決めている新しいアプローチにおいて少しでも平和条約締結、四島の帰属の解決に近づく方がプラスであって、私たちの主張が間違っているということではありませんよ。
 今委員がおっしゃっていることを私は否定するものでは全くないわけでございまして、そうしたことは今までさんざんやってきたということは申し上げておきたいと思います。
○畠山委員 時間ですので終わりますが、戦後処理の不公正、領土不拡大の原則を破った事実を主張すべきであるし、これまでの日本政府の領土交渉の方針の抜本的な再検討を改めて強く求めて、質問を終わります。