○畠山委員 日本共産党の畠山和也です。
 法案質疑に入る前に、きょうはほかの委員からも何人か質問がありましたが、昨日十八日の、世耕大臣と米国ロス商務長官が行った会談の内容について伺っておきたいと思います。
 この会談は、麻生副総理とペンス副大統領による日米経済対話を前に開かれておりました。それで、まず、報道ベースなどでしか私たちも知らないわけですけれども、会談の内容についての概要を御報告いただきたいのと、これは通告していないんですが、先ほど質疑の中で、世耕大臣とロス長官との対話というのは日米経済対話と別であるという話もありまして、では改めて、その区別と関連について御答弁いただけたらいいなと思っております。よろしくお願いします。
○世耕国務大臣 きのう、ロス長官とは、一時間四十分にわたって個別で会談をさせていただきました。
 一番最初は、私からまず、アジアの通商情勢をめぐる状況について幅広く意見交換をさせてもらいました。ちょうど先々週にASEANの経済大臣会合というのを日本で開いたということもありましたので、そういったことも踏まえながら意見交換をさせていただきました。
 その上で、経産省と商務省の共通する協力分野、例えばサイバーセキュリティー人材育成ですとか、あるいはAPECにおける越境プライバシールールですとか、あるいは質の高いインフラ協力などについて話し合って、今後日米で協力を深めていくことに合意をしたわけであります。
 それともう一つ、首脳会談でも合意をし、きのう、麻生・ペンスの経済対話の中でも合意をされた三つの柱の中でも、特に貿易・投資ルールの部分が我々関係してくるわけでありますから、その点についても議論をさせていただいた。
 また、先ほどから申し上げているように、FTAとか、あるいは個別の品目の議論にはならなかったという形であります。
 経済対話はあくまでも、もうメンバーも両国間で合意をしていて、これは、麻生副総理とペンス副大統領、そして両国の関係省の次官級というか、その事務方が入ってやるという構成になっています。
 ただ、当然、副総理と副大統領でありますからそんな頻繁に会ってということはありませんので、その間の具体的な交渉については、これは各省が行う、場合によっては各省の閣僚が行うこともある。
 私とロス長官は、今後そういう形で、経済対話の傘の下で、その中の一部を具体化していくために、会談をして話し合う可能性があるということであります。
○畠山委員 それで、経済上においても国民的な関心においても、一つが、TPPにかわって日米FTAを目指すのかどうかにありますので、このことについても一つ確認しておきたいと思います。
 報道によれば、ロス商務長官はFTAについて、少し時期尚早と述べつつも、協定に基づいた形で日本との貿易関係を高めたいとも述べているようです。「二国間貿易協定に意欲」と見出しを立てた報道機関もありました。
 そこで、大臣の記者会見等を見ますと、こういう表現があるんです。かなり具体的で、率直で、実務的な話ができたと語っておられます。時期が尚早なのかどうかはともかく、日米FTAについても、具体的で、率直で、実務的な話としての議題となったのでしょうか。
○世耕国務大臣 ですから、FTAについて、私とロス長官の間で、一時間四十分の会談の間で、それについて向こうからも言及はありませんでした。当然、こちらからもすることはありません。
 あくまでも、首脳会談あるいは後で麻生・ペンスで合意をした、特に貿易・投資のルールについての議論を、これは相手のあることですから具体的には申し上げられませんが、かなり具体的に踏み込んで、いい議論ができたというふうに思っています。
 私との会談が終わった後、ロス長官は、経産省の一階におりまして、記者団のぶら下がりに答える形で記者会見をされています。今御指摘の部分については、記者の側がFTAの前進に関する道筋はどうですかという質問をして、それに対してはロス長官は、当然、私との会談でその話はしていませんから、どのような形になるか発言するには少し早い、我々は日本との通商関係を強化すること、それを協定の形で行うことに意欲的であるという極めて一般論でお答えになっておる。これにも尽きるというふうに思います。
○畠山委員 今、御答弁でも貿易・投資ルールにかかわる発言があって、先ほども、いわゆるルールベースの話はしてきたということが世耕大臣からありました。
 私もTPPの特別委員会で大分質問をさせていただいたんですけれども、TPPは、もちろん関税の分野と非関税障壁の分野とある中で、そのいろいろなチャプターの中でも、先ほど大臣が言った貿易、投資であったり、国有企業であったり、さまざまな形とともに、日米、ほかの国も含めてあります、二国間におけるサイドレターで取り決めを行っているものなどもありました。
 これは、ことしの予算委員会で岸田外務大臣に、このサイドレターはまだ生きているんですよねと私が質問したところ、否定はされませんでした。
 ですから、貿易・投資ルールなど踏み込んだ話ができてきているということの土台に、この間、日米でそのように合意してきたものが前提となっているという理解でよろしいんでしょうか。
○世耕国務大臣 これは麻生副総理から答弁をいただかなければいけないと思いますが、少なくとも、きのうの共同プレスリリースを読む限りは、そういうものがベースになっているという前提ではないんではないでしょうか。
○畠山委員 ちょっときょうは時間の関係もあるし、本題に入らなければいけませんのでここまでにしておきたいし、別の機会に譲るんですが、TPP交渉の中身というのは、特別委員会のときにも中身がなかなか国民、国会に明確にされてこなかったという経過がありました。
 今回、米国がTPPを離脱表明しましたが、安倍首相は、TPPを今後の通商交渉の基準にすると繰り返しています。そうであれば、米国から日本にTPP以上の譲歩を求めてくるのは当然ですが、日本の側として、私、今紹介しましたが、例えばサイドレター、例えば協定本文のルールの中身、あわせて前提となって今後議論が進展するのではないかということについては大変懸念があります。話し合ってきて突然結論だけが出てくるような交渉は認められないことは、一言述べておきたいと思います。
 そこでもう一つ、法案にもかかわるので、昨日の会談についてこの点も伺いたいです。東芝問題です。
 これは、きのうの会談だけではなく、三月に世耕大臣とロス商務長官が会談した際にも、ロス長官とともに米国のペリー・エネルギー長官が、東芝の財政的な安定性は米国にとって非常に重要だと東芝の経営問題に懸念を示したとの報道がありました。
 半導体事業をどの国でどの会社が買うかというのは、仮にそういうことになればですけれども、本法案の対内直接投資規制にももちろん直接関係してくる内容となります。きょうもデュアルユースの話はたくさん出てきていますけれども、そこでかかわる株式売却は、本法案でも言う国の安全に関係する問題であり、今回の会談でも、水面下の議題とも言われてきました。
 きょうの日経新聞なんですけれども、それで、ロス長官から東芝の再建問題に言及があり、「半導体メモリー事業の売却計画には、中国への技術流出に懸念を示した」と報じられています。それに対して日本側から、「必要な場合は外為法を活用して防ぐとの立場を説明した。」との報道です。
 三月に前回話し合われた状況とは、東芝をめぐる情勢というのはまた変わりまして、御存じのように、決算を発表した際に監査法人が監査意見を表明しなかったという、極めて異例な状況も起きました。
 ですから、私が言いたいのは、日米両政府が関心を持って当然だというふうに思うんです。
 それで、どこまでも話せないとは思いますけれども、東芝問題でもまた、具体的で、率直で、実務的な話としての議題としてあったのでしょうか。
○世耕国務大臣 これは二つの意味で、一つは相手とのやりとりということもありますし、もう一つは東芝という個社の経営にかかわる問題でありますので、詳細については説明を控えたいと思いますけれども、東芝、ウェスチングハウスの件については、先方から議題として取り上げられまして、今後も情報交換を続けていくということを確認をしたところであります。
○畠山委員 これだけ経営危機に陥った背景は、きょうは本筋の議論ではありませんが、原発事業にかかわるものであると思っておりまして、日米経済対話のテーマにエネルギー問題が入っているということからも、これも、中身だけが突然結論として出てくるような交渉であってはならないことを一言述べておきたいと思います。
 法案の質疑にかかわって、本題の質問を行います。
 外為法ですけれども、二〇〇九年に前回改正を行いました。そもそもこの外為法の安全保障条項については、かつて、西側諸国におけるココム体制を国内法化するものでありました。
 その前回の改正では、今日において世界的な安全な維持を意味するものになったとする政府の解釈ということを我が党としても首肯して、武器関連の技術取引に係る規制の抜け穴を塞ぎ、強化する合理性を認めて、私たち、前回は賛成したんです。
 ただ、前回の改正というのは、武器輸出三原則等を大原則としてきたものでした。そのときはです。これは、輸出規制のみならず、外為法の運用面でも原則としていたものだったと思います。
 ですが、安倍政権のもとで二〇一四年四月一日に新たな方針として、防衛移転整備三原則を閣議決定しました。武器輸出三原則等のもとでは、武器輸出はもちろん全面禁止が原則でした。しかし、今回の防衛移転整備三原則では、武器の輸出は基本的に認めることとしております。
 ですから、今回の外為法の運用にかかわる原則、基本についてはまず伺っておきたいと思うんです。
 大臣に、この原則が変わったことによって外為法の運用面でどのような変化があるのかないのか。答弁願います。
○世耕国務大臣 今御指摘のように、平成二十六年四月一日に、防衛装備移転三原則というものを閣議決定をさせていただきました。
 これは、国連憲章を遵守するとの平和国家の基本理念と、これまでの平和国家としての歩みを引き続き堅持した上で、これまで積み重ねてきた武器輸出三原則等の例外化の実例を踏まえて、これを包括的に整理をしつつ、新たな安全保障環境に適合する明確な原則を定めたものでありまして、防衛装備の海外移転に係る手続や歯どめを今まで以上に明確化をし、内外に対して透明性のあるルールを定めたものであります。
 このため、積極的に武器輸出をする方針に転換をしたりとか輸出を大幅に解禁をするといったことではなく、外為法の運用についても何ら変わることはなく、これまで同様、厳正かつ慎重に対処しているところであります。
○畠山委員 大幅な輸出などはしない、ものではないというふうな答弁でありましたので、少し具体的事例で経過を確認しておきたいと思うんです。
 この二〇一四年以降の武器輸出について、国家安全保障会議、NSCで承認したものが何件かあります。その数字を答弁してください。
○増田政府参考人 お答え申し上げます。
 防衛装備移転三原則及び防衛装備移転三原則の運用指針に従いましてこれまで国家安全保障会議で審議した結果、海外移転を認め得る案件に該当することを確認した案件は六件でございます。
○畠山委員 というわけで、閣議決定を変えてから六件となっています。
 それで私も調べまして、最初の事例で承認されたのが、ペトリオットPAC2ミサイルだったということでいいんだと思います。
 そのPAC2について具体的にもう少し聞きたいと思います。
 これは、米国がペトリオットPAC2の量産に当たり、その部品となるシーカージャイロの生産ラインがアメリカにないということから、日本で引き受けたということが背景にあったと思います。
 これは米国の軍需産業の補完という意味でもありますが、ただ、日本政府としては、そのときに決められた文書の中にこういう表現で書いているんです。「我が国の防衛生産・技術基盤の維持・強化、ひいては我が国の防衛力の確保に資するもの」として認めています。ですが、このPAC2の最終需要者といいますか最終使用者といいますか、それが米国とは限らないと思います。
 同じように、その決定文書にこのような表現もありました。ジャイロが組み込まれたペトリオットPAC2は米国以外の第三国に移転されることが想定として、管理体制については米国国防省に確認すると書いてあります。
 どのように確認されたのか、答弁してください。
○田中(聡)政府参考人 お答え申し上げます。
 お尋ねのペトリオットPAC2のシーカージャイロの米国への移転は、PAC2の部品であるシーカージャイロを、ライセンス元である米国企業へ納入するものでございます。
 この場合、防衛装備移転三原則及び同運用指針に従いまして、仕向け先の管理体制の確認をもって適正な管理を確保するということとしております。
 具体的に申し上げますと、最終需要者である米国企業から最終用途誓約書、エンドユース認証と申しますが、これを提出させ、確認を行っているところでございます。
 また、米国国防省からは、本件ジャイロが組み込まれたPAC2を一元的に管理すること及びPAC2ユーザー国以外への移転が厳しく制限されるということにつきまして、書簡により確認を行っているところでございます。
○畠山委員 今答弁があった内容で、書簡で確認しているということを押さえておきたいと思います。
 ただ、一応今エンドユーザーという言葉は使われましたけれども、米国から第三国へ移転、移出することは可能だというふうに思います。
 そこで、その際に日本政府の同意が必要となっているのかどうか、その仕組みについて確認をしておきたいと思います。
○田中(聡)政府参考人 防衛装備移転三原則の運用指針第三項、「適正管理の確保」の規定におきまして、「原則として目的外使用及び第三国移転について我が国の事前同意を相手国政府に義務付けること」となっていることは、委員御指摘のとおりでございます。
 ただし、本条項につきましてはただし書きがございまして、その中に、部品等をライセンス元に納入する場合には、「仕向先の管理体制の確認をもって適正な管理を確保することも可能とする。」と、可能とされているところでございます。
 本件移転につきましてはこれに該当するものというふうに考えております。
○畠山委員 ちょっとわかりやすく確認しておきたいんですけれども、つまり、日本政府として事前同意はできる、事前に同意する仕組みになっているということで理解してよろしいんですか。
○田中(聡)政府参考人 平成二十六年七月の国家安全保障会議における確認におきまして、先ほど答弁申し上げたとおり、原則は相手国政府に対して我が国の事前同意を義務づけているところではございますけれども、ただし書きの方を適用いたしまして、本件につきましては、仕向け先、すなわち米国でございますけれども、米国の管理体制の確認、これは先ほど申し上げました書簡等でございますけれども、これをもって適正な管理が確保されているというふうに認識しているというところでございます。
○畠山委員 つまり、原則はありますが、ただし書きもついていて、米国が責任を持つ形であるならば、どこの国でもその後可能になるというふうになるんですね。
 PAC2を装備品として持っている国というのは、事前にも確認しましたが、十二カ国だったかな、日本も含めてある。その中には、国名を挙げて言いますと、イスラエルだとか、実際に戦闘で用いているのではないかという可能性の国の名前などもあるわけです。
 したがいまして、今の閣議決定で方針とされている防衛装備移転三原則のもとで、責任は米国が持つ形となっているけれども、日本の製造部品など、現に起きている紛争にこれが使用される危険がある、可能性があるということは否定できないと思います。
 ここに武器輸出三原則を変えてしまった大もとの問題があると我が党は指摘をしてきました。
 日本は平和国家としての歩みがあり、それは国会の決意でもあり、この外為法などにかかわっても、私、衆参両院の本会議で上げられている決議というのを議事録に残しておきたいと思っているんです。
 一九八一年に堀田ハガネ事件が起きたことを受けて、次のような決議が衆参両院で上げられています。
 「武器輸出問題等に関する決議」、「わが国は、日本国憲法の理念である平和国家としての立場をふまえ、武器輸出三原則並びに昭和五十一年政府統一方針に基づいて、武器輸出について慎重に対処してきたところである。 しかるに、」この「方針に反した事例を生じたことは遺憾である。 よつて政府は、武器輸出について、厳正かつ慎重な態度をもつて対処すると共に制度上の改善を含め実効ある措置を講ずべきである。 右決議する。」
 以上が全文です。
 ここに出てくる昭和五十一年政府統一方針というのが、当時の三木内閣による原則全面禁止を指しています。
 大臣に、運用面についてそこで確認をしておきたいと思います。
 一片の閣議決定で、戦後日本の、非核三原則とともに国是とされてきた武器輸出禁止の方針が変わったことを我が党は容認できないと主張してきました。今取り上げたPAC2の例のように、紛争を武器の面で支える死の商人としての日本であってはならないというふうに私は思います。
 そこで、外為法の運用の基本にかかわって、原則を変えたことで重大な問題が生まれているというような認識は大臣にあるでしょうか。
○世耕国務大臣 そのような認識は持っておりません。
 平和国家としての基本理念ですとか、平和国家としての歩み、こういったものは堅持をした上で、今まで武器輸出三原則等ではこの例外化に関して特段のルールがなかったわけですけれども、それを包括的にしっかり整理をして、そして、新たな安全保障環境に適合する明確な原則を定めたものであります。防衛装備の海外移転に係る手続、歯どめを今まで以上に明確化し、内外に対して透明性のあるルールを定めたものだと理解しています。
 一片の閣議決定とおっしゃいましたが、武器輸出三原則等は、国会答弁、また、官房長官談話であったわけですが、それをきちっと防衛装備移転三原則は、国家安全保障会議決定、そして閣議決定ときちっとした手続も踏んで、透明性のあるルールになっているというふうに思っております。
 ですから、経産省としては、この防衛装備移転三原則になったからといって、何か積極的に武器輸出をする方針に転換したり、輸出を大幅に解禁をするというふうには理解をしておりませんので、外為法の運用についても、今までと何ら変わることなく、厳正かつ慎重に対処しているところであります。
○畠山委員 ただ、今回の原則では、国連安保理による制裁措置などが課せられていない場合、紛争当事国であっても武器輸出を可能にしている中身にはなっているんですよ。実際に紛争に加担することにならないのかという懸念は述べておきたいと思います。
 運用面の根本にあるこの防衛装備移転三原則から武器輸出三原則へ戻すべきであることを強く求めておきたいと思います。
 法案の中身にかかわって、次に、大学などでの研究、留学についてお聞きします。
 本法案は、安全保障に関する技術や貨物、機微技術等が適切に管理されるために、輸出入にかかわる制裁の実効性を強化することを立法事実としています。
 きょうも機微技術について中身のさまざまな議論がありましたように、整理するために、本法案で言う機微技術とは何を指すのか、改めて定義等をお答えください。
○飯田政府参考人 外為法におきましては、機微技術は政令において具体的に指定しております。
 これにつきましては、通常兵器についてはワッセナー・アレンジメント、それから、核関連についてはNSGという原子力供給国会合、それから、ミサイルにつきましてはMTCR、ミサイル技術の規制会合、そして、生物兵器、化学兵器につきましてはオーストラリア・グループといったところで、どういうものを規制するかというのを合意しておりますし、それ以外にも大量破壊兵器関連の国際条約がございますので、こういったものを踏まえまして、通常兵器や大量破壊兵器の開発に使用される可能性のある貨物、そして、その設計、製造または使用に関する技術を機微技術あるいは貨物として指定をして規制をしております。
 具体的に申し上げますと、政令で書いておりますのは、例えば、工作機械、あるいは、本日の審議にもございましたけれども、炭素繊維、あるいは高度な電子機器、こういったものが指定をされております。
○畠山委員 法案上は特定技術という言葉で示されているし、今ありましたリストで規制されている技術、加えて、経産大臣が安全保障上懸念し、輸出者等に通知した技術も含むということでよろしいですね。ちょっともう一回、そこだけイエス、ノーで確認しておきます。
○飯田政府参考人 お答えいたします。
 今御指摘いただきましたのは、最初に私が答弁させていただきましたのはいわゆるリスト規制ということで、国際レジーム、国際会議で合意された個別具体的な品目でございます。
 これに加えまして、それ以外の品目についても、キャッチオール規制と言っておりますけれども、輸出者の方が、それが大量破壊兵器に現に使われる可能性があるということを認知した場合、あるいは、経済産業大臣がそういうおそれがあるとして許可申請をするように通知するケースがございまして、こういう場合も規制に係らしめているということでございます。
○畠山委員 そういうわけで、私が述べたとおりでいいわけです。そんなに気になさらないで、イエスかノーかで答えていただいていい質問であったわけですが、ただ、大臣の安全保障上懸念する中身で範囲が決められていくということですから、政治判断次第となるという条項であることは一言指摘だけはしておきたいと思っております。
 そこでその機微技術なんですが、大学等での研究や留学する外国人に対してもかかわってくることは、きょうもずっと議論がされてきました。
 それで、法案のベースになっています経産省の審議会、安全保障貿易管理小委員会での中間報告を読みました。ここで、いわゆるみなし輸出が問題になってきています。
 きょう議論されていますから、整理する上で、改めて、みなし輸出とは何で、この審議会でどのような議論が中心的にされてきたのか。端的でよろしいので、お答えください。
○飯田政府参考人 お答えいたします。
 技術取引につきましては、国境を越えた時点で規制をするというだけでは限界がございますので、国内で居住者から非居住者に対して技術取引が発生した時点で、これを輸出が行われたものとみなすということがみなし輸出の定義でございます。
 具体的に、国内におきましては、入国後六カ月未満の外国人の方を中心として、非居住者に対する技術取引をみなし輸出として規制をしております。
 安全保障貿易管理小委員会、今御指摘ございましたけれども、こちらでは、このみなし輸出に関する我が国の課題について、有識者の方々によりまして議論が行われました。この中には、大学関係者ということで、国立大学、私立大学を代表した方の出席も得て議論を行っております。
 今御指摘のありました中間報告におきましては、このみなし輸出管理につきましては、日本の制度は他国の制度と比べて管理する期間が短く、実効性の観点から課題があり、各国の管理体制や状況と整合性を図る観点からも、制度改正も含めた管理のあり方を検討すべきであるという御指摘がある一方で、「大学や研究機関の持つ性格、実施体制上の課題を踏まえ、「みなし輸出」の管理強化を行う場合には、国際取極や各国の管理状況を踏まえつつ、規制対象の適正化・明確化を図るとともに、大学等の取組を支援するための体制作りを並行して進めていくことが必要である。」という提言がまとめられてございます。
○畠山委員 きょうも大臣は、大学等での懸念といいますか、現在困っていることなどについても触れられていたと思うんです。それで、今述べられたように、大学関係者などからの強い懸念の声が上がっていました。
 少しだけ紹介します。例えば、ことし一月十九日の小委員会三回目会合では、国立大学協会三島会長補佐から参考資料が出されて、国大協としての考え方、ですからこれが正式なものになると思いますが、次のような記述がありました。「現行の制度でも、「公知」の技術や「基礎科学分野の研究活動」に伴う情報の提供は、安全保障貿易管理の規制対象から除外されている。しかし、前者の定義は、すでに不特定多数の者に対し公開されたものに制限されており、学内や学会での教育・研究活動に適用し難いことや、後者の定義する基礎科学の範囲が必ずしも明確でないことから、各大学は個別事例における具体的な判断に苦慮している。」という考え方の基本が示されていて、要望しているのは、「大学で実施される研究の多くの部分を占める「研究成果の公開を前提とした研究活動」は規制対象から明確に除外するように、」という要望になっているわけです。
 日本私立大学団体連合会菱山玲子さんからも次のような資料が出されておりました。「大学の技術情報(流出防止)管理に関する運用は、「誰が誰に何をどこまでどうすればよいのかが明確でない」ため、大学によってはリスクを避けるため過剰に安全サイドで運用する、場合によっては一部の海外国・地域・特定機関との交流に対して過度に萎縮してしまうということがすでに現状でも見られており、さらにその傾向が強まる懸念を強く抱きます。」と、明快なことを述べられています。
 これは、研究、学問交流が過度に安全保障上の理由で萎縮してしまうということは、もちろんこれはあってはならないことだと思うんです。
 大臣、この点は同意されますよね。
○世耕国務大臣 技術の移転というのは、国境をまたいで国外へ行くだけではなくて、国内での取引とか技術の受け渡し、これも、これだけ国際化が進んで外国の人たちが国内で活動しているという状況の中では、やはり、機微技術防止の観点からもそこはしっかり管理をしていかなければいけないというので、政府として検討をやってきたわけであります。
 ただ、一方で、規制を実際に制度設計するに当たっては、きちっと行われているような国際的な経済活動とか研究活動、これの足を引っ張るようなことがあってはならないということと、外国人だからといって不当に扱うというようなこともあってはならないですし、あるいは、既にもう民間はかなりきちっとやっているわけです。そこに、民間に対してちょっと屋上屋を重ねるようなことになって、過度な負担になるようなことにならないようなこと、こういう配慮はやっていかなければいけないだろうということで、国際化を進めていくということと、一方で規制はしなきゃいけないというこのバランスも考えた上で、検討に検討を重ねた結果、まずは、輸出管理体制がまだ十分にできていない大学、ここにしっかりと理解を促進をしてもらって、大学での輸出管理体制の強化、そしてそれに対する支援策の抜本的拡充などによって、まず、国内における技術取引の管理が確実に行われる体制を整えることとしたわけであります。
 制度的にどう対応するかということは今回の法改正では入れておりませんけれども、今後、関係者と丁寧に意見交換をしながら、大学からそういう声が出ているということも踏まえながら、しっかりと、特に研究活動とか留学生の交流といったことを過度に萎縮させることがないよう、留意をしていきたいというふうに思っています。
○畠山委員 今、留学生のこともあったので、重ねてなので、せっかくですから御紹介もしておきます。
 その資料において、国大協においても私立大学においても、懸念や心配がやはり表明されているんですよ。国大協の資料でも、「過度な規制が導入されれば、留学生等の受入れにおいてマイナスの影響があるのみならず不当な差別が生じることも懸念される。」私立大学団体連合会の方でも、今でさえ、留学生や外国人研究者は銀行口座の開設なんかも非常に苦労されている、困難だということも紹介して、生活への影響とともに、機微技術の規制強化がされることになれば、希望する研究計画が達成できなくなるおそれから、不安を抱く留学生や外国人研究者がふえることが懸念され、日本の大学に留学、あるいは研究活動に従事することへのちゅうちょが広がることが予見されるとまで書いていらっしゃいました。
 今回の改正で、大臣が今答弁されましたけれども、みなし輸出というか、こういうことが盛り込まれなかったことは、さまざまなこのような意見が反映されたものだというふうに理解してよろしいんですね。
○寺澤政府参考人 お答えします。
 委員御指摘のとおり、安全保障貿易管理小委員会の場で大学の方から御指摘があったように、規制によって国際的な研究活動の阻害要因にならないようにすること、これについて要望がございましたし、また、大学における管理体制はまだまだ不十分だというようなさまざまな御指摘がございました。
 そういうことを総合勘案をして、きょう御説明しているとおり、みなし輸出については、今回制度的な手当てはしません。
 他方で、大学の体制強化は非常に重要だということで、きちっと丁寧に説明会を行い、また、機微技術管理のガイダンスについて明確化を図る、それから、アドバイザーを派遣するということで、まず、大学の体制を強化するということをしっかりと取り組んでいきたいと考えている次第でございます。
○畠山委員 そこで、最後に大臣に確認をしておきたいと思います。
 国際的な研究と人事交流、研究者の育成については誰も異論はもちろんありません。しかし現実は、先ほどから紹介しているように、過度な萎縮が起きるのではないかという心配も報告されています。したがって、一定の必要な線引きが示されないと困るのは、研究現場であり、当事者である研究者であり、そして、未来ある若者たちだと思います。
 前回、二〇〇九年の改正の後に省としてのガイダンスを出して、これも私は読みましたが、確かに、受けとめる現場がいろいろ考えて苦労するだろうなというふうに感じました。
 このような、過度な規制はしないでほしいという要望をしっかり踏まえた明確な基準にするべきだと思いますが、最後に大臣、この点での見解を伺います。
○世耕国務大臣 我が国では、この規制対象を規定するに当たっては、ワッセナー・アレンジメントなど国際輸出管理レジームの定義を踏まえて、外為法の関係法令において規定をしているわけであります。
 大学からは、先ほど御指摘があったように、規制の例外となる公知や基礎科学に該当する技術について、詳細な説明を加えることで明確化してほしいという御要望があることは承知をしております。
 しかし、一方で、我が国の外為法は、先ほども申し上げたように、国際輸出管理レジームで決定された内容をできるだけ忠実に対応させる形で規制対象を定めているというところがあるものですから、さまざまな説明を加えることで逆に規制対象が独自のものになってしまわないよう、慎重な検討も必要であると考えております。
 いずれにしろ、引き続き大学等の現場からの意見も丁寧に伺いながら、より適切な機微技術の管理が行われるよう、検討を重ねてまいりたいと思います。
○畠山委員 我が党の態度について最後に述べておきたいと思います。
 そもそも論ですが、安全保障を理由にした、学問の自由が制限されてはもちろんなりませんし、もちろん、戦前のような、軍事研究へ協力させるようなことがあってはならないことは強調しておきたいと思います。
 あわせて、外為法の運用については、きょう質問したように、安倍政権の積極的平和主義に基づく運用方針における問題点については、最後に改めて指摘をしておきたいと思っております。運用方針の転換を、憲法の平和原則を守る立場から今後も厳しく追及していくことは表明しておきます。
 同時に、本法案にかかわっては、罰則、行政制裁の強化は、重大な経済犯罪に対するもので、限定的な趣旨と措置内容であると考えます。また、対内直接投資の規制強化については、運用方針は注視していきますが、多国籍企業の直接投資がグローバルに急増する中では、一定の規制が必要な場面ももちろん想定され得ります。
 これらの点を今回の我が党としての賛否の理由とすることを最後に述べておきまして、私の質問を終わります。