○畠山委員 日本共産党の畠山和也です。
 ほかの委員会の関係で、質問の順序を調整していただいた関係委員には感謝を申し上げて、質問に入ります。
 きょうは、水産関係についての質問を行います。
 まず最初に、北海道道南地方でのスルメイカ不漁と、噴火湾という地域の養殖ホタテへい死対策について伺いたいと思います。
 というのも、あした、六月一日は道南スルメイカ漁の解禁日になっています。この地域での、もちろん地元の食を支え、経済も支え、観光資源にもなっています。函館では、夏祭りでいか踊りを踊る、地元の文化の上でも欠かせない資源になっています。
 ところが、このスルメイカが不漁のために、加工場、飲食店などが困っています。昨年は過去最低の水揚げとなりまして、函館水産試験場の予測では、昨年を若干ことしは上回るものの、ピーク時でした二〇〇一年と比べて、現状、九分の一程度まで水揚げが減ったということですから、深刻です。
 地域的な問題かと思っていましたら、きょう後半、漁業権の問題を質問するために五月十日の規制改革推進会議第十三回農業ワーキング・グループの議事録を読んでいたところ、佐藤水産長官が、今、生産高などの心配で、イカが大変不漁であるというふうに委員に訴えを行っていらっしゃるんですね。
 議事録を読んで初めてうなずきながら読んでいたわけなんですが、この問題、少し現状を、この間の水揚げ高の経過や不漁となっている原因について水産庁の見解を求めたいと思います。
○佐藤(一)政府参考人 畠山先生にお答えいたします。
 まず、北海道庁の公表資料によりますれば、渡島管内、いわゆる道南地方のスルメイカの水揚げ量と水揚げ金額の推移でございますが、平成九年には八・六万トンで百三十二億円であったものが、平成十九年には四・八万トンの八十九億円、平成二十七年には一・二万トンの四十四億円となっておるところでございます。
 それで、近年のスルメイカの不漁の原因でございますが、さまざまな原因が考えられるわけでございますが、やはり海水温等の海洋環境の変化が一番大きな原因ではないかと認識しているところでございます。
 スルメイカの資源の調査と評価を実施しております国立研究開発法人水産研究・教育機構によりますれば、スルメイカの資源量は近年減少傾向にございまして、特に平成二十七年及び二十八年でございますが、産卵海域でスルメイカの発生に適した温度帯が減少したことが主な要因となりまして、さらに、日本海の温度変化によりまして回遊ルートが変化しまして、沿岸に漁場が形成されにくくなったことが不漁に拍車をかけたと分析しているところでございます。
○畠山委員 道南のスルメイカは、日本海側を北上するものと太平洋側を北上するものが季節が分かれて来るんですね。それで、日本海側の方は、昨年、漁としてはよかった、太平洋側の方が非常に悪かったという調査もありました。
 いずれにしても、当面の地域の経済などを支える上では重大問題でして、今月十七日には、函館の市長さんや経済界の皆さんがそろって農水省と経産省に要請を行いました。イカの輸入数量を制限する輸入割り当て制度、これの弾力的運用や、排他的経済水域での外国船による違法操業対策強化などが要請された柱となっています。
 これは農水省、経産省両方から、これらの要請に対してどのように対応するか、答弁してください。
○佐藤(一)政府参考人 お答えいたします。
 今先生の方から御指摘ございましたが、函館市にとりましては、イカ加工業というのは非常に重要な産業でございまして、また、重要な観光資源であるといったことは承知しておりまして、昨今のイカの不漁によりまして、函館市を初めとする全国のイカ加工業者の皆様方が非常に厳しい状況に直面していると認識しているところでございます。
 このような中で、加工原料の確保に資するため、昨年十二月には、イカの輸入枠について追加割り当ての発表を行ったところでございます。
 水産庁といたしましては、今後とも、この輸入割り当て制度の機動的、弾力的な運用、そして、機器整備等への融資や助成等によりまして加工業者の皆さんに対する経営支援、それと、今先生の方からお話ございましたように、外国漁船による違法操業に対する取り締まりの強化、こういうものを図っていくというふうに考えておりまして、また、スルメイカ資源の変動要因の調査について努めていきたい、このように考えているところでございます。
○飯田政府参考人 お答えいたします。
 五月十七日に、ただいま御紹介ございましたとおり、御要望をいただきました。
 経済産業省関連といたしましては、イカの輸入割り当て制度の弾力的な運用、それからイカの加工業者に対する経営支援、こういったところで御要望をいただいたところでございます。
 イカの割り当て制度につきましては、今水産庁から御答弁申し上げたとおりでございますけれども、経済産業省といたしましても、水産庁と協力し、国内の生産量、消費量、輸出量、輸入量、こういったものの動向、見通しを勘案して、適切に輸入割り当て制度を運用してまいりたいと考えてございます。
 あわせまして、追加枠の早期発給、あるいは、函館の加工業者を対象とした特別枠の新設について御要望もいただいております。
 これにつきましては、追加枠の発給については、昨年の追加枠については先ほど御答弁申し上げたとおりですけれども、今後、水産庁と協議の上、可能な限り機動的に運用してまいりたいというふうに考えております。
 ただ、函館の加工業者を対象とした特別枠という話がございましたけれども、イカの加工業者は全国に存在するため、需要者割り当てという、全国八つの加工団体を通じて配分しておりまして、引き続きこれを御活用いただきたいというふうに考えてございます。
 また、水産加工業に関する支援ということで、御要望の中でも、函館が今後力を入れていきたいAIやIT、こういったものを活用した展開というような御要望もいただいておりまして、これにつきましては、地方版IoT推進ラボによりましてIoTビジネスの創出を支援する、こういったことを進めてまいりたいと思います。
 あわせまして、地域資源活用、農商工連携等による中小企業・小規模事業者向けの新商品開発、販路開拓、こういったものを後押ししてまいりたいと考えている次第でございます。
○畠山委員 不漁の影響を受けた廃業や事業縮小など、水産加工業への影響が出てきているという報道もありまして、きのうですけれども、函館でも、一般財団法人函館国際水産・海洋都市推進機構が主催した講演会には、関係者約二百五十人が専門家の話を伺ったということですから、非常に関心が高いし、それだけ切実だということだと思います。
 状況は今答弁されたとおりですし、きょうこれ以上は問いませんが、地域経済の重要性から鑑みても、当面の対策はもちろんですが、気候変動などの影響も考えられるだけに、研究体制としての充実も重ねて要望しておきたいと思います。
 それで、もう一つ、水産長官が、先ほど紹介した農業ワーキング・グループの水産の中で、スルメイカも心配なんだがホタテも心配だということを続けて言っているんですよ。日本が輸出する際の水産関係はホタテと真珠が稼ぎ頭となっているだけに、それは承知するところですが、道南地方の噴火湾での養殖ホタテへい死も念頭にあることだろうと思います。
 養殖ホタテのへい死は、この噴火湾だけでなく、陸奥湾とか三陸とか、各地で定期的に発生してきたものですが、今回、噴火湾での被害は昨年から発生してきたものです。昨年は、北海道を連続した台風が襲いまして、水産状況にもかなりの被害が出ました。私も、現場に行きまして、耳つりホタテをやるわけですけれども、これがだんご状に絡まってしまって、相当な被害が出たことに切実な声も聞いてきたわけですが、そのときに、同時に、このへい死対策を何とかできないものかということが寄せられていたんです。
 この噴火湾地域の水揚げ、あるいはへい死の原因などについて、これもまず水産庁の見解を伺います。
○佐藤(一)政府参考人 お答えいたします。
 噴火湾のホタテのへい死でございますが、過去十年間の北海道噴火湾のホタテガイの水揚げ量の平均値というのは大体十万トン程度であったわけでございますが、平成二十七年には十二万トンを超える高い水準になったわけでございますが、平成二十八年には、養殖中のホタテガイの大量へい死によりまして、対前年比の四割減の約七万トンとなったところでございます。
 この原因でございますが、北海道道立総合研究機構によりますれば、大量へい死の原因は、ホタテガイの養殖時期に生じた波浪による養殖施設の振動による影響、高水温、そして飼育密度の過多などの複合的な問題によるものと考えられているところでございます。
○畠山委員 噴火湾では、今挙げられましたへい死、それから数年前からザラボヤが、外来種と想定されていますが、くっついてきて脱落する、それを洗浄するための機械の購入だとか、さまざまなことで相当な苦労をしてきたわけです。ただ、水揚げが減ったために単価が少し上がったので何とかカバーしたという話も聞いてはおりますが、昨年は、今述べたように連続した台風、そして相次ぐへい死などで、相当現場での苦労は強まってきております。
 それで、こちらの地域からもさまざまな対策の要望が上がっているかと思いますが、水産庁として今始めている事業があると伺っています。その中身を答弁してください。
○佐藤(一)政府参考人 お答えいたします。
 水産庁におきましては、ホタテガイのへい死被害の原因究明と拡大防止を進めるために、北海道庁、北海道立総合研究機構、そして地元のホタテガイ養殖業者の皆さんと現地意見交換会というものを開催しながら、平成二十八年度補正予算により、幾つか対応してきているところでございます。
 具体的に申し上げますと、まず一つは養殖ホタテガイのへい死原因特定のための予備的緊急調査ということで、北海道道立総合研究機構を主体といたしまして、平成二十八年の十月からこの調査を実施しているところでございます。また、この北海道道立総合研究機構が中心となりまして、大学と漁業者と連携しながら、ICTを活用したホタテガイのへい死の被害を軽減するための技術開発を現在実施しているところでございます。
 今後とも、関係機関と連携しながらホタテガイ生産の振興に取り組んでまいりたい、このように考えているところでございます。
○畠山委員 今述べられたICTによるモニター研究というのは、耳つりは一回一回上げないと中身が見られないものだから、水中カメラを置いて、それで三年間ほどですか研究事業をやってみて、それがうまくいけば漁業者の負担軽減にもなるんじゃないかという中身と伺っています。
 ただ、先ほど述べたように、ザラボヤの洗浄を含めて、かなりの資金も含めた御苦労が現地でありますから、やはり現場の実態を踏まえた対応をお願いしたいと思うんですね。
 そこで、大臣の方に確認したいことが一つあります。
 海はもちろん一つにつながっておりまして、養殖ホタテもスルメイカでも心配なことがあります。
 週刊水産新聞によれば、噴火湾だけでなく、陸奥湾でもことし成長不良があって、西湾の一部ではへい死もふえてきているということなんだそうです。昨年、過去最高の水揚げでしたから、平年並みに戻るぐらいかなという受けとめという話のようですが、実は噴火湾と陸奥湾の関係を調べている方がいらっしゃいました。
 函館の水産試験場の調査研究部で研究結果を発表していて、似たような時期にへい死が起きているという調査を、たまたまなんですが、見つけたんです。この方いわく、これは数年前に書かれた論文ですが、周期から計算すると、噴火湾での稚貝のへい死は二〇一六年から二〇一八年の間に発生するだろうと。ちょうど発生しています。その年か、一年前後して陸奥湾でへい死が発生すれば、統計学的にも確からしい確率だと言えるということを書かれていたんです。読みながら、びっくりいたしました。
 ただ、海のものというのは数年に一度しか起きない事象を蓄積して研究するわけですから、年月がかかるわけです。このような研究があってこその水産資源の安定的確保につながっていると思います。
 そこで、大臣に伺いたいのは、研究はもちろん資金面も大事ですけれども、身分の安定がなければ長期的な研究というところにかかることはなかなかできないと思います。ましてや気候変動が確実に今進んでいる中で、自然を相手にする農林漁業の研究は重みを増しているので、応援してほしいと思っているんですよ。その重要性についての大臣の認識を伺いたいと思います。
○山本(有)国務大臣 地球温暖化等による気候変動は、我が国農林水産業へのさまざまな影響を及ぼすものでございます。影響を予測し、気候変動の適応や緩和のための研究を進めることは極めて重要であると認識しております。
 このため、例えば海水温上昇に伴う赤潮の発生予測技術の開発、あるいは気候変動によるブドウ着色不良等の農林水産物への影響予測、あるいはリンゴの日焼け等を軽減する技術の開発、あるいは高温に耐性のある水稲品種の開発等の研究を推進し、その研究成果が着実に生産現場に普及するよう努めているところでもございます。
 今後も、産学官の連携等によりまして、農林水産業を担う方々の不安を払拭し、安定的な経営が実現できますように、気候変動に関する研究開発を推進してまいりたいと思います。
 当然、そうした研究開発分野に携わる方々の身分の安定も図っていきたいというように思っております。
○畠山委員 しっかり対応していただきたいと思っております。
 水産長官みずから悩みだとおっしゃられているスルメイカと養殖ホタテのことをきょうは取り上げましたが、日本全国どこでもやはり水産業が安定的に続けられるような施策強化を求めておきたいと思います。
 後半に、四月に閣議決定された水産基本計画と規制改革推進会議、また漁業権との関係についてただしておきたいと思います。
 それで、今述べた前半の質問のために漁協や漁師の方などから話も伺ったんですが、今回の件とは別に、漁業権の見直しについてのさまざまな意見も出てくるんですね。明確に反対だという方もいらっしゃいました。
 それで、最初に紹介した五月十日のワーキング・グループの議事録を読んでみると、水産庁がこのとき漁業権に触れなかったことが不満だと述べている民間委員がおりました。それに対して、漁業権の件について水産庁はどのように回答したのか、この場でも同じようにまず説明してください。
○佐藤(一)政府参考人 お答えいたします。
 農業ワーキング・グループでのやりとりでございますが、委員の方から、いわゆる特定区画漁業権について、なぜ漁協がその管理主体となっているのかという質問がございまして、これに対して、特定区画漁業権の対象となる漁業者が小規模で多数存在することが一般的であり、漁場利用の観点から、漁業者間の調整が非常に重要で、かつ困難であること等のため、漁業権の管理の観点から、地元の漁業者の大多数が組合員である漁協に優先的に免許が付与されている旨を説明したところでございます。
○畠山委員 ある漁協さんからは、北海道で余している海面はない、民間に入られるスペースはないとの強調のお話もありました。浜が分断されるようなことはもちろんあってはならないと思うんです。
 そこで、水産基本計画の中身を読んでいきましたが、「魚類・貝類養殖業等への企業の参入」という項目があります。前回の基本計画にはなかった項目です。こう書かれておりました。「漁業者が、必要とされる技術・ノウハウ・資本・人材を有する企業との連携を図っていくことは重要である。」連携、参入の後に、「浜の活性化の観点から必要な施策について引き続き検討し、成案を得る。」と書かれています。
 企業の参入にかかわって、「浜の活性化の観点から必要な施策」とは一体何を指すんでしょうか。漁業権との関係もあるのか、また、成案に向けて何を検討するというのか、具体的に説明してください。
○佐藤(一)政府参考人 お答えいたします。
 先月閣議決定されました新しい水産基本計画では、養殖業につきまして、「漁業者が、必要とされる技術・ノウハウ・資本・人材を有する企業との連携を図っていくことは重要である。」とした上で、私どもといたしましては、浜と連携する企業とのマッチング活動の促進やガイドラインの策定等を通じまして、企業と浜との連携、参入を円滑にするための取り組みを行うとともに、浜の活性化の観点から必要な施策について引き続き検討することとしておりますが、いずれにしても、今後、多角的かつ丁寧に検討を深めていきたい、このように考えているところでございます。
○畠山委員 多角的かつ丁寧にという一般的な答弁でありました。
 私は、こういうときこそ基本に返る必要があると思うんです。
 漁業権を定めている漁業法の第一条、目的規定には次のように書いてあります。「この法律は、漁業生産に関する基本的制度を定め、漁業者及び漁業従事者を主体とする漁業調整機構の運用によつて水面を総合的に利用し、もつて漁業生産力を発展させ、あわせて漁業の民主化を図ることを目的とする。」と書いてあります。競争的ではなくて、民主的な漁業のあり方と漁業権が結びついてこの法律は成り立っています。
 しかし、基本計画の特徴は、漁業の成長産業化を前面にしたことにあります。基本的な方針に、沖合漁業、遠洋漁業の国際競争力の強化とあります。これも、前回の計画にはありませんでした。
 漁業における国際競争力とは一体何なんでしょうか。どこと、何を、どんなふうに競争しようということを指しているのか、これも明確に答弁してください。
○佐藤(一)政府参考人 お答えいたします。
 漁業における国際競争力の強化というのは、ただ単に水産物を大量に供給するというものではなくして、一つは、水産資源を持続的に利用しつつ、持続可能な収益性の高い操業体制の構築等によりまして、多様化する消費者ニーズに即した水産物をより低コストで安定的に供給する能力を高めていくことであると考えているところでございます。
 先月閣議決定された新たな水産基本計画におきましては、このような国際競争力を強化することによりまして、我が国周辺の豊かな水産資源を持続可能な形でフル活用し、水産物の国内市場への安定的な供給や海外市場への輸出の拡大を図り、漁村地域の活性化につながるとの方向性が示されているところでございます。
○畠山委員 今の説明では、成長産業化ということと結びつかない答弁のように思えました。
 具体的な施策については別の機会に質問したいと思いますが、最後に大臣に伺っておきたいと思います。漁業権についての認識です。
 漁業権というのは、魚をとるという狭い概念ではないと思います。漁獲権ではない。海域環境の保全とか水産資源の管理などと結びついたものでありますし、先ほど法の第一条を読み上げましたが、民主的な漁村づくりにも貢献してきたことと思います。
 競争力の強化や所得の向上を旗印に漁業権を開放することには、大きな懸念を持たざるを得ません。大臣の認識を最後に伺っておきます。
○山本(有)国務大臣 漁業における国際競争力の強化は、先ほど水産庁長官も申し上げましたとおり、水産資源を持続的に利用する、持続可能な収益性の高い操業体制の構築をする、多様化する消費者ニーズに即応するというような観点を意味したわけでございますけれども、先月閣議決定した水産基本計画で、数量管理等による資源管理の充実、あるいは漁業の成長産業化等を強力に進めるために必要な施策について、関係法律の見直しを含めて検討を行うこととしております。
 こうした中で、漁業権といったような個別具体の項目内容についての検討にまで至っているわけではありません。また、漁業の成長産業化を図るために、沖合、遠洋、沿岸、そして養殖、こうした資源管理や生産性の問題を含めて多角的に、日本の漁業のあり方等を今後漁業権も含めて検討してまいりたいというように考えるところでございます。
○畠山委員 時間ですので、改めて別の機会に深めて質問したいと思います。
 終わります。