○畠山委員 日本共産党の畠山和也です。
 質問の順番を調整してくださった関係委員にまず感謝を申し上げます。経産委員会で初めての質問になりますので、世耕大臣、よろしくお願いいたします。
 早速なんですが、法案にかかわって質問を行います。
 本法案は、もう既に朝から議論がされているように、東電改革提言を受けてのものでありますが、この中身を中心に質問する前に、やはり、東電改革・一F問題委員会での議論の内容、その公開についてを初めに確認しておきたいと思います。
 東電のあり方や、廃炉または賠償、その費用などは、大きな国民的関心事であることは間違いありません。国民負担がふえるのではないかということなどの懸念、報道ももちろんありました。
 世耕大臣も、本会議で、「福島第一原発の廃炉は、世界にも前例のない困難な作業であり、」「廃炉に要する資金を具体的かつ合理的に見積もることは非常に困難」と答弁されました。これまでの、従来の認識だと思います。
 そうであるならば、長期にわたる廃炉や賠償に関する議論を一F問題委員会では行ってきたわけですから、後世の検証にたえ得るべく、委員会の会議録の公開は必須ではないかと私は考えます。
 ですが、この点を我が党が本会議質問を行った際に、大臣は、「検討内容が個社の経営問題に直結することもあり、会議自体は非公開の扱い」と答弁しました。概要や資料は原則公開で、その後ブリーフィングなども行ってきたということなどもこれまでも随時話されていましたが、しかし、事は個別企業の問題にかかわらない、公益性がある事柄だと思います。したがって、公開する重要性の方が大きいと思います。
 大臣に伺います。
 現時点の議論においても、この委員会などで当然必要なことだと思いますし、後世の検証や今後の検証などの点からも、内容を公開する意義はあると思います。そうすべきではないか。大臣の考えをまず伺います。
○世耕国務大臣 今おっしゃっていただいたように、この東電改革委員会では、個社に関する情報も扱う、そして委員の皆さんに闊達に議論をしていただくという意味で、いわゆる議事録を全部公開するのではなくて、議事の概要と使った資料を原則公開するという形にさせていただきました。
 結局、後世の評価にたえるべきものというのは、これは私は報告書本体だというふうに思っています。それがまさに、この東電委員会の皆さんが議論した結果としてまとまったものでありますから。
 このように、議論を、例えば国民の関心が高いとか、後世に評価されなきゃいけないというようなテーマの有識者会議で、ほかにも同じようなことになっているのは幾つもあります。例えば、戦後七十年談話をまとめた有識者懇談会は、発言者名を付さない議事要旨のみの公開でありました。安保法制懇も同じく、発言者名を付さない議事要旨の公開でありました。未来投資会議は、議事要旨を公開して、一定期間後、議事録公開というスタイルをとっています。それぞれいろいろなスタイルをとっているんだろうというふうに思います。
 私は、個社の問題にかかわりますから議事録は公開はできないけれども、なるべくどういう議論をしているかということは世の中にお知らせしなきゃいけないということで、委員長にブリーフィングをしっかりやってもらいました。
 九回会議が開かれていますけれども、例えば六回目なんかは、委員会本体よりも長い時間、委員会本体は百十四分ですが、ブリーフィングは百六十九分やっている。これはトータルしても、委員会自体は千百十四分やっていますが、ブリーフィングにかけた時間は九百三十八分。
 だから、ほぼ、かなり正確に中身について、個社にかかわるところはさわらないまでも、議論の雰囲気とか状況ということについては、委員長からのブリーフィングで十分世の中に伝えているのではないかというふうに思っています。
○畠山委員 議論の経過や、後でも触れますけれども、さまざま、間に新潟の県知事選挙があったりとか、情勢の変化があったと思います。ですから、ほぼ同じようなことを話しているのであるならば、ますます公開する意味は、該当する部分だけはわからないようにして公開することも可能ではないかと思うんですよ。
 それで、なぜこんなことを私が質問したかといえば、そもそもこの会合が、密室で進めることが既定路線だったのではないかという疑いがあります。
 東京新聞二〇一六年十月二十八日付で、この一F問題委員会が複数回の密室会合を持っていたと報じられました。報道によれば、「廃炉費用試算の前提となる廃炉に要する期間に関しても議論されたもよう」とされて、当時の報道ですが、その会合の主催者や費用負担、議事録の有無については「経産省は回答していない。」とのことでありました。この後も、大臣としても、記者会見で、非公式会合なるものは存在していないと答えつつ、個別の資料配付や事前説明などはあってもおかしくないとも記者に答えています。
 これは事務方で結構ですが、この呼び方が非公式会合なのか事前説明なのか、どちらでもいいんですけれども、そのときの記録というのはきちんと残されているんですか。
○村瀬政府参考人 これまで東電改革委員会は、昨年十月五日から本年三月二十八日まで計九回開催しておりますが、これら以外の日程で同委員会を開催した事実はございません。
○畠山委員 委員会の正式な会合としては九回だと思います。その呼び方は別として、世耕大臣が記者会見でも言っていたように、資料配付や事前説明などの会合の記録があるのかと私は聞いています。
○村瀬政府参考人 もちろん、限られた時間で円滑な議論を行うに当たりまして、参考となるような背景情報の提供等を行うようなことはございましたけれども、公式、非公式を問わず、同委員会を開催した事実はございません。
○畠山委員 何かかみ合っていないような感じがするんですけれども。
 公式、非公式を問わず、九回やったというのは、それは公式のものですからもちろんわかります。それ以外にも、大臣も記者会見で、事前説明をするとか資料をお渡しするとかという機会はあるだろうということは答弁されたんですよ。だから、そのときの記録があるんですかというふうに素直に聞いているだけです。
○世耕国務大臣 まず明確に申し上げておきますが、非公式会合というものはありません。
 私も記者会見で申し上げたように、各委員のところを回って資料をお配りする。事前にそこで質問されたら、これはこういう意味ですよというぐらいの解説はする。これは、もう本当に資料配付の延長でありますから、当然、記録のようなものは残っていないと思います。
○畠山委員 記録のようなものは残っていないと思うという大臣のお考えですが、それでいいんですか。
○村瀬政府参考人 そのとおりでございます。残っておりません。
○畠山委員 記録は残っていませんが、会合する際は自費でやるわけではありませんので、費用というものは拠出されているんですか。そのことだけ、あと確認しておきます。
○村瀬政府参考人 通常の説明等で費用たるものは余り発生しないと思いますけれども、費用というものは発生していないということだと思います。
○畠山委員 通常発生していないと思いますが、発生していないと思いますと。よくわかりません。もう一度だけ、わかりやすく答弁してください。
○村瀬政府参考人 かかる費用は発生してございません。
○畠山委員 さまざまな、この一F問題委員会の議論というものは、この後も触れると先ほど述べましたが、非常に大きな意味があると思っています。
 ですから、我が党としては議事録の公開は要求しておきたいと思っておりますが、いずれにしても、この問題について、透明性や公開の問題などは、先ほど、午前中からずっと託送料金のことも含め、出ているだけに、国民的関心と、東電や国の責任の範疇ということにおいて検証はいつも必要な分野だと思いますので、重ねて要求はしておきたいと思います。
 それで、資料もお渡ししていますが、提言の方で改めて確認をしておきます。
 東電改革は三段階の中身でまとめられておりました。第一段階が、送配電コスト改革による廃炉や賠償費用の確保。第二段階が、柏崎刈羽原発の再稼働。第三段階が、送配電と原子力で他社と共同事業体設立。海外の原子力事業の展開ということも念頭にされています。
 これは、私風にまとめれば、国民へ費用のツケを回すのではないか、なおかつ、書いているとおり、再稼働は柏崎刈羽で前提とされておりますし、さらなる原子力事業の展開ということが特徴であると思いますが、何より本質的には、東電の救済ということにならないのか。事故の当事者である東電が最後まで責任を持って行うというのが大原則と大臣は常々おっしゃっています。ただ、実際にこれをやっていったら有限責任になりはしないかということは、この後議論させていただきたい。
 まず大臣に初めに伺いたいのは、第三段階までありますけれども、全般的に、この提言の特徴はどこにあるとお考えになりますか。
○世耕国務大臣 先ほどおっしゃっていただいた三つのステップで成り立っているというところが一番のポイントだというふうに思いますが、これを、まさに経営の現場、特に、厳しい経営の現場を経験してきた経営者の皆さん方が議論をしてつくっていただいた。そして、東京電力の廣瀬社長がオブザーバーとして参加をして、この議論にある程度参加をしながら、必要な東電の経営情報も一定程度出しながら、きちっとしたものがまとまっていった。極めて、実行可能性、実現可能性のあるものができてきたというふうに考えております。
 特に第一段階の、年間五千億円のコスト削減等によって収益を確保して、それを廃炉や賠償の費用に充てていくというところが一番重要なポイントではないかというふうに思っています。
○畠山委員 今の大臣の答弁で、実現可能性という言葉をキーワードに、この後、私の方からも質問していきたいと思います。
 それで、まず第一段階。私は国民への費用のツケ回しじゃないかと述べましたが、その点について伺います。
 託送料金への上乗せが提起をされています。これもきょう朝から議論がされてきましたが、実際は電気利用者の負担となるのではないかというふうに思います。
 そこで、きょうは細かく紹介しませんが、読売新聞の二〇一六年十一月十六日付で、一F問題委員会でも託送料金の値上げには慎重意見が多いとの報道がされていました。しかし、経産省から十二月九日にこの託送料金への上乗せ方針が示されたと、これは朝日新聞二〇一六年十二月十日付で報じられました。
 これが、過程が事実として、なぜ託送料金への上乗せという手段を選択したのかについて答弁を願います。
○村瀬政府参考人 先ほどの答弁の中にもございましたけれども、賠償に係る費用につきましては、福島事故前に、賠償に係る備えが原子力賠償法に基づく賠償措置、一千二百億円のみであったこと、また、制度上、事業者がこれを超える備えを規制料金のもとで回収し、みずから資金を確保する自由が制度のもとで認められていなかったということなどによりまして、賠償の備えが十分でなかったことにどう対応するかという問題に対しまして、政府といたしましては、この制度が十分でなかったことについては真摯に反省をした上で、この備えの不足分につきましては、福島の復興を支えるという観点、原子力の電気を広く消費者が利用していた実態があることなどを勘案いたしまして、消費者間の公平性の確保の観点から、託送制度を利用した公平回収措置を講ずることが適切と判断したものでございます。
 賠償についてということでよろしいですか。
○畠山委員 今の答弁が、基本的な考え方としての答弁として確認をしておきたいと思います。
 今私が質問で述べましたように、報道によれば、一F問題委員会では、託送料金の値上げについては慎重意見が多いとされていたようであります。それで、その慎重意見というものが払拭されたのかどうか。どのような議論をされたのかということはわかりません。
 朝から議論がありましたように、その上乗せということによっては、さまざまな問題が指摘もされてきたことですし、当然、一F問題委員会でも議論とされてきたことでしょう。当然の心配や議論がされていたと私は思います。既に託送料金には電源開発促進税なども乗せられているわけですから、こういうものの上乗せについてのさらなる負担ということについては、国民的な懸念も生じることでしょう。
 そこで、どのような議論がされて、一F問題委員会での委員の慎重意見の払拭はどのようにされたのか。その中身について紹介してもらえますか。
○村瀬政府参考人 一F事故に関しましては、東電委員会以外にも、いわゆる審議会、総合エネルギー調査会のもとにいわゆる電力システム改革貫徹小委員会という委員会が立ち上げられて、九月以降、一F事故の費用の問題に対する対応策について審議会で検討をいただいていたところでございます。
 東電委員会は、東電の改革のあり方について審議をいただくということで設置された委員会でございまして、その議論も踏まえながら、この電力システム改革貫徹小委員会の方で制度設計についての議論が行われておりました。
 確かに、その中で慎重な意見、例えば、先ほどもありましたけれども、公平措置は必要だけれども、税によって措置すべきではないかといった意見もあり、さまざまな意見がございましたが、最終的には、電力システム貫徹小委員会の委員総意のもと、委員長に一任がされまして取りまとめられたものでございまして、その点につきましては、東電委員会でも御紹介をさせていただいて、コンセンサスが得られていっている、こういうことでございます。
○畠山委員 かかる費用のこのような議論の透明化は必要だというふうに思っています。
 資料二枚目に、さまざまな費用についての一覧表を、これもきょう出てきておりますが、私の方からも改めて、議論の土台ということですので、紹介しています。
 それで、いろいろありますが、賠償不足分、プラス二・五兆円について、これを新たに新電力を含む全電力で負担するということになっています。新電力分は、全体の約一割分である〇・二四兆円、二千四百億円というふうにしていますが、金額の問題とやはり違うと思うんです。考え方であろうと思います。
 そこで、大臣は、賠償費用の考え方について、本会議で私たちが、我が党が質問を行った際に、このような答弁をされました。「福島原発事故以前、原賠機構法が措置されていなかったことから生じた賠償への備えの不足分をどう手当てすることが適当かという問題への対応」と。先ほど来から答弁されていることで、いわゆる過去分として公平に負担してもらうという理由になっています。
 ですが、電力事業者と購入者との間でそのような契約はもちろんしていたわけではありません。契約していなかった分を請求できるということなのかどうかは、私は、法律上できちんと説明してもらわないと、私だけではなく、国民的に納得がいかないだろうと思います。
 契約していないのに請求できる法律上の説明をしてください。
○世耕国務大臣 まず、ちょっと誤解があってはいけませんので。
 二・四兆円の託送料。二・四兆円を託送料で回収するという議論をしたのは、これは電力システム改革貫徹委員会でありまして、透明性ということをおっしゃいました。ここは議事録公開でありますので、その経過は全部まとめられていますし、最終的には、御本人も御了解をいただいて、委員長一任のもとで取りまとめられたということは御理解をいただきたいというふうに思っております。
 今、託送料金でなぜ取れるのかということでありますけれども、これは、ユニバーサルサービス料金など、全ての消費者が広く公平に負担すべき費用を託送料金で回収でき、その具体的内容については経産大臣が認可することというふうに決まっているわけです。これは電力事業法の中で決まっています。
 今の託送料金に関する電気事業法の規定は、二〇〇〇年に電力小売化を部分的に自由化した際に設けられました。このときは、当時の審議会の報告書で、供給の信頼度や望ましい電源構成の維持など、公益的課題への対応に必要な負担については、「すべての需要家が公平に負うことを原則とする。」とされたこと、それを踏まえて法改正が行われているわけでありますから、今回、我々は、その趣旨にのっとって、託送料金というものに反映をさせていただくということにしたわけであります。
○畠山委員 やはり一般的には、きょうもありましたけれども、過去分として請求されるといいますか、そういうことについては、なかなか国民的な理解というのは得られにくいことだと思います。当たり前のことですよね。
 あわせて、この仕組みが四十年ですか、続くということになれば、これから生まれてくる方に過去分の責任があるのかということももちろん問われてくると思います。そういう仕組みだからということは大臣もおっしゃいましたけれども、ただ、やはりこれは国民的に納得いかない。もう少し説明が必要じゃないですか。
○世耕国務大臣 やはりこれは、福島の復興のため、福島の皆さんに必要な賠償金を支払う原資であるということを何よりも御理解いただく必要がある。そして、それを、やはり原子力発電に裨益をしてきた国民全体が、特に過去の分でありますから、これは負担をするということになろうかと思います。
 もちろん、二〇一一年三月十一日以降に生まれた人はそもそもそのころ使っていないじゃないかという話もあるわけですけれども、先ほども申し上げました、公共料金というのはどうしても、ある一定の許容の範囲の中で丸めるということもあるわけです。
 これは、本当に正確にやろうと思ったら、各家庭の世帯構成、年齢を全部調べて、それで全部請求書を調整するなんということ、これをやったら、また逆に膨大なコストがかかって、その分また電気料金に乗っかってくるわけでありますから、その辺は、福島のために国民全体でということをぜひ御理解いただきたいというふうに思います。
○畠山委員 そこで、いわゆる公共的な意味だとか、そもそも公平性に重きを置かれた説明をされてきたわけですけれども、考え方と先ほど私は言いました。公平性を言うならば、東電の利害関係者に費用負担をまず請求すべきではないかというふうに思います。東電株式会社の責任においては、その責任の重さに応じて順番に負担すべき、応責原則というんでしょうか、そういうふうに思うんですね。
 まず、事故を起こした経営陣の経営責任、それから株主責任、その次に金融債権者、金融機関などの貸し手責任、これら利害関係者がまず順番に負担して、その次に電気の利用者や消費者などの電気料金、そして最後に国民、税金による負担などなどという順番が筋なのではないかと思います。
 事故原因がどうか。その因果関係においていえば、製造物責任としての原子炉プラントメーカーやゼネコンなどもあるでしょうが、今言ったことを私たちとして考えたいと思うんです。
 ですから、今回、過去分としていきなり電気の消費者に請求する前に、本来、まず経営者、株主、金融債権者などなど、利害関係者に負担を求めるべきではないのかと思います。
 そこで、東京電力から、資料も出してくださいとお願いしたら、提出していただいたものがあります。今、過去分として一九六六年からの分を請求というか、しようとしているわけですけれども、では、この間に株主や金融機関などの、どのような配当などがあったかということの資料を出してもらったら、こういうふうになっているんです。
 一九六六年度から事故前の二〇一〇年度合計で、これは資料はありません、私の手元だけのものです、株主の配当収入は二兆五千六百三十三億円、メガバンクなど金融機関の借入金の利息収入が六兆七千二百三十億円、社債の利息が六兆六千四百九十四億円。単純に計算しますと、株主と金融債権者が受益してきた総合計は十五兆九千三百五十七億円です。社債権者の利息については別扱いしても、九兆二千八百六十三億円にもなります。仮に販売電力の三割を原子力分だと考えたとして、今の金額から割ってみると、単純ですが、利害関係者だけでおよそ二兆八千億円を受益した計算になります。
 もちろん、それがそのまま金融資産で残っているかどうかというのは別問題です。ただ、消費者へ請求する前に、これだけの利害関係者が責任に応じて負担するということが筋ではないかというのは、先ほど私が述べたとおりです。
 そこで問います。
 株主責任やこのような金融機関の貸し手責任を問わないままで消費者、国民へ請求することをしていいのか。利害関係者へのそれこそ公平な負担なく、国民的理解が得られると大臣はお考えですか。
○世耕国務大臣 今、金融機関が幾らもうけたと。確かに、単純に足し算をするとそういうことになるんだろうというふうに思いますが、一方で、お客さん、ユーザーの側もかなりの裨益をしているわけです。安定した電力供給によって、一九六六年までさかのぼられていますから、その間、日本が電力が良質であることによってどれだけ成長して、それが国民全体がどれだけ裨益をしたかということも私は忘れてはいけないというふうに思っています。
 まず、この問題については、東電を破綻させるかどうかというのは、もう震災直後に判断したんです。これは、破綻をさせて、そうしたら、確かに、貸し手責任とか株主責任、それははっきりしますよ、全部紙くずになるわけですから。ですけれども、そうではなくて、東電にしっかりと責任を果たさせるということを重視して、東電に責任を負わせて、東電がしっかりと頑張るという構図でずっとやってきているわけであります。
 一般の方に負担を回す前にとおっしゃいましたが、一般負担金という形で、全国の電力会社の利用者の皆さんからは、それぞれいただいている分がもう既に賠償に関してはあるわけであります。
 そういう意味では、今おっしゃっていることというのは、もちろん反対かもしれませんけれども、一定、ある程度決着のついた議論なのかなというふうに思います。
 その中で、では株主や金融機関は全く責任をとっていないかといえば、当然、株主に対してはもうずっと無配が継続をしていますし、当面、これからも、政府が一応五〇・一%持っていますから、当然、今後も無配は継続させるということになろうかと思います。株価そのものも大幅に落ちているわけであります。
 金融機関に関しては、これは借りかえなどによって与信を維持することが要請をされていて、その責務を果たしておられるわけでありますから、そういう意味では、株主、金融機関も一定の責任は果たされているのではないかというふうに思っています。
 ただ、今後も引き続き、株主や金融機関の責任がしっかり果たされるよう、特別事業計画の履行確保を通じて、主務大臣としてもしっかり注視をしてまいりたいと思います。
○畠山委員 このような指摘があるわけですよ。東京新聞二月九日付、城南信金吉原毅相談役のインタビューがこのように述べています。「経済のルールに従って東電は破綻処理し」、決着済みだと話されていますが、紹介はしておきます。「経営陣、株主、銀行、そして監督指導してきた経産省ら政府に、拠出したり融資した資金が戻らないという形で責任をとらせるのが現代の経済社会のルールだ。」と述べて、「過去の料金が二・四兆円分も誤っていたならば「歴代担当者を処分して私財の拠出を求めるべきだ」」とまで、厳しく指摘はされています。
 それで、広く消費者が受益してきたということを理由に挙げてきていますが、ただ、現実は、ほかの電力会社を選べないいわゆる地域独占という状況だったからでありまして、他の電力会社と契約できない状況だったのに、受益の実態があるじゃないかと言われても、それは国民は納得できないわけであります。
 そこで、先ほどからもありましたが、その備えができてこなかったということについては真摯な反省ということを繰り返されていました。その中身は、今私が申し上げてきたようなことも含めて、かなり重たい中身があるかと思います。改めて、その真摯な反省と言われるものの中身について、大臣の口からしっかりお答えいただけますか。
○世耕国務大臣 規制料金のもとでは、一般的な企業の事業と違って、将来的に追加的な費用が発生するリスクを勘案して、それを数字にして料金に盛り込んで回収するということは認められてこなかったわけであります。料金の算定時点で現に発生している費用ですとか、合理的に見積もれるものしか原価に算入することを認めないという運用を行ってまいったわけであります。
 一方で、福島原発事故以前は、やはり政府は安全神話に陥っていたところがあると思います。福島原発事故のような規模の過酷事故が起こり得るという前提には立っておらずに、事故当時、賠償に係る備えは、原子力賠償法に基づく賠償措置一千二百億円のみでありました。この賠償措置を超える損害が生じた場合の措置も講じてこなかったわけであります。この点については、真摯な反省が必要だというふうに思います。
 今回の託送制度の仕組みを利用して回収することとした賠償の備えの不足分というのは、規制料金のもとで、福島事故以前から原賠機構法のような措置を講じなかったことで生じていたものであるため、こうした措置を講じておらず不足分を生じさせたことについて、政府として真摯に反省が必要であるというふうに私は考えています。
 その反省に基づいて、廃炉・汚染水対策も含めた福島の復興に全力で責任を果たしていくということが重要だと思っております。
○畠山委員 この問題、長々とやることになりませんが、ちょっと最後にやはり一つ確認しておきたいことがあります。
 今回、過去分というようなことで負担を求めることにしたわけですけれども、今後同じようなことが起きないかということはもちろん懸念される一つだと思います。
 賠償費用は、きょう、上振れの議論もたくさんありましたけれども、被害が続く限り支払われるべきものだと思います。廃炉費用も試算以上に膨らむ可能性があるし、きょうはちょっと出しませんが、そのような試算が出されてきたときょうも議論がありました。
 大臣は本会議で、「将来的に、必要となる資金が見通せるようになってくれば、その時点で追加すべきものは追加するものと考えています。」と、条件つきですが、これは廃炉費用ですか、について答弁もされました。
 将来にまた同じように過去分といって賠償も廃炉も負担増を正当化する前例とならないのか、本来責任を負うべきところに責任が問われないことにならないのかということについては、やはり、こういうことは今後ない、前例ではないということを大臣は言い切れるかどうかは確認しておきたいと思います。
○世耕国務大臣 今回、託送料金に過去分を乗せさせていただくというのは、これは電気事業法の規定に基づいて、経産大臣の認可という形でやらせていただくわけであります。
 今時点で、いわゆる賠償の過去分というのは、先ほどから申し上げている二・四兆円という上限を閣議決定もして決めさせていただいています。しかも過去分でありますから、これがまた再び膨らむということはないということは明確に申し上げられるんじゃないかというふうに思っていますが、制度上、今後、託送制度を利用して何か別の、過去分じゃありませんよ、賠償の過去分ではありませんが、何かこの電気事業の中で全ての消費者が広く公平に負担すべきような費用が出てきたときは、それを託送料金を使って回収をするということが否定されるというものではないというふうに思っています。
○畠山委員 今回のような過去分という理屈で何でも負担を正当化できるようになっては危険だということは指摘しておきたいというふうに思います。
 我が党は、本会議質問でも、決着済みとおっしゃった東電の破綻処理の問題についても、やはり、破綻処理して一時的に国有化することや、資産を売却し、経営陣や株主、メガバンクなどの貸し手の責任を問うこととあわせて、「原発で莫大な利益を得てきた原発利益共同体にも応分の負担を求めてこそ、国民負担を最小化できる」と述べました。
 このまま国民負担が青天井化することになってはもちろん、その際にこういう理屈で進めていくことは許されないわけでありまして、機構法の枠組みの検証、総括が必要であることは指摘だけしておきたいというふうに思って、次の質問に進みます。
 第二段階、第三段階にかかわって、ちょっと時間がなくなってきているので、手短に大臣の見解などを伺っておきます。
 提言の第二段階では、柏崎刈羽原発の再稼働が東電再建の柱とされています。しかし、御存じのように、新潟県知事選挙において再稼働反対の民意が示されたと思います。
 そこで、大臣が初めに述べた特徴で、私も取り上げたキーワードである実現可能性。新潟のこの状況で柏崎刈羽原発の再稼働に実現可能性があると大臣はお考えでしょうか。
○世耕国務大臣 この柏崎刈羽原発の再稼働というのは、先ほども言っていただいたように、改革の第二ステップということになります。これは、これを再稼働することによって送配電事業の合理化による廃炉、賠償に係る資金の確保をより確実なものにするという趣旨のステップだというふうに思っております。
 東京電力は、事故を起こした事業者として信頼回復というのはなかなか大変ではありますが、信頼回復をしっかりやった上で、柏崎刈羽原発の再稼働も含めて、あらゆる分野でさまざまな取り組みを積み上げて、福島への責任を果たすために、今までにないコスト合理化や収益拡大を実現してもらいたいと思っています。
 ただし、当然、原子力発電所については、これは安全最優先でありまして、高い独立性を有する原子力規制委員会によって科学的、技術的に審査をして、世界で最も厳しいレベルの新規制基準に適合すると認められた場合のみ、その判断を尊重し、地元の御理解を得ながら再稼働を進める。これが再稼働に関する政府の一貫した方針であります。
 御指摘の柏崎刈羽原発についても、東京電力において原子力規制委員会による安全審査にしっかりと対応することはもとより、過去の企業文化と決別をして、地元の方々への丁寧な説明も含めて、国民の信頼を取り戻すべく努力をすることが極めて重要だというふうに思っています。
 実現可能性はその努力の先にあるというふうに思っております。
○畠山委員 再稼働の是非については、立場が違いますので、それは今議論しませんけれども、やはり今大臣がおっしゃられた企業文化との決別などで、県民から厳しい目が突きつけられていることを改めてこの場でも述べておきたいと思うんですよね。
 柏崎市の桜井雅浩市長も、東京新聞三月二十日付のインタビューで次のように述べておられました。「二〇〇二年に発覚した柏崎刈羽原発を含むデータ改ざん、福島第一原発でのメルトダウン隠し、今回の免震棟問題と続き、事実を正確に伝えようとしない東電の体質は問題だ」と。隠蔽をしてきたことに国民、県民も怒っている、根底として、知事選の結果にあらわれたと思います。
 そこで、冒頭に質問しました一F問題委員会の議論も、私はここでも明らかにする必要があると思っています。
 ちょうど、日程を追いかけていけば、知事選の終わった後の会合ももちろんありますし、その結果も議題となったことでしょう。今後のステップ、実現可能性においての議論も話し合われたと思います。まして、今度会長につかれる川村隆さんは、この一F問題委員会の委員でもあったわけですよね。
 そこで、これは事務方で結構ですけれども、柏崎刈羽の再稼働について、一F問題委員会でどのように議論されていたんでしょうか。
○村瀬政府参考人 御答弁させていただきます。
 例えば、世論調査の結果もしっかりと受けとめて、国民の納得を得ていくことが重要ではないかといったような意見ですとか、再稼働に向けては、技術、安全の確立を含めて国民の信頼を得ていくことが必要ではないかといったような御議論、それから、さまざまなコストダウンだけでは対応できない資金については、福島の費用を確保するという意味でも重要ではないかといったような意見など、さまざまな議論があったと承知しております。
 こうした議論を経まして、昨年末の改革提言におきましては、柏崎刈羽の原発の再稼働は、その賠償、廃炉のための対応を確実なものにするためのステップとして位置づけられた一方で、従来の企業文化とは決別をして、地元との対話を重ね、地元本位、安全最優先の事業運営体制を確立し、地元本位確立のための行動計画を早期に地元に提示し、対話を深めていく、その中で信頼を確保していくべきといった方向性が示されたところでございます。
○畠山委員 この問題はまだまだ長く今後取り上げなければいけない問題だと思いますので、この場では改めて、冒頭に述べた会議録の開示をこの点では求めておくことにとどめておきたいと思います。
 それで、第三段階ですけれども、電力、原子力事業の再編統合などを含めて、新たな原子力事業の海外展開も盛り込んでいます。その一方で、今ニュースとしてにぎわっているのが東芝の経営危機問題の重大化です。
 原子力事業の海外展開について、最後、この東芝問題を例に、大臣の情勢認識を伺いたいと思います。
 まず、今の東芝の経営危機の原因についての大臣の見解はいかがでしょうか。
○世耕国務大臣 東芝の発表によれば、今見込まれている大きな損失というのは、アメリカにおける原子力発電所の建設に当たって、現地企業を買収したときには認識されていなかった建設コストの増加、これに伴って巨額の損失が生じたというふうに理解をしております。
 東芝は、我が国にとって、半導体事業ですとか原子力事業など幅広い分野において非常に重要な事業を展開してきた企業だというふうに思います。また、原子力に関しては、国内において二十基を超える原発の建設に関与し、原発の安全確保に必要となる技術、人材を初め、高い技術力を生かして貢献をしてきた企業だと思います。特に福島第一原発では、廃炉・汚染水対策に具体的に参画をして、多くの東芝社員が貢献をしてくれているわけであります。
 このように、我が国の経済、産業にとって非常に重要な事業を担っている企業が多額の損失計上を迫られて苦境に立ち至っているということは、大変残念であります。
 いずれにしても、東芝の今後の対応をしっかりと注視してまいりたいと思います。
○畠山委員 一たび過酷事故が起きれば大きな被害が出るのが原発ということで、私たちは大きな教訓を得ました。
 それで、今大臣が述べられたように、東芝が半導体、原子力、いろいろなところで大事な役割を果たしているというのは、それはそれでありつつも、海外における原発の建設計画、後に出るウェスチングハウスを含めて、ここの実態や海外の原子力事業との関係で、本当にこれでよかったのかということは客観的に確認していかなければいけないと思います。
 そこで、これは事務的に確認したいんですが、二〇〇〇年以降、国際的に原発による発電量がどのように推移しているか、トレンドで構いませんから、答弁してください。
○村瀬政府参考人 お答え申し上げます。
 IAEA、国際原子力機関によりますれば、世界の原発の発電量は、二〇〇〇年に二・四兆キロワットアワー、二〇一〇年に二・六兆キロワットアワー、二〇一五年に二・四兆キロワットアワーということで、一〇年までは増加しておりましたが、一五年は、日本の原発が停止したこともありまして、若干減となっております。
 なお、二〇三〇年の発電電力量について、同じIAEAの見通しでいいますと、幅でございますけれども、一・二倍となる三・〇兆キロワットアワー、もしくは一・九倍となる四・六兆キロワットアワーとなる見込みだということが記されておりました。
○畠山委員 資料の三枚目をごらんください。
 今、IAEAの統計について答弁いただきましたが、私の方でつくった資料は、BP統計に基づいて発電量の推移を示したものです。将来予測については入れておりませんが。若干数字は違いますけれども、大きな傾向としてはそう変わらないものであろうと思います。
 原発の国際的発電量は、このBP統計によればですが、ピーク時、二〇〇六年から漸減、広い目で見ても横ばい傾向にあると思います。停滞の状況が続いてきたところへ、日米両政府が無理やり拡大しようとしているんじゃないかというのが現実ではないかと私は思うんです。
 そこで、東芝が抱えていたこのウェスチングハウス社の問題を見てみれば、工事のおくれが負債の増加につながり、結果として約一兆円もの負債を背負うこととなってしまいました。工事がおくれたのは、ジョージア州のボーグル発電所だったと思います。
 確認ですが、米国にとってスリーマイル事故後の新規原発着工というのは、このボーグルが何基目でしょうか。
○村瀬政府参考人 お答え申し上げます。
 ウェスチングハウス社による米国のボーグル原発三、四号機建設プロジェクトは、一九七九年に起きましたスリーマイル島事故以降、新規原発の建設としては初めての計画と承知しております。
 なお、その間にも、事故前に計画を許可され、建設を継続し、運転開始に至ったものとしては、ワッツバー原発一号機がございます。
 以上でございます。
○畠山委員 今ありましたように、初めてなんです。原産協会の米国の主な新規原子力発電所プロジェクトの一覧表を見ても、そのようにきちんと書かれております。
 スリーマイル事故後初めてのプロジェクトで、ずっと新規の着工建設が凍結されてきたのは、やはり事故においてさまざまな米国内の世論や問題があったからでした。初めての着工になるわけで、この機を逃さないと東芝がウェスチングハウス社を買収したのが始まりでもあった。
 工事がおくれたというのは、追加の安全対策によるだけではないと思うんです。スリーマイル事故から約三十年たった。したがって、その間の技術、ノウハウなどが欠けていくことにもなったのではないか。原子力事業を拡大する米国における客観的状況が成立していなかったのではないかと思います。
 今、私が資料で示したように、原発のエネルギー市場は、将来予測を述べましたけれども、この間停滞してきた状況があります。日本での新規建設は、現状、国民世論が許さないことと思います。そこで、海外に道を開くということもあるようですが、先ほど数字で示したように、この間、原発の発電量は停滞しています。
 そこで、最後に大臣に問いたいと思います。ここでも実現可能性の問題です。
 第二段階の柏崎刈羽も、再稼働は現状においては困難でしょう。第三段階についても、原発市場については、このように停滞しているのではないか。まさに内憂外患というもとで、改めて、この東電改革提案の実現可能性はどこにあるのか。私がきょうずっと述べてきたことに対して、大臣、どのように答弁されますか。
○世耕国務大臣 まず、第一ステップについては、これはさらなるコスト削減で目標達成をしっかりやっていってもらいたいというふうに思います。新しい経営陣のもとで、私は十分目標達成は可能だというふうに思います。
 第二ステップの柏崎刈羽の再稼働については、これは、政府としては、あくまでも安全最優先で、規制委員会の判断を待ちたいというふうに思いますが、やはり、地元の理解というのも重要であります。東電は、国民の信頼を取り戻すべく、これももう一度生まれ変わったつもりで信頼を取り戻す努力をしっかりとやっていかなければいけないと思っています。
 第三段階は、いわゆる原発の輸出だけで第三段階をつくっているわけではなくて、他電力との事業の共同事業ですとか事業統合ですとか、あるいは火力の海外展開といったことも想定しています。
 その中で、原子力ということになりますが、これは確かにいろいろなデータもありますけれども、英国は実際に七基新設というようなプロジェクトを進めています。パリ協定発効後、ゼロエミッションの電源であることは間違いない、ゼロエミッションでベースロード電源になる原子力発電に対する需要がまた出てくるという可能性もあるわけでありますから、第三ステップも私は十分実現可能だというふうに思っております。
○畠山委員 引き続き議論をさせていただきたいと思っていますが、きょうの質疑で、改めて幾つかの点について最後に述べさせていただきます。
 東電改革提言をまとめた一F問題委員会の議事録について、改めて、公開することを求めます。開示しない経産省の姿勢を改めることを要求します。
 また、原発利益共同体に公平な負担を求めないで、過去分という理屈で国民にツケを回すことは容認できません。
 現実的見込みが見られないと思いますが、この東電改革提言、私たちは、固執するのではなく、先ほど述べた応分の責任を原発利益共同体に求めることこそ必要だということを重ねて最後に強調しまして、質問を終わります。