○畠山委員 私は、日本共産党を代表して、農林物資の規格化等に関する法律及び独立行政法人農林水産消費安全技術センター法の一部を改正する法律案について、反対の討論を行います。
 通称JAS法は、制度当初から、公共の福祉の増進に寄与することを目的としてきました。二〇〇〇年代に入り、飲食料品の原産地等について悪質な偽装表示事件が多発したのを受けて、二〇〇九年に衆議院農林水産委員長提案で、「公共の福祉の増進」を「消費者の需要に即した農業生産等の振興並びに消費者の利益の保護」に改正しました。これは、生産者と消費者をつなぐ役割を明確化する趣旨であり、それにより、規格制度と表示制度が果たす役割も法文上明確にされました。
 その上で、反対理由の第一は、この前回の改正趣旨が大きく後退することになるものだからです。
 本改正案は、「消費者の需要に即した」との文言を削除するもので、前回改正で明確化した、公共の福祉の増進を踏まえた生産者と消費者をつなぐ役割が後退することになります。
 また、農林物資の規格化とあわせて食品表示の適正化も担ってきた「食品表示法による措置と相まつて、」の文言も削除されます。食品表示に関する規定が食品表示法に移管されたという理由ですが、JAS規格は表示と密接なかかわりがあるものであり、削除する必要はありません。
 反対理由の第二は、品質保証のための表示を掲げた現行JAS法が商品を売るための広告を掲げるJAS法へ、法の性格が変わることです。
 現行JAS法は、規格内容を表示として示し、消費者が品質の確認をできるようにしていました。これは、消費者の権利としての表示を体現したものです。
 本改正案で、認証を受けた事業者は、JASマークを広告等に付する規定を新設するにより、新たな規格を得た商品をテレビCMなど含むさまざまな媒体で宣伝ができるようになります。消費者の権利に基づく表示の役割が失われるようなことがあってはなりません。
 なお、修正案は、消費者のためという現行法の目的が大きく後退するという原案の問題点を改めるものではないので、賛成できません。
 以上で反対討論を終わります。(拍手)