○畠山委員 私は、日本共産党を代表して、企業立地の促進等による地域における産業集積の形成及び活性化に関する法律の一部を改正する法律案について、反対討論を行います。
 この十年間、企業立地促進法と各地の企業誘致競争によって、大企業の工場が立地すれば地域経済が活性化するとの地域経済成長戦略は、政府自身も認めるように、付加価値額も製造品出荷額もマイナスとなり、立地企業の撤退や地方の疲弊が進み、格差は拡大しました。
 本法案は、この呼び込み型企業誘致策の失敗の反省もなく、形を変えた一層の成長志向路線を突き進むものとなっており、極めて重大です。
 反対理由の第一は、特定の地域中核企業に支援を集中する一方、地域の雇用と経済の担い手である産業集積を法目的、理念から削除、切り捨てるものだからです。
 本法案で支援対象となるのは、圧倒的多数の地域中小企業・小規模事業者以外のわずか二千社にすぎません。一握りの、稼ぐ力がある中核企業が伸びれば地域全体が潤うというのは幻想であり、大企業が国と地域を選ぶ時代には、特定企業の成長が国民経済の好循環につながる保証はありません。この構造的大変化の現実を直視すべきです。
 第二は、地域経済牽引事業者の提案制度が、いわば地方版特区として、規制緩和の先鞭をつけるものだからです。
 法案に盛り込まれた事業環境整備提案制度は、地域経済牽引企業が自治体に対し、条例等による規制の緩和、撤廃を直接要求できるとするものです。産業競争力強化法の企業実証特例制度の地方版、まさに地方版特区として、地方から規制緩和の大穴をあけることを狙うものです。住民の命や暮らし、環境保全よりも地域経済牽引企業の利益を優先させるもので、地方自治の本旨に反するものです。
 第三は、地域経済牽引企業のために優良農地の転用を促進するものだからです。
 農水省は、本法案の施行に合わせ、これまで原則転用不許可としてきた第一種農地の転用を認める方針を示しました。土地利用調整区域に指定さえすれば、食料供給の基盤として保全すべき優良農地が歯どめなく転用される重大な危険があると言わざるを得ません。
 多国籍企業の海外移転による産業空洞化や内需不振の中でも、圧倒的多数の中小業者を中心とするものづくり産業集積や地場産地は雇用と地域社会を支えてきました。真に地域経済を発展させる道は、これら産業集積の面としての役割に光を当て、多様な主体の力が発揮され、内発的、持続的な発展につながる地域循環、振興政策へ根本的に転換すべきことを指摘し、討論といたします。