○畠山委員 日本共産党の畠山和也です。
 きょう、参考人五人の皆様には、国会の方へ足をお運びいただき、貴重な御意見をいただきましたことに、私からも心から感謝を申し上げます。ありがとうございます。
 それでは早速ですけれども、質問をさせていただきたいと思います。法案にかかわることや、全体的な、中小企業と金融機関の関係などについて伺いたいと思っています。
 まず法案ですけれども、今回、新たな保証として危機関連保証が設けられることになります。リーマン・ショックや東日本大震災級の大規模な経済危機、災害に対応するというものですが、適用期間が原則一年、延長できてももう一年、合計二年ということで区切られております。
 この一年から二年という範囲で中小企業、小規模企業がどこまで何が回復できるか。このカバーできる実効性についての判断はどう考えたらいいかというのがあると思います。きょう午前中の質疑でも、我が党の真島議員から、一年ないし二年ということで短いのではないかという懸念の質問も行いました。
 そこで、この点については細川参考人と柴田参考人に伺いたいと思いますが、私ごとで恐縮なんですけれども、私は宮城県石巻市が生まれで、高校まで育ったところなんです。今も両親や親戚が住んでいまして、三月十一日はもちろんなんですが、定期的に石巻市へ行きまして、中小企業などの実態についても、水産加工会社が中心になるのですが、話も伺ってきました。六年が過ぎましたけれども、やはり経営の大変さは続いていることは、皆さん御承知のとおりだと思います。
 ある水産加工会社の例なんですけれども、グループ補助金が活用されて、新たな加工する機械なども導入することはできたんですが、やはり苦労している問題の一つに、販路の回復。失ったものをさらにまた回復するということの大変さはいつもいつも聞くわけです。震災から復旧するのに、一年や二年、間に進んだとしても、その間に失った販路であったり取引先であったり、この回復というものはなかなか大変だし、今も影響を受けているというのが現状だと思うんです。
 こういうような実態を見ますと、そういうのは、業種であったり、都市部なのか沿岸部なのか、また町村部なのか、いろいろ違いはもちろんあるんでしょうけれども、今回のような危機関連保証の一年ないし二年というのは、その実効性として、東北の現状から見てどのように考えたらいいのか。
 また、きょう大臣は、その後はセーフティーネットの四号を使えばいいんだみたいな答弁もあったんですが、結局そういうところの課題が、今回の危機関連保証について御所見があれば、細川参考人と柴田参考人に、地域を支える観点からお伺いしたいと思います。
○細川参考人 先ほど申し上げましたように、東日本大震災の復興支援につきましては、私どもの業務の中でも大変重要な業務として、今も基本の業務として、腰を据えてこの業務に携わっているところであります。
 今回の改正につきまして、一〇〇%保証を一年に限って行うという改正が行われて、原則一年でございますが、これは、その審議会の中で、さまざまな議論の中でつくられた制度だというふうに思います。
 したがいまして、そういう議論の中で積み上げられたものは大事にしたいというふうに思っておりますが、その時々の状況におきましては、中小企業庁の方でも御答弁があったと思いますが、単にこの危機関連保証だけで対応していくということではないと思いますので、状況に合わせた形で運用がしっかりなされていくというふうに私としては理解しております。
○柴田参考人 東日本の震災の危機の関係ですね。静岡県も、同じくやはりお茶の産業、そういったようなところで影響が出て、実際に対応したというようなところがあるわけですけれども、では、それがどういう状態になったら出口というふうに言えるのかというところは、やはり非常に難しい部分があると思います。
 ただ、事業の中から生まれるキャッシュフロー、事業でその経常収支がプラスになってちゃんと通常の返済ができるようになるかどうかというところは、やはり、個別企業ごとに丁寧に見ていく必要があるというふうに思っております。
 ですから、一律に一年とか期限を区切ってきっちり見れるというものではなくて、やはり、その期限の後に、それが、倒産企業の状態とか、あるいは融資を受けた企業のキャッシュフロー、そういったようなものを丁寧に見ながら、本当に出口という形にできるのかどうかということを判断していく必要があるんだろうというふうに思っております。
○畠山委員 ありがとうございます。
 これだけの大きな規模の震災で受けた被害ですから、その後にかかる課題も複合的なんだろうと思うんですよ。
 ですから、大村参考人にもちょっとかかわって、違う角度からお聞きしたいんですけれども、もちろん、こういう災害が起きたときの保証の充実ということは、あったらそれはありがたいことですし、当然ではあるのですが、今述べたように、復旧する上での課題というのは複合的で、販路の回復であったり、取引先との関係も、被災地に取引先があったりすれば、お互いに大変だったわけですから、その後どうしたらいいか、契約の実際の、また一からやり直さなければいけないとか、さまざまなことが中央会の方でも蓄積として、この間、議論や対応がされてきたと思うんです。
 ですから、ちょっと法案から離れますけれども、今後、大規模災害ということは、もちろん心配がされることでありまして、災害に対する、中小企業、小規模企業の立場からしてどのような支援が求められているか。一般的なものでも構いませんので、改めてこの機会にお聞かせいただけますでしょうか。
○大村参考人 災害に対して私ども中央会では、グループ補助金が非常に役に立ったという話を聞いておりまして、また、この問題も、この間の熊本地震におきましてもまた適用していただいて、感謝申し上げるところでございます。また、対応が非常に早かったということが、中小企業にとりましては大変ありがたかったなと思っております。
 災害に対する補助金その他は、本当に中小企業としては、今のところ大変感謝しております。
 以上でございます。
○畠山委員 ありがとうございました。
 法案にかかわっては、セーフティーネット保証第五号についても一つの焦点だと思いますので、その点もお聞きしたいと思います。
 御存じのように、現行一〇〇%から八〇%に見直すとする理由として、中小企業者による経営の改善発達を促すため、銀行その他の金融機関と連携を図る旨の一環として改定されるもので、これは先ほどから既に議論があるとおりです。
 この点にかかわって、村山参考人と、これも大村参考人に伺いたいと思います。この点についての基本的な考えは先ほどの意見陳述でも述べられたと思いますので、違う角度で伺いたいと思っています。
 金融ワーキンググループの示した考え方にはこのような文言があります。過度に信用保証に依存すると、金融機関が行うべき借り手への経済支援が弱まり、中小企業自身の経営改善意欲が失われるとあります。古くて新しいというのか、新しくて古い問題というのか。ただ、そこはどこの程度の問題かと思うんです。
 実際に、今、この文書で私が読み上げたような実態なんだろうか。そういう中小企業が果たして圧倒的多数なんだろうか。問題意識は、正確に事実を知りたいということであります。
 ですから、保証割合の八〇%見直しのことは、触れることがありましたら述べていただいて結構なんですが、聞きたいのは二つです。一つは、セーフティーネット保証五号がこれまで果たしてきた役割について、改めて、そもそものところが一つと、この信用保証への過度な依存という指摘についてのお考え、この二つの受けとめをお聞かせいただければと思います。村山参考人と大村参考人でお願いいたします。
○村山参考人 今回のセーフティーネット保証五号の見直しというのは、セーフティーネット保証五号というものの意義について、問題だからそれを変えるという趣旨としては私どもは受けとめておりませんで、そこはやはり、比較的突発性が少ない、そういうようなこういう不況業種といったような分野のところにつきましては、金融機関の支援姿勢をより促す方向で改善をすべきだ、あるいは、中小企業の経営努力というものも進めていくような形で制度を改善していくべきだという観点だというふうに受けとめております。
 では、その責任共有制度がそういう金融機関における支援姿勢を高めることになるのかという点についてのお話かというふうに思いますけれども、私ども、先般、責任共有制度が導入されてこの間、十年近く今たっているわけでございますけれども、その間の中で、金融機関の中で、従来からもコミュニケーションはしておきましたけれども、こうした中で、金融機関とのその案件についての議論というものがより濃密になったといいましょうか、密接になってきたという事実はこの十年余りの中では確かにあろうかと思いますし、責任、経営支援についても、ともにやっていこうということで、そういう点での効果もあったというふうに思っております。
 また、今回の措置につきましては、比較的経営が不安定な小規模事業者向けには別途の措置も講じられておりますので、その辺を、それぞれの企業さんの状況に鑑みながら、私どもとしても、それぞれの事業者さんがしっかりと立ち至っていくように、しっかりと金融機関と連携しながら頑張っていくということで頑張ってまいりたいと思っております。
○大村参考人 法改正の趣旨及びその他の制度の拡充措置が講じられているということを勘案するとやむを得ないなという面もありますが、中小企業の資金調達面から考えると、保証割合が下がるということはマイナス要因だ、それは間違いないと思っております。
 制度後、中小企業が円滑に資金調達を行えるよう、信用保証協会と金融機関の連携強化及び制度趣旨を踏まえ、積極的にリスクを共有するよう、しっかりと監督していただきたいと思っております。
 当会としても、会員の声を数多く拾い上げて、これからもいろいろ意見を聞いた上で、提言、要望等していきたいと思っております。
○畠山委員 ありがとうございました。
 責任共有制度の話が出てきましたので、少しその辺にもかかわって伺いたいことがあります。
 二〇〇七年からですからもう十年になりますが、一般保証の部分保証化、責任共有制度要綱ですか、が策定された。このときにも、セーフティーネット保証と特別小口保証は対象外とされておりました。ただ、括弧、当面の間、括弧閉ずという扱いではありました。
 その背景としては、やはり中小企業や小規模企業の実態があるからだと思いますし、これも先ほどからありましたように、日本の中小企業の約四割が信用保証を利用している実態にも明らかで、この五号においては九十何%でしたか、全体の中で占めている割合から見ても当然のことだと思うんです。
 これは細川参考人に伺いたいと思います。小規模企業基本法には、第四条に、「小規模企業の振興に当たっては、小企業者がその経営資源を有効に活用し、その活力の向上が図られ、その円滑かつ着実な事業の運営が確保されるよう考慮されなければならない。」また、第十条には、「政府は、小規模企業の振興に関する施策を実施するため必要な法制上、財政上及び金融上の措置を講じなければならない。」というふうにあります。もちろん、中小企業にも小規模企業にも資金需要はあると思います。
 それで、もちろん経済産業省がしっかりやらなければいけない話ではあるんですが、この法の精神に立った上で、とりわけ小規模企業・事業者に対して有効な信用補完制度という角度についてどのようなことが考えられるか、必要と思われるか、所見をお聞かせいただければと思いますが、いかがでしょうか。
○細川参考人 信用保証制度そのものにつきましては、今、制度の中でいろいろな特例措置も行われておりますし、例えば創業についての創業関連保証とか、そういう制度がありますので、それをいかに適切に運用するかということが大事だと思います。
 我が公庫としましては、特に、先ほど申し上げました三つの公庫が統合した中の一つですけれども、昔の国民生活金融公庫、これは主としてやはり小規模事業者に対する融資を中心に行うということになっておりますし、その中でも、特に我々公庫としては、創業支援についてさまざまなノウハウを蓄積しておりますので、この点については、特に最近でも力を入れて取り組んでいるところであります。
 特に、先ほど民間金融機関との連携の話を申し上げましたが、民間金融機関との連携の中でも特に創業の部門につきましては、我々の持っているノウハウと、それから、民間金融機関とのかかわりといかに結びつけていくかということが大事だと思います。
 私どもの研究所の調査によりましても、まず公庫が出ていって、その後金融機関が融資をしていく、立ち上げのときは我が公庫の創業融資支援を受けながら、事業が回転し出すと、その回転資金をできるだけ民間から出していくということが調査の上でもはっきりしてきておりますので、その辺の連携についてはやはり有効なのではないかというふうに思っておりますので、そういうことも、実際上の運用に当たってはよく頭に置いてしっかり対応していきたいというふうに思っております。
○畠山委員 今かかわって大村参考人にも同じようなことをお聞きしたいと思っておりました。
 我が国においては、さまざまな中小企業、小規模企業にかかわる法律はありますし、EUなどともよく比較をしまして、とりわけ小規模事業などが地域の産業、社会において重要な役割を果たしているということは、皆共有する課題だと思います。
 そして、今、細川参考人が話された形で、さまざまな資金のやりくりということが発展の一つの大きな鍵であるということだと思うんですが、改めて大村参考人の立場から、金融機関であったり公庫であったり、こういうような状況にお考えのことがありましたら一言お聞かせいただけたら、言いにくいことがあるかもしれませんけれども、こういう機会ですので、御所見をいただけたらありがたいなと思っています。
○大村参考人 私個人としては余りそういう経験がないのでちょっとお話しできないんですが、中央会でもそういう問題がないわけじゃないんですが、話し合われる場が今のところ非常に少ないんですよ。先ほどもちょっとお話ししたんですが、件数が非常に少ないということで、実際はもっとあるかもわからないんですが、委員会等でも余り話が出ないので、極力こういうことはもっと積極的に聞くようにして、発表したいと思っております。
○畠山委員 ありがとうございました。
 小林参考人に伺わさせていただきます。事前に調査室が用意した資料などを読みまして、金融ワーキンググループなどでの参考人の御発言も読ませていただきました。見解は全て一致するものではもちろんありませんけれども、ただ、きょうも発言の中心テーマでありました、いわゆる貸し手、借り手の信頼関係についての重要性ということでは、その指摘は大事な点だろうというふうに私ももちろん共有するものです。
 それで、いろいろなケースがあるのでそれぞれだと思うんですが、ただ、きょう午前中に我が党の真島議員があるクリーニング屋さんのケースを紹介いたしまして、これは阪神・淡路大震災のために店舗兼住宅が全壊された方なんですけれども、売り上げが減って、長男が週三日アルバイトをして、家族が力を合わせて、借り入れを条件変更しながら必死に返済を続けてきた。典型的な、本当に小規模事業者なんだろうと思うんです。ところが、御主人が亡くなったときに銀行と信用保証協会が、代位弁済の手続を進めたいという連絡が入った。奥さんや長男からは商売を続けて返済する意思があることを伝えて、この手続をとめさせたなどのことがありました。
 どうしても私たち、こういう場になると金融機関に対してなかなか厳しいことを言う機会が多いんですけれども、ただ、現場ではやはりこういうことが、実際はいろいろなケースがあるんだろうと思いますが、あり得るんですよ。
 その中で信頼関係をつくるということはもちろん大事なわけでありまして、昨年六月に、金融庁の監督局、中小企業庁から出された総合的な監督指針においても、生活基盤は損なわれないようにやはりしなければならないという当然の指摘がありました。
 これも、参考人が先ほど述べられたように、金融庁の調査などでも、小規模企業なんか、回答された企業のうちの特に四五%が、メーンバンクに経営上の対策を相談していないという結果があったことは私も驚きだったんです。ここまでなのかという率直な感想を持ちました。借り手からすれば、何を言われるかという不安がつきまとうのは当然でありまして、小規模ならなおさらだと思います。
 それで、きょうはどちらかというと借り手側についての発言も多かったと思いますが、国の監督であったり、貸し手側に対する信頼関係構築について、参考人の立場から、これをやった方がいいよ、やるべきだよということがありましたら、御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○小林参考人 私は、ちょっと次元が変わるかもしれませんけれども、経営者保証ガイドラインの座長をやっておりまして、経営者保証ガイドラインをまとめました。先ほど来ちょっと出ていましたけれども、中小企業のうちの十七万者ですか、信用保証協会で借りていて条件変更をしているというところがございました。
 しかし、問題となるのは、後継者のときに保証債務がどうなるかということは非常に関心が多いところでございます。そもそも、中小企業者では後継者が見つかりにくいというところに加え、後継者が保証を引き継ぐということになりますと、しかも条件変更をしているということは余り経営状態が好ましくないというようなことになりますので、そのようなときに保証債務について厳しく金融機関が対応しますと、後継者が成り立たない、後継者とならないという事態になります。先ほど例が挙がったクリーニング店のところも、世代がかわったというところだと思うんです。
 金融機関に対しては、日ごろもそうなんですけれども、特に後継者のときに、その保証債務をどうするか、こういったことについては非常に弾力的にやらないと、中小企業の後継者不足にますます拍車がかかる、そうすると地域全体にとって非常にマイナスになる、そういうことをちょっと恐れております。
 以上です。
○畠山委員 時間ですので終わりますけれども、改めて、五人の参考人の皆さんから貴重な御意見をいただきまして、今後の審議に反映させていきたいというふうに思います。
 ありがとうございました。