○畠山委員 日本共産党の畠山和也です。
 私からも加計学園の問題について、きょうは質問いたします。
 この問題は、国家戦略特区制度を用いて、五十二年ぶりとなる獣医学部設置が選考される過程で、獣医師の需給判断や行政の政策決定過程がゆがめられたのではないかという疑惑です。
 まず初めに、獣医師の需給判断について伺います。
 まず、農水省に確認をします。
 獣医師の需給については農水省の管轄とされています。活動獣医師について、農水省は、産業動物診療、公務員、小動物診療、その他の分野と分類をしています。そのうち農水省の管轄は、産業動物、公務、公務員の農林水産分野ですか、それから小動物診療で、今問題になっている新たな獣医学部についての、創薬やライフサイエンスなど、新たな分野にかかわる獣医師については、その他の分野に分類されるというのが説明だったと思います。
 まず大臣、この点、間違いありませんね。
○山本(有)国務大臣 間違いありません。
 昨年十一月九日の国家戦略特別区域諮問会議で、今回の獣医学部の設置につきまして、その取りまとめ文書には、一、創薬プロセスにおける多様な実験動物を用いた先端ライフサイエンス研究の推進、二、地域での感染症に係る水際対策など、獣医師が新たに取り組むべき分野における具体的需要に対応するためであるというように承知をしております。
 昨年九月の第一回今治市分科会や本年一月の第三回広島県・今治市国家戦略特別区域会議での議論を踏まえれば、新たに取り組むべき分野に就業する獣医師の分類は、産業動物診療、公務員、小動物診療、その他のうち、先端ライフサイエンス研究につきましては、その他に分類されておりまして、国際的な獣医学の教育拠点に所属する獣医師、次に、地域での感染症に係る水際対策につきましても、その他に分類されまして、学術拠点に所属する獣医師が当てはまるものというように考えているところでございます。
○畠山委員 今答弁がありましたように、新たな獣医学部に関係する需給は農水省の管轄外ということで確認いたします。
 しかし、安倍首相が六月五日の衆院決算委員会で、我が党の宮本徹議員に、今回の獣医学部決定は三大臣合意が全てと答弁しています。これは何を指すかというと、昨年の十二月二十二日に、山本幸三地方担当大臣、それから松野文部科学大臣、そして山本農水大臣の三名で、国家戦略特区における獣医学部の設置について文書で合意した中身を指しています。
 農水省は、先ほど大臣から答弁があったように、新しい分野の需給については管轄外であるのに、なぜ昨年の十二月二十二日のこの文書で山本農水大臣は合意に名を連ねることになったのですか。
○山本(有)国務大臣 国家戦略特区による獣医学部の設置、そして、この合意文書に記載されています一校に限ること自体につきましては、農林水産省の所管するところではございません。
 しかしながら、農林水産省といたしましては、適切な獣医療を確保するという観点から、産業動物獣医師や農林水産分野の公務員獣医師の確保を図るということを担当しておりまして、これらの獣医師の需要動向について情報提供していく立場にあります。その意味におきまして、合意文書にかかわっているという認識をしております。
○畠山委員 いずれにしても、この十二月二十二日の文書で、責任を負うことになったわけです。
 そこで、合意文書を見ると、次のように書いています。丸が二つあるんですが、後ろの方だけ読み上げます。「その際、全体の獣医師の需給も踏まえ、獣医学部を新設するとしても、一校に限るものとし、その旨を当該告示に明記するとともに、今後とも需給の動向を考慮しつつ、十分な検証を行っていくこととする。」。
 それで、一校に限るというふうになった理由、これは農水大臣の方からも、ここに至るまでの過程で述べたことがあったのかどうかもわかりませんが、改めて、一校に限るとした理由について述べてください。
○山本(有)国務大臣 平成二十八年十二月二十二日の三大臣合意文書では、獣医学部の新校を一校に限ることが記載されております。
 特区による獣医学部の設置は、農林水産省の所管ではありません。しかし、十二月二十二日に内閣府から示された、一校に限る旨の三大臣名の文書案につきまして、特段の異議はない旨を内閣府に同日付で回答したところでございます。そういう経過で、一校が三大臣の合意文書の中に組み込まれたということの認識をしております。
○畠山委員 今も、改めて農水大臣から、新たな獣医学部に関する需給は所管外であるとの趣旨で答弁がありました。
 そこで、内閣府の方に今度は伺います。
 今、質疑で明らかに大臣が答弁したように、農水省は、ライフサイエンスなど新たな分野は、その他として、需給の責任は負うものではないとしています。
 では、この分野の獣医師の需給はどこが責任を負うんでしょうか。内閣府が責任を負うとでもいうことになるのでしょうか。この点を内閣府ではどう考えているか、答弁してください。
○松本副大臣 内閣府は、規制改革を推進する立場から本件にかかわっているところであります。
 そもそも規制改革の基本ルールは、自治体などから寄せられた提案につきまして、できない理由を探すのではなく、どうしたらできるかを前向きに議論することであります。
 規制所管省庁が改革は困難とするのならば、その正当な理由を説明しなければならず、その説明がなされない場合は、提案に基づく規制改革を進めていくべきだと考えております。
 こうした基本ルールを今回の件に当てはめれば、関係省庁である文科、農水両省が新たな分野における需要がないと立証していない以上、問題はないと考えているところであります。
 ただ、獣医学部の新設は、五十年以上の間、実現には至らない、とりわけ困難な規制改革事項でもあるため、今回は、関係省庁だけではなくて、内閣府といたしましても、新たな需要について確認し、文部科学大臣及び農林水産大臣もこれに異論を唱えることなく、昨年十一月九日の諮問会議で、両大臣の御出席もいただいて、本件の制度化を決定し、本件一月十二日の今治市分科会で、文科省推薦の獣医学教育に知見のある有識者の二名に出席をいただきまして、要件適合性の議論を行い、本件一月二十日の区域会議で、同様に両大臣の御出席もいただきまして、区域計画の作成をいたしました。
 なお、「日本再興戦略」改訂二〇一五は閣議決定であるため、政府の各府省は、それぞれの所掌事務の範囲内でこれに従って検討すべきことは当然だと考えております。
 内閣府といたしましても、昨年十一月の諮問会議取りまとめ、本年一月の分科会や区域会議に際しまして、事務方からの説明を踏まえて山本大臣が、閣議決定との関係で問題は生じないとの判断で行ったものであります。
○畠山委員 答えになっておりません。
 今大臣から答弁がありましたように、所管外であることの説明責任を、内閣府は、では求めるということになるのでしょうか。
 農水省として、設置法などでライフサイエンスなどの需給に責任を負う、それでは、関係法律で解される部分はありますか。これは事務方でもいいですけれども、誰か答えられますか。
○今城政府参考人 お答えいたします。
 設置法等で我々は、獣医師法及び獣医療法、これを担当するということが明記されておるところでございます。
 その観点から申し上げまして、獣医師が、現実に獣医師資格を持っている人間がどこに就業しているかということについて、獣医師法で我々はデータをとっておりますので、現実問題として、いわゆる企業で創薬に当たっている分野にも獣医師の方が就業している、これは把握しております。
 しかしながら、今後、どういうふうにその分野で需要があるのかということについては、ライフサイエンス等の業について我々は知見がございませんので、そこは把握していない、こういうことでございます。
○畠山委員 それでは、一体、ライフサイエンスにかかわる所掌というのはどこなんでしょう。内閣府、答えられますか。
○川上政府参考人 お答え申し上げます。
 私ども内閣府は、規制改革を推進する立場でございまして、その範囲で、この新たなニーズについても私どもは今回審議をさせていただいたわけでございますけれども、先ほど副大臣からの御答弁もございましたように、私どもの規制改革のルールということで申しますと、関係省庁である文科省あるいは農水両省が新たな分野における需要がないと立証していない以上は、規制改革を推進することを進めていいという判断というふうに承知しているところでございます。
○畠山委員 答えていないです。
 もう一度聞きます。ライフサイエンスなどはどこが所掌するんですか。
○川上政府参考人 ライフサイエンスについても、私ども規制改革を推進する立場から、そのニーズについて私ども審議はさせていただきました。
 全体の需給等について、私どもとして承知しているわけではございません。
○畠山委員 それでは、ないということで確定させていいですか。
 もう一度だけ最後に聞いておきます。どこが所掌ですか。(発言する者あり)
○北村委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
○北村委員長 速記を起こしてください。
 内閣府川上地方創生推進事務局次長。
○川上政府参考人 お答え申し上げます。
 今の事の性格としては、文科省の告示の制度改正の御議論ということでございますので、その範囲でそれぞれの関係省庁が所管をしているということかと思います。
○畠山委員 ちょっと理解不能ですね。
 これは別の機会にやりたいと思っているんですけれども、何を言いたいかというと、結局、この分野に、岩盤規制だから穴をあけるというのが、先ほどから答弁があるように、この国家戦略特区の重要な一つの大きな目標です。
 しかし、その結果、需給でバランスが崩れてしまった場合の責任は誰がとるのかということは、これは不明瞭になっているということではありませんか。
 農水省は管轄外だと言う。内閣府は、今言ったように、所掌がどこかもはっきりしない。一体、その結果、何が起きるか。新しい分野の獣医師の需給に誰も責任を負わないことになりはしないかというのは重要問題ですよ。
 一月十二日、区域会議で、定員を百六十人とするという提案がありました。今、全国の獣医学部の定員は九百三十人です。それなのに、百六十人です。
 山本農水大臣、これは通告していないんですけれども、獣医学部などの適正な定員というのが何人と定められているか御存じですか。
○山本(有)国務大臣 まずは、農林水産省は、獣医学部の設置に関し所管はしておりませんが、新設される獣医学部の定員の妥当性につきまして、所管省庁において適切に判断されているものというように考えております。
 今回の獣医学部の新設は、御指摘のように、先端ライフサイエンス研究の推進等、獣医師を含む獣医学部卒の知見を有する者が新たに取り組むべき分野における需要を勘案して設定されたというように承知しております。
 かつ、学部の設置というのは一校に限られるというわけでございまして、獣医学部全体の需給に対し、百六十という限定の中での影響であるというように認識しております。
 なお、新たな分野のうち、感染症に係る地域での水際対策というのは、現に産業動物獣医師が担っている分野でもございまして、産業動物獣医師につきましては、地域によってはその確保が困難なところもあるため、卒業生がこうした分野に就業していただくことが課題の解決に資することは、大変期待に応えることになるのではないかなというように考えるところでございます。
○畠山委員 答えになっていないのは、私、通告、今の話をしているんですけれども、先の話を大臣は先に答弁されたので。申しわけないんですけれども、言われている趣旨の答弁は、趣旨としては理解はするんです。
 ただ、私がお聞きしたのは、獣医学部などの適正な定員というのがきちんとあるんですよね。
 公益財団法人大学基準協会が獣医学教育に関する基準というものを出しています。これで今、設置審などでも議論がされているんだろうと思うんです。これによれば、入学定員は、六十から八十人程度を標準とし、百二十人を超えないことが望ましい、適正な教育環境を保障するために定員管理に努めなければならないと書かれているんです。
 だから、改めて、全国の獣医学関係大学設置状況が首相官邸のホームページに載っていまして、これを見ても、最大で百二十名に全国の大学では定員がとどまっているんです。
 大臣、それで、先取りして先ほど答弁いただきましたけれども、百六十人ですよ。
 時系列で見れば、農水省として百六十という数字を知ったのは一月十二日の区域会議だと、事前に説明を受けました。ですから、一校に限ると決めたときには、もしかしたらその定員についての認識は大臣になかったかもしれません。ただ、殊に、今ここに至っては百六十名です。余りにもこれは多過ぎませんか。だって、一校に限るとしたけれども、二百だって三百だって、定員だったら、これは明らかにさまざまな形で需給に影響を及ぼすのははっきりしていることではありませんか。
 定員百六十について、山本大臣、需給の状況についてどう考えますか。検討してきましたか。
○山本(有)国務大臣 まず、獣医さんになった、国家資格を持たれた方々の就職先というのは、約六割、アバウトに言うと半分が診療に当たるということでございまして、小動物の方々がその中では多い。産業動物と農林水産に係る公務員獣医師さんというのは地域偏在の中で非常に数が少ないというようなパーセントを置いて考えますと、百六十の中で、概括的に、約半分が診療に当たっていただけて、そのまた半分以下の方々が産業動物獣医師と公務員獣医師になっていただける、こう考えると、そんなに多いとか少ないとかではなくて、我々の期待感は、その程度は必要なのかなと逆に思っている次第でございます。
○畠山委員 定員百六十人が、教育環境としても適正な規模であるということが示されているわけですよ、獣医師が足りないからどんどんふやしたらいいじゃないかということを今答弁でもしかしたら言ったのかもしれませんが。
 そうしたら、今まで獣医師は基本的に足りていて、地域の偏在が問題だという農水省の立場と違う答弁を今しませんでしたか、大臣。
○山本(有)国務大臣 百六十の中で、私が認識しているのは、地域枠を設けていただける枠があると聞いております。そうしますと、地域偏在に向けて、いわば自治医科大学と同じように、ある程度卒業生の就職をかなり大学として誘導することができるというようにも期待をしているわけでございまして、その意味におきましては地域偏在に資するということは、繰り返し申し上げますけれども、産業動物獣医師、公務員獣医師が現実に足りない、そして、福島議員の御指摘のように、畜産農家あるいは酪農経営、そういったものには不可欠な人材でございますので、私どもにとりましては、そうした人材を確保したいという気持ちは、願いは強いものでございまして、いかようにもして産業動物獣医師や公務員獣医師を確保したいという気持ちからは、私は、そうしたことにある程度対応しているものじゃないかなというようには思っております。
○畠山委員 でも、この獣医学部は創薬とかライフサイエンスに特化するというふうに言っているわけですよ。希望として、そういうことがあったらいいなと大臣は今答弁しましたけれども、そもそも設置目的が違うんですから、おかしな話になるんじゃありませんか。
 内閣府にこれは、もう時間が迫ってきたんですけれども、聞いておきたいんです。
 定員百六十というのは、先ほどから話があったように、所掌がどこかわからず、需給の調整がどうなるかわかりません。それでいながら、設置基準の百二十が適正規模というものもはるかに超えています。内閣府として、定員百六十人を踏まえた需給の状況というのは検討したことがあるんですか。
○松本副大臣 内閣府といたしましては、本年一月十二日開催の第二回今治分科会に際しまして、諮問会議取りまとめへの適合性、そして平成三十年度開設の確実性の二点について確認をしたところであります。
 百六十人という定員に関しましては、あくまでも事業者が事業者公募の応募書類に記載をした人数でありまして、事業者としてのお考えを示したものであると考えております。
 応募書類によれば、ライフサイエンス系専門獣医師、国際対応や危機管理のできる専門獣医師を育成するために、入学定員を百六十名とする旨の記載があるところでありますけれども、既に設置認可申請中でありまして、具体的な定員については今後精査されていくものと承知をしております。
○畠山委員 つまり、事業者が書いてきたから、それを認めましたという話ですよ。それはひどいじゃないですか。何の根拠もなく、検討もしないで、それじゃオーケーですということですか。その結果、百六十人の、定員がふえて、それが六年後、社会に出ていくわけですよ。そのときの需給に全く責任を負わず、検討もしないでオーケーしたということでよろしいんですね、確認しますよ。
○松本副大臣 具体的には、一月十二日開催の第二回今治分科会におきまして、諮問会議取りまとめへの適合性、平成三十年度開設の確実性の二点について確認をしたところでありますが、具体的には、その入学定員が、諮問会議取りまとめにあります、獣医師が新たに取り組むべき分野における具体的需要に対応するための人材を養成するものであることを確認するとともに、平成三十年度開設の確実性の審査の一環といたしまして、入学定員が施設や教員の予定規模に比して明らかにバランスを欠くものでないことなどを概略的に確認をしているところであります。
○畠山委員 バランスを欠きますよ。
 これは通告していませんけれども、先ほど宮崎委員の質問の中で答弁にもありました設置審議会が今審議中だということで、もしこれで、仮に不認可だとか、条件変更がどう出てくるかわかりませんけれども、その際は、一般論として、国家戦略特区のプロセスにおいて改めて検討という答弁をされたと思います。この百六十人という定員についても、もちろんその中に、設置審の中では議論されているでしょうから、同じく一般論としては、今後見直す対象としては、一般論としてはあり得るということでよろしいですね。
○松本副大臣 今、御質問が、一般論と個別がごちゃまぜになっているかと思います。
 具体的なお答えは差し控えさせていただきたいと思います。
○畠山委員 通告していた質問の、これで半分まで行っていないんですよ。この問題についてはたくさんさまざまな疑問が、個別具体的な話に入っていくと膨らんでくるわけです。需給の問題一つとっても、農水省と内閣府と、一体、結局、新しい分野の需給は誰が責任を負うのかということが全く何一つ明らかとなりませんでした。
 第二十五回国家戦略特区諮問会議で麻生財務大臣が、法科大学院の事例を引用して、うまくいかなかったときの結果責任を誰がとるのかと指摘していました。需給の検討もなく、結論先にありきだったということは明白で、それが加計学園ありきだったのであれば、これは重大です。
 この場からも改めて、本委員会ではそうですけれども、予算委員会での集中審議や前川前文部事務次官の証人喚問などを求めて、私の質問を終わります。