○畠山委員 私は、日本共産党を代表して、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 化審法制定のきっかけとなったのは、国内最大の食品公害であるカネミ油症事件です。その後の調査によって、人体や環境中に相当量のPCBが蓄積されるなどの汚染の実態が明らかになったことから、世界に先駆けて、国による新規化学物質の事前審査を柱とする本法が制定されました。
 健康被害、環境汚染の未然防止、これが化審法の最も重要な役割です。しかし、事前審査の全部または一部が免除される特例制度が導入されたことにより、既にこの基本的な枠組みには大きな穴があいています。このため、審査を免除された新規化学物質がふえ続け、安全性が確認されていない化学物質が大量に生産、消費、廃棄されてきました。
 本法案に対する中心的な反対理由は、特例制度による国内総量上限を、これまでの数量から環境排出量係数に見直すことにより、実質的に総量の上限なしに新規化学物質の製造、輸入を可能とし、環境負荷の増大に対する懸念が拭い切れないからです。
 財界と化学産業界は国内数量上限の撤廃を要求してきましたが、本法案は、事実上、これに応えるものです。化学、電気、医薬品産業などの製品サイクルのスピード化、低コスト化に規制を合わせようとするもので、人の健康や生態系への影響よりも産業界の要請を優先させるものと言わざるを得ず、容認できません。
 さらに本法案は、化学物質が人の健康と環境にもたらす著しい悪影響を最小化する方法での使用、生産を二〇二〇年までに達成することを求めるWSSD目標の履行措置に支障を及ぼすものとなりかねず、極めて重大です。
 化審法は環境の汚染防止を目的とした規制法です。地球規模での環境汚染の現状をこれ以上悪化させることは、もはや一刻も放置できません。科学的な根拠に基づく規制措置により、人の健康や生態系に対する安全性の確保を大前提にする、この原則を貫くべきだということを重ねて指摘し、反対討論といたします。